2011/04/29

Post #168 Ethics Inside Me

読者諸君、GWをいかがお過ごしであろうか?
俺は相変わらず寝て暮らし、相も変わらず今夜も男の仕事。何のことはねぇ、全く普段と変わりないぜ。まぁ、こんな時にちょろちょろ動いても、渋滞だのなんだので、イライラするだけだ。暇になる日はいずれ来る。商売左前ってことだから、あんまり歓迎は出来ないがね。

さて、閑話休題だ。
Amsterdam
先日の旅行で、空港でチェックインしていると、隣のカウンターでチェックインしているイカにもラスタマンって格好の黒人と、その日本人の奥さん、そしてその子供が目に入った。ああ、あの子はハーフなんだ、イカすぜ、あの天然パーマって思っていたんだ。
搭乗ゲートの喫煙室でパイプをぷかぷかしてると、さっきのラスタマンがやってきた。俺のパイプを見て、ご機嫌なカンジでサムアップだ。
俺とラスタマンは、すぐに打ち解けてタバコをふかしながら、喫煙室でつかの間の交流を持ったのさ。
『パイプ、吸ってみるかい?』
『いやいや、そいつは俺にはストロングすぎるぜ』ラスタマンはポケットからマルボロかなんかを取り出して吸い始めた。おいおい、ボブ・マーレーはバナナみたいにぶっといマリファナをふかしてたじゃないか?そんな健全なこと言ってちゃ、ラスタマンの名が泣くぜ。俺は心の中で、そう思ったのさ。
ふぅーと気持ちよさそうに煙を吐き出して、ラスタマンはこういった。
『ところであんたの髪形、なかなかイカしてんな』
『おうよ、ありがとよ、こいつは天然パーマなんだ。あんたはアメリカ人かい?』
『いやいや、俺はエチオピア人なんだ。本場のラスタマンさ。名古屋でレゲーバーをやってるんだ』
『そりゃいいね、今度寄らせてもらうかね。ところで、あの子は?』俺は、喫煙室の外でうろちょろしている、ジュニアラスタマンを指差した。
『おぉー、あれは俺の息子ね、ナチュラルボーン・ラスタマンさ』
『そりゃまたカッコイイな。で、ラスタマンは一家でどこにお出掛けなんだい?』
『俺はカミさんと息子たちを連れてドイツに行くんだ。あんたはどこ行くの?』
『アムステルダム、ブリュッセル、パリだよ』
『おぉ、アムステルダム!あそこはサイコーだぜぇ。なんてったって、コーヒーショップで大麻を堂々と吸えるんだからな。ラスタマンにはありがたいぜ、なんせ日本じゃとっ捕まっちまうからな』
『まったくだ、ダッハッハッハ!』
俺達は屈託なく笑いあった。ラスタマンのカミさん(それはごくフツーの小太りのおばちゃんなんだが)がラスタマンを呼びに来た。どうやらボーディングタイムだそうだ。
ラスタマンと俺は『いい旅を!』と言い合って別れた。

さて、俺がアムステルダムで、実際にコーヒーショップで大麻を吸ったかといえば、これがまったく吸わなかった。面白みのない男だ。葉っぱが自由に吸えるなんて、世界でもオランダくらいなんじゃなかろうかというのに。しかし、俺は普段から酒もほとんど飲まないし、トルコに行った時も、水パイプもやらなかった。
どうにも、肉体的に弛緩したような退廃的な雰囲気が好きになれないし、第一、俺は自分の感覚意識が鈍るのが、嫌いだ。万一、不覚を取ってしまっては男として面目が立たないのだ。だから吐くまで飲んだりすることはないし、飲んだとしても、記憶が無くなるような飲み方はしない。
ある意味つまらん男だ。しかし、脳内麻薬は年がら年中、ドバドバ放出されているからな、いつだってトップギアに入れることができるぜ。なかなか便利だろう?
そういえば、高校生の頃付き合っていた女の子は、何年か後にあった時には、自分のアパートの押し入れで大麻を育てていると言っていたな。若い頃、夜の公園を散歩していると、しばしばイラン人のプッシャーから大麻を買わないかって声をかけられたもんだ。しかし、そのたびに俺は『俺がほしいのは、ソウルパワーだ』って断っていたぜ。今でも、クラブとかで踊ってる兄ちゃんや姉ちゃんには、葉っぱをやってる奴がごまんといるんだろうな。よく大学生がおまわりにパクられている。押尾センセーなんて奴もいたっけ。

さて、法で許されていたなら、やらねば損なのだろうか。法律の抜け穴をくぐらないのは、間抜けなんだろうか?さらに一歩踏み込んで、法によって強制されたら、やらねばならないのだろうか?

その答えは人それぞれだ。勝手にするがいいさ。
しかし、俺は自分自身の内なる倫理と行動規範によって、やらない方が良いと思うことはやらないし、やるべきだと思うことは、たとえ法で規制されていてもやるだろう。
自らの内なる倫理によって、自分の行動を律していきたいんだ。
Amsterdam
街を歩けば、いい年をしたサラリーマンのオヤジが、赤信号の横断歩道をへっちゃらでわたっていくのを見かける。大阪やパリに行けば、赤信号でわたらない奴のほうが少ない。それはその人の内なる倫理なのだろう。どうぞ、ご自由に。しかし、もしどこかで子供が見ていたら、どーする?自分の子供に、赤信号で横断歩道を渡れと教える馬鹿な親は、さすがにいないだろう。
俺には子供はいないけど、俺はちびっこたちが見ている前で、赤信号を渡るようなことはしたくないね。子供たちに悪い見本を見せたくないってのもあるが、それは法で定められているからじゃない。自分の身を守るためと、自分が逆の立場なら、わたってほしくないということによるわけだ。
つまり、『己の欲せざるところ、人に施すなかれ』だ。
赤信号で平然と渡ってゆく偉そうな管理職のおじさんは、きっと自分の部下がルールを守らないと、厳しく叱責するにちげーねぇ。それとも、会社という村の掟には忠実でも、市民社会のコモンセンスや国によって定められた法には、厳密に従う必要がないと思っているのだろうか。
う~む、大いに疑問だ。
俺には、その辺の機微がいまいち良くわからん。俺にとって、倫理とは自分の中にあるものだからだ。俺には小さなルールを守れないような男が、より大きなルールを守って生きてゆけるとは思えないんだが。そして、この倫理こそが、裸一貫でこの巨大な社会と渡り合っていくための武器だからだ。

例えばもし、法で、殺人が許されているのなら、人を殺すだろうか?
そんなことはありえないだろうと思うかもしれないが、実は戦争ってのはそういうことだ。俺達の爺さんくらいの年代の人々が、先の戦争中に中国でどれだけ中国人の首をはねることができるのかって競争していたのは、ほんのつい最近のことだ。中国人に嫌われたって、仕方ないだろう。善良な八百屋のオヤジとかが、軍人になったとたんに、平気の平左で人の首を切り落とすんだぜ。

冗談じゃないぜ。こんなことってあるのかい?

これには実はからくりがあって、戦争中に、軍人たちは覚醒剤をバンバンにやっていた。何日も不眠不休で行軍したり、戦闘したりするためにね。今でもシャブ喰った奴が、通り魔事件を起こしたりするってのが、たまにあるだろう?あれを国家的にやっていたんだ。戦後、暴力団が覚醒剤を扱っているのも、北朝鮮が未だに覚醒剤の輸出で国家経済を回していると言われているのも、旧日本軍の遺産なんだ。
自らの倫理に反して、国家によって殺人を強要される。
戦争ってのは、そういうことだ。
軍備を増強しろとか、憲法9条を改悪しろとか言っている連中は、自分自身が、国家によって、縁もゆかりも無い誰かを殺すことになった時、喜んで殺すのだろうか。アムステルダムで大麻が吸えるってウキウキするように銃のトリガーを引くのだろうか、刀を振り下ろすのだろうか。
俺は、誰かに命令されて、法に許され守られて、誰かを殺したりするようなマネは御免だぜ。それで非国民だとか腰抜けだとか言われるのなら、喜んで非国民になるし、腰抜けになるさ。
自分自身の内なる倫理しか、国家の強制力に立ち向かう術はない。
ふふふ…、俺の中では大麻の話しと戦争の話しは、倫理という軸を介してつながっているんだ。

もちろん、それは極端な話だろうが、俺はいつだって、自分自身の内側の倫理が指差す方へ歩んでいきたいと思っているんだ。それは時には、世間のルールとずれている時もあるだろう。しかし、自分の中で40年くらいかけて培った倫理を、信じていきたいんだ。それがない限り、譬え法を犯す泥棒になったとしても、それは国家という主人の目を盗んでつまみ食いをする奴隷と変わらないからな。

読者諸君、今日はちょいと小難しくなってスマン。俺はどうにも、たまに小難しい屁理屈をこねくり回してみたくなるんだ。では、また会おう。俺は今からスパゲティでもこしらえて、さっさと食っては男の仕事に出撃しなきゃならないんでな。良い連休を楽しんでくれ。

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