2012/04/29

Post #518 つまらない写真を君に送ろう

ひょんなことから休みをとることができた。ゆっくり眠ったり、夕暮れの道をコウモリを追いかけながら散歩したりして、人間らしく暮らしたぜ。
さて、今日は君たちにつまらない写真をお送りしよう。とはいえ、俺自身はこれっぽっちもつまらない写真とは思っちゃいないんだがね。
HomeTown うちの近所、だったと思う。
この写真がつまらないと感じる方は、多いんじゃないだろうかと思うんだ。他人のアルバムにのっているどうということのない写真よりも、さらにどうということが無い風景だ。特に思い入れが無ければ、こんな風景、つまらないだろう。もちろん、俺自身にも、この家に対して何の思い入れもないけどね。この写真を撮った時のことなど、かれこれ一年ほど前のことだし、つい先日プリントするときまで、こんな写真を撮っていたとことすら忘れていた。もちろん、プリントする候補にも挙げていなかったカットだったんだが、ふと気になってプリントしてみた。
何が気になったかって?
まったく特別人の気をひくようなものが写っていないって事が気になったんだ。
しかし、にも関わらず、俺はこれをフィルムにおさめた。そこに何か引っかかるものを感じてプリントしたって訳だ。
その時の気持ちなんてまったく覚えていない。つまり、他者なる自分が撮った、意図不明のカットに魅かれて、プリントしてみたわけだ。そして、出来上がったプリントを見て、大いに気に入った。
写真には意味なんてないということを、所詮写真なんて俺たちの周囲の空間を四角く切り取るだけのものだということを、如実に雄弁に語っているように感じて、俺は面白く思ったんだ。なかなかに味わい深い。ぜひ君たちにも見せてあげたいと思ったのさ。
けど、この風景がいったいどうだっていうんだ?まったくつまらない写真だって思われるかも知れないなとは、覚悟はしていたんだよ。けど、それがどーした?撮ってプリントした本人の俺神が面白く感じてるんだ。それでいいだろう?
だいたい、写真には何か劇的なモノや決定的な瞬間が写っている必要があるのかい?俺はモチーフ主義者じゃないんだぜ。何もない、ただ普段無意識に眺めているような風景を、忠実に再現することも写真の持つ大きな役割の一つだと思うんだが、どーだろうか?
俺はこういう写真も、結構お好きなんだが、やっぱりつまらないかな?
俺の思惑を暴露しちまえば、この写真は一種の挑戦なんだ。そう、何かが写っている限り、その被写体の持つ意味や意義に関わりなく、写真は成立するんじゃないかっていう、俺の挑戦なんだ。
写真に意味なんかない。ただ、かつて、それが、あった、ということだけを証しだてるものでしかない。
かつて、その光の中、俺は、カメラを持って、この家の前に立ちどまった。それだけだ。
そして、そんなことすらもとっくに忘れ果てていた時、それは忘却の中から写真として顕現してくることになるんだ。
つまらない写真だと思うかい?俺は結構面白い写真だと思ってるんだけどね・・・。
もし君が、この写真に何らかの面白味を感じてくれるんなら、結構嬉しいよ。
読者諸君、失礼する。これだから写真は面白くって止められないぜ。

2 件のコメント:

  1. 以前匿名でコメントさせていただいた者です。いい写真だと思います!森山大道のサン・ルウへの手紙を思い出しました。
    ぼくもブログをやっています。
    http://papillonia.exblog.jp
    です。
    もし暇なお時間などありましたら見ていただけたら嬉しいです。失礼します。

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  2. いつも、ありがとうございます。
    僕も『サン・ルウへの手紙』やそのひとつ前の『光と影』辺りの森山大道ってのは、大好きです。静かで何気無い写真の中に、被写体その物としての存在感が満ちてますよね。あれはたまらないんです。
    ブログ、是非拝見させて頂きます。
    今後とも、よろしくお付き合い下さい。ではまた。

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