2012/04/20

Post #510 世の中には凄い奴がいる

世の中には、俺の予想を超えた凄い奴がいると、先日つくづく思い知ったぜ。
俺は例によって、百貨店の改装工事の監督をしていたんだ。作業は大詰めだ。気は抜けない。
俺は朝八時からぶっ通しで、次の日の朝7時半まで仕事をしていたんだ。昔々、バブルの余韻冷めやらぬ頃、24時間働けますかというCMがあったが、今の俺の職業は、それが日常茶飯事だ。そのCMが流れていた頃、まさかそんな職業に就く羽目になるとは、夢にも思わなかったがな。
この日、夜の部から合流してきた元請の監督は、作業が始まって間もなく、そこらにどっかり座り込みパソコンをいじりはじめた。俺は何やら書類でもやっているのかと横目で見ながら、錯綜する現場を駆けずり回っていた。職人さんが、あっちでもこっちでも作業をしている。こんな奴にいちいち構っちゃいられないからな。
暫くすると、奴はゴロリと床にの転がったまま、何やらむにゃむにゃ言っていた。寝言かと思いきや、携帯にイヤホンを取り付けて、まことにリラックスして電話している。夜中の12時ごろだ。どう見ても、仕事の電話とも思えない。しかし、俺は構っちゃいられない。多少現場は落ち着いてきたが、まだいろいろな職種の職人さんが、多方面で展開中だ。しかも、本来夜の工事を担当していた監督は、体調不良のため、俺に後を託して帰ってしまったんだからな。仕事をしないレベルの低い奴は、どこにでもいる。この程度はざらだ。
更にもうしばらくすると、奴は太った体を丸くして、だるまのように揺れながら眠っていた。さすがに俺はこのような態度は現場の指揮に関わると判断し、『お体の具合がよろしくないなら、お帰りになって、ゆっくりお休みになってはいかがですか』と言ったんだが、この男はヒキガエルのような声で呻くだけで、何のアクションもなかったんだ。俺を格下とみて舐めてやがるのか?
Marrakech,Morocco ここではロバも馬もよく働く。
仕方ない、奴は俺に仕事を出してくれている2次受けの会社のさらに上、元請から送り込まれてきている監督だ。俺にはこれ以上のことを言う権限はない。俺は放っておいて現場の指揮監督に専念することにした。それに俺自身も、肉体の限界を突破したとき、現場の隅で眠っていることはあるからな。しかし、それはやるべきことをやってやってやり続け、致し方なくなんだが。まぁ、このおっさんもいつかどこかで仕事をして疲れているんだろうと、前向きに考えることにした。俺はみんなからポジティブな奴だと驚かれてるんだ。とはいえ、仕事が始まってから数時間、奴はどっかりそこに胡坐をかいたまま、ピクリとも動かないんだがな。
それからしばらく経ったとき、ふと見ると、この菊池(あ、書いちまった。まぁいいか)というおっさん、目を覚ましたようだが、寝ぼけ眼で何やら一生懸命やっている。仕事ではない。ニンテンドーDSかなんかで、ゲームをやっているんだ。
俺は、仰天した。ここまで堂々と、仕事をコケにしている奴は初めて見た。俺の指揮監督下にある人間なら、叩きのめして退場だ。パワハラだとか暴力だとか非難されようが、俺は躊躇なく安全靴で延髄にケリを入れるだろう。しかし、奴は俺よりも立場が上の人間だ。さすがに延髄斬りはマズイ。
俺は胡坐をかいて、うつろな目でゲームをやっているこの菊池というサイテーの監督の前にヤンキー座りして、奴が気が付くかどうか3分ほど見ていた。マトモな奴なら、気まずそうにして止めるだろう。しかし、奴はレントン教授の世界に没頭している。心ここにあらずだ。イヤホンをつけて、タッチペンを走らせている。胸倉をつかんで、殴りつけてやりたいぜ。
『あんた、ゲームがしたいんなら、帰ってやったら?みんな一生懸命仕事してんだからさぁ』
俺は、我慢出来ずに言っちゃたんだが、菊池はぎろりと濁った眼で俺を一瞥しただけで、ゲームの世界を彷徨っていた。
こんな奴に構ってはいられない。世の中には、俺の想像を超える超低能な凄い奴がいる。しかも驚くのは、これが50をとっくに越えたいい年をしたおっさんで、毎月40万は貰ってるということだ。凄い奴だ。自分の仕事に真剣に取り組まない奴を、俺はケーベツするぜ。まぁ、奴が寝ていようが、ゲームをしていようが、現場は回っていく。奴ははじめっからまったく必要のない人間だったってことだろう。
読者諸君、何だか俺はいつも何かに怒っているような気がするよ。俺は見かけと違って、うむ、常識的で真っ当な奴なんだぜ。いや、自由に自分の思うままにふるまいたいと思うなら、誰からも納得される仕事をして、それで自分のやり方生き方を認めさせるしかないと思っているんだ。俺だけじゃないだろう。誰だって、そう思ってると思ってたんだが、俺が目にしたのは実際には、みんなと同じ事なかれ主義の奴らばかりだった。そして、事なかれどころか、ここまで仕事を舐めた奴がいるとは。
けど、俺はこんな奴らには、負けはしないさ。失礼する。

2 件のコメント:

  1. お久しぶりです。
    sparksさんにはかないませんが、
    忙しい部署に異動になり、毎日遅くまで働いています。
    お陰でネット徘徊も土日のわずかな時間だけになり、
    写真すら撮りに行けなくなりました(泣)
    稼がないわけにもいかないので頑張ります。
    sparksさんもお体には気を付けてください。

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  2. Kentilfordさん、お久しぶりです。久しくそちらのブログの更新が無かったので、案じていた一方で、きっとお忙しいんだろうなぁと思っていました。案の上ですね。ご愁傷様です。
    しかし、忙中閑在り、悠々として急げといったノリで、何とか時間をやりくりして、写真を撮って頂きたく思います。斯く言う僕も、いつも仕事の荷物と一緒にコンパクトカメラを持ち歩いています。それはそれで楽しみなものです。
    なんてったって、さみしーじゃないですか。ではまた、御機嫌よう。

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