2011/01/20

Post #63 Just Like A Blade Runner #1

いや〜、寝過ごしてしまった。
今日は1時から大阪で予定が入っていたのに、起きたら10時30分じゃないか。
昨日というか今朝寝たのはほとんど5時だったから、仕方ないかもしれないが、これじゃほとんどデットエンドだ。急げ!真っ赤なトレンチを羽織って出撃だ。この深紅のコートを来ていれば、通常の3倍の速度で移動可能だ!きっとね。
何てこった、電車が5分も遅れているぜ!ここはインドか?なに、関ヶ原付近で雪?地球温暖化はどーなっちまったんだ?おかげで乗り換え時間はたったの2分!俺は駅の連絡通路を、レプリカントを追いかけるハリソン・フォード演じるリック・デッカードのように走り抜けたぜ、赤いポール・スミスのトレンチを翻しながらね。通常のザクよりも3倍の機動力さ。
HongKong
そうだ、ブレードランナーだ。この話しをしようか?どうせ新幹線のなかじゃぼんやり外を眺めて、過ぎ去った日々を追憶するくらいだ。そんな事より大切な君たちに、俺のメッセージを紡ごう。
ブレードランナーなんて知らないぞという声が世界各地から沸き起こらないとも限らないので、さらりと紹介しておこうか?
ブレードランナーは、SF作家フィリップKディックの『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』をもとに1982年に作られたSF映画だ。
舞台は2019年のサンフランシスコ。
様々な人種が混じりあい、様々な言語が乱れ飛ぶ。遺伝子工学で作られたレプリカントと呼ばれる人造人間を宇宙で奴隷のように使役する事で、人類は繁栄していた。
レプリカントは人間以上の能力を持ちながら、感情も記憶を持たない。それがあったら人間そのものだからな。
しかし、何年も生きているうちに、レプリカントにも感情が生まれる。このため、レプリカントには、4年間という短い命しか与えられていないわけだ。もちろん、レプリカント自身は、自らの寿命を知らない。感情が生まれたレプリカントの中には、人間に反乱をおこす者もいる。当然だ。この、人間に反逆したレプリカントを『処分』するのが、ブレードランナーという特殊捜査官だ。映画ではハリソン・フォードが演じている。ハリソン・フォードのベストプレイといってもイイだろう。まさに、未来世界のフィリップ・マーロウってカンジだ。
彼は4人のレプリカントを追って、混沌と退廃に満ち溢れた未来都市を泥臭く駆け抜ける。毎度毎度、こっぴどく痛めつけられ、鼻血を出したり、口から血反吐を吐いている。決してスマートじゃないが、これはこれで、すごくハードボイルドなカンジだ。
SF小説ばかり読んでいた中学生だった俺が、この映画史上に残る傑作を初めて見たのは、高校生になったばかりの頃だっただろうか?まだ狭い世界しか知らない少年だった俺は、様々な人種と文化が、何種類もの言語が、富と貧困が、スラムと未来都市が、自転車と空を飛ぶ車とが、過去と未来とが、雑然と混在したこの映画の世界にすっかり魅了された。
そこは、スッキリとした理想の未来都市ではなかった。よい子の住んでるよい街じゃないんだぜ。リドリー・スコット特有の夜の背徳都市、そこには必ず霧が漂い、シトシトと細かな雨が降り続け、建物からは水蒸気が吹き出す。意味不明な様々な言語のネオンは闇を照らすが、それは闇の深さをかえって引き立たせる。
まさに、魑魅魍魎の住む世界だ。 
Osaka
いつも、どうしてこんなに夜の街を撮りたくなるのか考えてみると、どうしても少年の頃に見たこのブレードランナーにたどり着く。
そう、ブレードランナーリック・デッカードが銃を握りしめて人混みの中を、レプリカントを捜して歩き回り駆け抜けるように、暴力と欲望を蔵した魑魅魍魎蠢く背徳都市を、小さなコンタックスを持って歩き回り、駆け抜けるようにして写真を撮りたいのさ。まぁ、俺はハリソン・フォードほど渋くもないがね。あくまでそうありたいってことさ。リリシズムってやつだ。
それに、コンタックス研究家の竹田正一郎も、田中長徳との対談の中で『未来がもしブレードランナーの世界だったら、そこに似合うカメラはライカではなく、コンタックスだ』と言っているぜ。俺もそう思う。俺の手のひらにすっぽり収まるCONTAX T3こそ、俺の瞳なんだ。こいつは老眼になることもないぜ、サイコーだ。
ブレードランナーに関しては、他にも心にグッとくるポイントがある。
人造人間のレプリカントも、心を持ち、自らの命がいつ尽きるのかも知らず、死に怯え、その運命に抗おうとしている。それは、俺たち人間の姿そのものじゃないか?しかし、長くなるだろうから、レプリカントに関しては、明日にでも話そう。今日はこんなところで失礼するぜ。
また会おう。

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