2011/06/27

Post #226 たまには写真やカメラについて話そうかな#6

俺は、ツァイス信者、いやむしろコンタックス信者なんだろう。
コンタックスは、現行のカメラとしてはすでに無い。かつて、35㎜カメラの勃興期に、ライカと覇権を競った名ブランドなのだが、残念なことだ。
以前にも触れたイコンタやコンタックスⅢa、あるいは京セラコンタックスのAFレンジファインダーG2。他にもまだ本項目で触れていない、コンタレックスやレンズシャッター一眼レフのコンタフレックスなど、ツァイス系のレンズ、そして独特な存在感のあるボディーを愛好してきたんだ。
これらのカメラは、どれも癖がある。あるいはとんでもなく重かったりする。それはそれぞれのカメラが開発された時点で、望みうる最高のスペックを追求した結果、操作は複雑になり、複雑な機構を支える部品点数の多さゆえに、ズシリとした重みを持ってしまったと言えるだろうな。
しかし、そんなところがツァイス系のカメラの魅力だ。
決して素直に手になじまない。使いこなすのに熟練を要する。玄人好みなカメラだ。

玄人好みのコンタックス一族の中で、最も人々に受け入れられたカメラは、間違いなく高級コンパクトカメラの代表選手、T2だろう。
あれは売れた。ロングセラーだった。チタン外装に秀逸な描写のゾナー38㎜ f2.8搭載。コンパクトカメラとしては、かなり高額だったはずだが、バンバン売れた。京セラカメラ部門のドル箱だったことだろう。今でも中古カメラ屋に行けば、T2はごろごろしている。兵どもが夢のあとだ。時代はすっかり移り変わってしまった。今やコンパクトなカメラはデジカメで、大概のコンパクトデジカメは単なる消耗品だ。そこには、どうしても手が伸びてしまうようなオーラは、何が何でも所有したくなるような物神性は微塵もないんだ。少なくとも、俺にとってはあれは仕事用の消耗品だ。何年か使用しているうちにダメになって買い替える電動工具なんかと同じ、消耗品だ。

さて、この爆発的なヒット商品だったT2の後継機種こそ、俺が最も多用するカメラ、コンタックスT3だ。21世紀初頭2001年発売。当時の低下は98000円だそーだ。ちなみに、俺の持ってる70周年記念モデルは118,000円ってプライスタグが入っている。驚きだ。まぁいい、百聞は一見に如かず。まずはその写真を見てやってほしい。
CONTAX T3 左は通常版、右は70周年記念モデル
俺の使っているT3は2台。いずれもブラックだ。写真右の70周年記念モデルは、珍しく新品で購入したカメラだ。左は通常版。こいつにはDate機能付きの裏蓋がついている。いわゆるデータバックだ。デジカメしか触ったことのない若者ために言えば、この機能は、フィルムの縁に、撮影した日時を写し込むための装置なんだ。これは記念モデルを修理に出した時に、カメラが無いと困るので中古の美品を購入したんだ。だから、まず使うことのないデータバックがついているわけだ。
しかし、記念モデルが修理から帰ってくるとともに、記念モデルはリバーサル専用、通常モデルはモノクロ専用として、2台を2丁拳銃のようにベルトにぶら下げて、写真を撮って歩き回ることになったぜ。我ながらご苦労さんなことだ。
2台ともかつては美品だったんだが、今じゃすっかり手ずれして、見る影もない。記念モデルに至っては、落っことした時にチタン外装のパネルに、えくぼというか傷が入っちまったんだが、修理すると、この記念ロゴが消えてしまうと言われ、そのままだ。なに、外装が凹んでいたって、写真には何らカンケーのないこった。問題ないぜ。俺はコレクターじゃないんだ。
ズイブンと使い込んでいるのさ。
レンズはCarl Zeissの銘玉Sonnar 35mm f2.8。
このゾナーって玉は、間違いなくカールツァイスを代表する名レンズだろう。古くはレンジファインダーコンタックスに装備されていたSonnar 50mm f1.5とかね。
そもそもこのT3の先輩格T2 に搭載されていたSonnar 38mm f2.8も、コントラストや解像度が高い素晴らしいレンズだという評判だったそうだが、このT3の35㎜は、コントラストも解像度も、38㎜のさらに上を生き、絞り開放から素晴らしい結像性能を発揮すると評価されたゐる銘レンズだ。
しかも、これが38㎜だったら、買わなかったろうな。かつて東松照明だったかな、一本だけレンズを選ぶとすれば、何ミリの玉を選ぶかという質問に対して、35㎜と答えたという話を聞いたことがある。別に東松照明を気取るつもりはサラサラないけれど、俺にとってはT2の38㎜ではビミョウに標準より過ぎる。この焦点距離3㎜の違いってのは、実際に写真を撮ってみれば、非常に大きな違いだと感じることが出来るだろう.
それに対して28㎜では広角寄りすぎる。よほど近くによらないと、被写体はちんまりとしてしまう。
だから、ストリートのスナップ撮影に最適な距離感とは、35㎜レンズにありだと俺は思っている。
このブログに掲載している俺の写真のほとんどは、このT3で撮影したものだ。
一眼レフなんかで、街のスナップは出来ない。いや、やってできないことはないけれど、まず持ち運びに疲れてしまうし、余り写真を撮っていると悟られたくない時に、一眼レフはマズイ。目立ちすぎる。万一のために、逃げ足か腕っぷしを強化しておく必要が生じるぜ。いや、一眼レフだと逃げるにしても闘うにしても、邪魔か?
ライカや俺の愛用のG2、もしくはヘキサーRFなんかのレンジファインダーが理想なんだけれど、俺は写真を撮るのに、時と場所を選ばない。遠慮しない。となると、コンパクトカメラで、優秀なレンズが付いたものを選択するのがベストだろう。実際、はじめてこのT3を手にしたとき、俺は自分の写真が変わるという予感がしたもんだ。
手放すなんてできっこないぜ。
HomeTown
このT3、シャッターはもちろんレンズシャッターだけれど、絞り開放時で最高速度は500分の一秒、そして絞ると1200分の一秒まで行ける高性能だ。絞りはf2.8からf16まで。シャッターボタン(これがまた作りと手触り異様に良しの人工多結晶サファイア製、たまらん。)の脇に設けられたダイヤルで絞りを調整することができる絞り優先AEだ。ついでにP表示のプログラムAEもありだ。
AF(アナルファックではない、もちろんオートフォーカスだ)はT2は赤外線アクティブ方式だったが、T3はパッシブ方式に変わって一段と合焦精度が向上している。
ファインダー倍率は0.5倍。視野率は85%。ファインダーカバーガラスは、サファイアガラスを採用。とはいえ、俺ほとんどファインダー見ないから、まぁ関係ないか。
何といっても、このボディーの大きさ、いや小ささだ。W105mm ×H 63mm ×D30.5mm、230g。写真を撮り終われば、手のひらにすっぽりと収まる。というより、鷲掴みして持つと、まったく目立たない。シャッター音も静かで、これ以上はないスナップカメラだ。
名古屋の老舗カメラ店の松屋の社長は、以前会った際に、ベルギーの世界遺産ブルージュに行くと言っていたが、その時持っていくカメラは表向きはライカなんだが、このT3も必ず持っていくと言っていたっけな。まさに通好みのカメラだ。
これ以外には、俺のメインカメラは無い。35mmの距離感も画角も、全て自分の身体に沁みついている。もはや、自分の目の延長だ。チタン外装の醸す程よい硬さも、手になじんでいる。
さて、今日で今までの仕事もけりがついた。明日からは静岡方面に出張するんだ。明日の昼には、俺の車も車検から帰ってくるだろう。俺は高速道路をブッ飛ばして、また旅に出るんだ。とはいえ、仕事だけれどね。もちろん、このT3を持っていくのさ。どこに行くにも、このT3が一緒なのさ。これが手元にないと、どうにも落ち着かない俺なのさ。ギタリストのギブソンや、ルパン三世のワルサーP38みたいなもんだ。
そうだ、明日から出張なんだ、こうしちゃいられないぜ。とっとと眠るとするかな。読者諸君、失礼する。またいずれ会おう。

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