2011/05/28

Post #197 Photographica #8

読者諸君、おはよう。
俺は昨日は、山のなかのホテルで行われた仕事関係の親睦会で、ゆったりさせて貰ったぜ。なんてったって、展望大浴場独りぼっちで一時間半だ。
風呂の好きな俺にはたまらないぜ。ただし、展望のほうは真夜中の山に川だから、まるっきり見えなかったけどね。
こんな忙しい毎日だが、この親睦会に出掛ける前に、別のお客さんの事務所に顔を出したついでに、ちょいと本屋に行って写真集を買ってきてしまったぜ。
しかも2冊。
ヤバい、また本が増えてしまった。最近は本が増えすぎて、けっこうな収納力を持つ本棚が3本、ぎっしりみっしりと本でいっぱいだ。本を新たに購入するたびに、つれあいからは、これじゃいつか床が抜けるとか、そんな金があるんなら、貸してある金を返せとか、嫌みを言われたり、叱られたりするのだ。道楽者も楽じゃないぜ。
Amsterdam
さて、閑話休題。
今回お買い上げは、藤原新也『アメリカンルーレット』とピーター・リンドバークの『ON STREET』の2冊だ。
藤原新也のほうに関しては、1990年初版なんで、まぁ買ったというご報告だけで済ましておこうかな。とはいえ、俺はこの写真集、ずっと欲しかったんだよ。というのは、新潮社文庫から出ているチャールズ・ブコウスキーの短編集『町でいちばんの美女』と『ありきたりな狂気の物語』の装丁に、藤原新也のアメリカンルーレットの写真が使われているんだ。
酒と女出身を持ち崩したろくでなしばかりが出てくる無頼反骨の呑んだくれ作家ブコウスキーの小説も好きなんだが、そもそも藤原新也の写真が使われていなかったら、ブコウスキーを手に取って見ることもなかっただろう。
とまぁ、そんな思い入れもあって今回お買い上げに至った訳だ。
さほどイイ紙質ではないが、そこにアメリカ大陸を横断して撮影したさまざまなイメージが、モノクロで、カラーで展開している。荒野、夜の都市、フロリダ、ディズニーランド、旅のまにまにすれ違う人々。これはイイんだ。

昨日購入の二冊。
藤原新也『アメリカンルーレット』1990 情報センター出版局刊
Peter Lindbergh 『ON STREET』2010 SChirmer Mosel Verlag Gmbh刊
もう一冊のPeter Lindburghの『ON STREET』は、C/O BERLINというベルリンにある写真の美術館で行われた彼のエキシビションをもとに構成された写真集のようだ。ようだというのは、これはもちろん洋書で、ドイツ語、英語、フランス語のトリリンガルで解説されているんですが、ドイツ語は当然わかんねーし、フランス語は、トイレどこ?くらいしかイケないし、英語だったらまぁそこそこわかるんですが、何分ほら、昨日は懇親会でしこたまコンパニオンのおねーさんにビール飲まされて、酔い覚ましに長風呂、しかも酔っ払ったおっさんたちが戦死したように転がってる大部屋での宿泊だったんで、ゆっくり見てみようと思って持っていったんだけれど、そこまで突っ込んでないんだよね。
しかし、写真そのものは、文章と違って即時了解可能なメディアなんで、心配ない。いい写真は、一目見ればいいものだとわかる。
パリを拠点に活動しているドイツ人写真家、ピーター・リンドバーグは、ファッションモデルをあえてモノクロ写真で捉え続けている写真家なんだが、正直言ってファッション写真は俺の守備範囲じゃないから、普段あまり積極的に購入するようなものではないんだよね。ヘルムート・ニュートンとかも素敵だとは思っているんですが、どちらかといえばやはりスナップシューティングのほうに、触手は伸びてしまうわけです。
しかし、この『ON STREET』は、いいぜ。俺好みだ。というか、こういう写真を撮ってみたいなと願っていたようなのを、まざまざと見せつけられたようで、矢も盾もたまらず、お買い上げだ。くそ!
その中身は、LOOKING AT、ON STREET、BERLIN、A SELECTIONに章立てされている。BERLIN(これも俺、スゴク行ってみたい街の一つ。)はベルリンでの様々なシーケンスのスナップやモデル撮影。A SELECTIONはKlaus Honnefによる傑作選ってところか。
俺が注目、瞠目、括目したのは、LOOKING ATとON STREETの2つのセクションだ。
LOOKING ATは1999年に、ON STREETは1996年にいずれもニューヨークで撮影されたもののようなんですが、モデル女性が、ファッションショーのようにエレガントな服を着て、ポーズを決めたりしながら信号待ちをしてたり、雑踏の中をケータイで電話しながら歩いていたり、長いコートの裾を翻して歩み去って行ったりするんだ。
まるで、たまたまスナップをしていたら、GAPなんかを着た野暮ったいヤンキー(これはもちろんアメリカ人の事。コンビニの前や田舎の駅前でたむろしているあれではない)やよれたスーツ姿のビジネスマンの間に、抜群のプロポーションの極上の女性が、しかも素敵に洗練された服装で佇んでいたり、歩いていたりするのを見つけて、気付かれないようにそーっとシャッターをきったかのようなライブ感がある。カッコいい~!
そのモノクロの写真の中には、周囲の生活感むんむんの環境の中に、モデルの女性たちが強烈なしかし静謐なオーラを放っている様が写し取られている。
それは時に、モデルそのものは、後姿だったり、画面の中心を外れたところに配置されていたり、全身が写っていなかったりするんだが、それがかえって写真のリアリティーを増長させている。
くぅ~、やられた。
俺は、いつもこんなネーチャン・フォトを撮りたいと思っているんだ。
もし、素敵な女性が俺に写真を撮らせてくれるのなら、こんなカンジにとりたいといつも考えていたんだ。羨ましさと悔しさが入り混じるぜ。思わずため息が漏れてくる。

読者諸君。これは素敵な写真集だ。アマゾンで買うのが安価でいいだろう。俺はもうしばらくしたら、また今日の仕事に出撃しなくちゃならないんだ。まだ見ぬ俺の写真を遠く思いながら、そしてそれを目にした時の君たちの驚嘆の声を幻聴のように耳の奥に想いながら、車を転がしていくのさ。
各位、よい週末を過ごしてくれ。こんな事をやってるうちに、毎日は光の速さで過ぎ去ってしまうんだ。時間を無駄にしている場合じゃないぜ。台風が上陸する前に、本屋に行って気に入った写真集でも買ってきて、ゆったりと写真でも見て暮らすのも、ありだろう。
失礼するぜ!

2 件のコメント:

  1. う~む、おもしれー!とつまらん!が見事に2対2で、評価が分かれてしまったようだ。なかなかに、珍しい状況だ。これを面白いと思う人の方に今後沿って行くべきか、それとも、つまらん!と思う人の意見を想像して、軌道修正を図るべきか?
    人の感じ方はそれぞれではあるが…。なかなか、ムツカシーもんですな。結論としては、出たとこ勝負しかないかな?

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  2. こんなに自分でコメントするのも自作自演乙なカンジで如何なものかだが、写真の評価もこれ、4対2でわかれるこの状況。
    技術的な観点に関して言えば、独学独断だからあまり立派なことは言えませんね。
    単純に好き嫌いの話しで言えば、こればっかりは個人の好みや感覚なんで、何ともしようがないですね。これがイイだろうと押し付けるわけにもいかないし。
    まぁ、だからって何か違った方向性を模索するつもりもないんですが。

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