2011/09/23

Post #314 こういっちゃなんだが、素人に21㎜は荷が重いのではないだろーか?

スパークス、ついにダウンだ。
いや、死んだわけじゃないよ、もちろん。今こうしてブログってるし。単に疲労困憊して。一日ダラダラ眠っていただけさ。仕方ない。365日のうち、そんな日もたまにはあるさ。とはいえ、溜まりに溜まった洗濯物をかたずけ、散らかった部屋を掃除し、行きつけのカメラ屋にフィルムを出しに行き、プリントの薬品を調合するところまではやったんですよ。やったんですが、それで力尽きた。俺は眠ったぜ。一日ダラダラ眠って暮らしたんだ。友人のケンちゃんから借りたCDも、一曲だけ聞いて止めてしまったほどだ。イイプリントを作るのも、イイ音楽を聴くのも、結構体力が必要だってことだ。疲れてぼうっとしてると集中することもできないからね。
Amsterdam
先日仕事関係で知り合った若者は、GR21が欲しいと言っていた。
GR21かぁ・・・。森山大道センセーもお使いの名機だ。リコーGRシリーズの行くとこまで行った精華だ。いいカメラだ。俺としては、レンズが完全に沈胴できへんのがちと難点だが。レンズが完全に沈胴しないコンパクトカメラは、俺のように結構ヤバ目のシチュエーションで写真を撮りたがる阿呆には、イマイチ不向きなんだ。パッと撮って、さっと逃げる。これ肝心。今まで、それを怠りトラブルになったこと多数ありだからな。その時、沈胴しきらないと、機動性が悪い。まぁ、これは単に俺の都合ではあるがね。
21㎜は、まぁ現在、フツーに使われる中ではもっとも広角レンズの部類に入るだろう。もちろん12㎜とか16㎜とか、さらに広角な玉があるのは承知の上で言ってるんだぜ。しかし、実際のところ、21㎜よりも広角のレンズになると、何か特殊な表現意図がないと使わないだろうという意味で言ってるわけだ。
GR21が欲しーなんて言う若者だと書くと、カメラに詳しい読者さんからすると、なかなかにいまどき見どころのある若者じゃないかという事になるだろうが、実際に話を聞くと、そんなたいそうなもんじゃなかった。がっくりだ。
きけば、フィルムカメラは持っていないということだし、何故21㎜かと聞くと、とりあえず撮り洩らしがなく、なんでも写るからと、素人丸出しな事を言っていた。俺は若者の意欲に水を差すのもなんだったので、言わなかったが、正直21㎜舐めるなって言いたかったぜ。21㎜の持つ奥の深さ。言い換えれば、その扱いにくさ。それは意図して画面を構成することを撮影者に要求するシビアなレンズだってことを、写真を真面目にやったことのある人は、理解してくれるはずだ。
テキトーに写真を撮っているように見える俺が言うのもなんだけど、被写体にどうやってアプローチするのか、どれくらいの距離感でシャッターをきるのか、写真にはそういったセンスが絶対的に必要だと思うぜ。何でも写るから広角21㎜なんて感覚じゃ、フィルムに何も写せやしないさ。何でも写るってんなら、心霊写真でも撮ればいいのさ。
かつて、ハリー・キャラハンは、1950年代にやっと開発された21㎜レンズ(そう、コンタックスのBiogon21mm f4です。レンズ史上に燦然と輝くあのBiogonです!ライカが、シュナイダーにスーパーアンギュロンを開発させ、発売したのはそのあとですよ)を使うために、中判カメラからコンタックスⅡaにカメラを替えたほどでした。当時の21㎜レンズは現代の12ミリとかのような特殊レンズだったようです。
21㎜は、正直難しいレンズです。俺もG2を投入するときには、必ず使うレンズですが、21㎜は画角が広い分、被写体との距離のとり方がかえって難しい。主題に持っていきたい被写体が、マメ(これは俺の用語で、肝心要の被写体が小さくなっていること)になってしまうこともしばしばだってことです。周辺光量の低下や空間の歪は、広角レンズの味だから置いといても、メインの被写体がどれって状態は困る。
広角レンズならではの被写界深度の深さを応用したテキトー且つ大胆なピント合わせや、広角ならではの開放値の暗さ(もちろん、昔ほどじゃないけどね)などを考慮しても、素敵なスナップ用レンズだと思いますが、むしろ近接した場所でポートレイトを撮るとか、もっとクリエイティブな使用法を試していきたい上級者向けのレンズですわ。そう、さらりと言っておくけど、俺に写真を撮ってほしーという人は、ぜひとも名乗り出てください。出来れば、若くてキレーな女性がイイです!
だから、ロクに写真を撮ったこともなく、フィルムカメラを使った事もないようなボーヤが買っても、箪笥の肥やしに直行便なのは明明白白なんですから、決して賛同出来ね―ぜ。そういったカメラは毎日ガンガン写真を撮りたい、やりたい盛りの思春期の小僧みたいに写真が撮りたいっていう、ハードコアな奴にこそ持ってほしーもんだ。
で、俺は奴に35㎜とか28㎜をお勧めしてみたんだけれど、人の話しをロクに聴かない奴で、まったく聞く耳を持たないんだ、困ったなぁ。せめてレンズ交換の出来るカメラで徐々に感覚を磨いていく方がいいと思うんだけれどね。まぁ、仕事じゃないからそいつの好きにしてくれていいけれど、仕事でもそんな風に、ロクに分かってもいないくせに人の意見を容れないような奴と組むのは、骨が折れるだろうぜ。自分のところの若い衆なら、回し蹴り一発で教え込むんだけれど、そうもいかんしな。
Amsterdam
やれやれ、困ったもんだ。しかしまぁ、自分の稼いだ金で買って、無駄にするなり苦労するなりして勉強していけばいいのかもね。どんな写真を撮りたいのか知らないけれど。まぁだけど、21㎜なら撮り洩らし無しなんて言ってるようじゃ、マジにロクな写真は撮れないだろうな。もったいないぜ。マータイさんもきっと『モッタイナイ』というと思うぜ。
そう、ガチで被写体と切り結ぶ覚悟が感じられんぜ。冗談じゃない、カメラはアクセサリーじゃないんだぜ、侍で言ったら刀、次元大介で言えば44マグナムだ。けど、本質的なことを言えば、本当に撮りたかったら、写るんですでもケータイでも十分に写真は撮れるさ。なんせこの俺だって、写るんですで写真をとりはじめたんだからね。
カメラがあるから写真を撮るんじゃない。写真を撮りたいからカメラが必要なのさ。問題なのは、写真を撮りたい気持ちであって、写真を撮る俺たちのセンスと覚悟であって、カメラなんて何でもいいのさ。まぁ、そうは言いつつも、俺だってコンタックス信者だけどね。
読者諸君、写真はシャッターを押せば写る。だけれど、いやだからこそ、カメラ以外に問われるものがたくさんあるってことだ。毒にも薬にもならんような写真を撮りたくはないのさ。そう、森山大道も言ってたぜ、覚悟しろ!ってね。

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