2012/05/27

Post #546 戦争したがる奴が平和を守ってるらしい

というような大げさなタイトルを付けたのは、最近このフレーズが頭の中を回っているからだ。
渋谷の地下鉄の駅で起こった、32歳のアルバイト男性による切り付け事件以来だ。
防犯カメラ(またしても、これかよ。俺が写真撮ってると文句を言う奴が多いくせに、これは増える一方だ。まるでオーウェルの1984の世界だぜ)の映像が公開されたことで、あっさりと犯人は捕まった訳なんだが、この人、おかしなことに刃渡り30センチのサバイバルナイフを持っていた。
うむ、そういえば俺も職質された時には、カバンの中にナイフが入ってないかとおまわりに期待されたもんだ。ふざけやがって、本当に持ってる奴は、ほら他にいただろうって言いたくなるってもんだ。
この犯人は、この物騒きわまるナイフを、護身用として持っていたと言ってるわけだけれど、こんなナイフを持ってるおかげで、事件を起こしてお縄になってしまったわけだ。
もし、この犯人がこんな危険な(なんてったって刃渡り30センチだ。危険でないわけがないだろう。)ナイフを持っていなかったら、こんな事件にはならなかっただろう。護身用と言いながら、丸腰の相手の身体を傷つけ、自分の社会的信用や人生を誤ってしまうことになってしまった訳で、まったく身を護ってはいない。自分の身を損なっているわけだ。
もっとも、彼を馬鹿な男だと切って捨てるのはたやすいが、俺自身はいつも、自分がアメリカ人じゃなくって本当に良かったって思ってるんだ。何故って、車のダッシュボードの中に銃なんか入ってたら、思わず何かの拍子にキレて、無謀運転のタクシーなんかに鉛玉をお見舞いしてただろうってのは、十分にあり得ることだと思ってる。そういえば、若い頃拳銃を買わないかなんて聞かれたこともあったなぁ。そこで買ってたら、俺もこの渋谷駅の馬鹿野郎と同じ道を歩んでいたかもしれないからな。まぁ、人間そんなものを持つと、つい使いたくなってしまうということだ。
この犯人の間違いは、一言で言うならば、そんな物騒きわまるものを、護身用とか言って持ち歩かざるを得ない弱い心しか持っていなかったことだ。
誰も彼も、もちろん俺自身も、そんな物騒なものを持っていたとしたら、何時か使ってしまうことだろう。そして、使ってしまった後は取り返しがつかない。人間トラブルは言葉で解決するように努力することが大切だ。
HomeTown
とまぁ、ここまでは常識的な考えをお持ちの市民の皆さんなら、納得してくださると思うんだけれど、これを敷衍して、国家レベルの規模にまで拡大すると、抑止力つまり護身用の延長ですわな、として軍備を拡充するという妄想に取りつかれている方々が、世界中にたくさんいらっしゃる。
彼らは口々に、我々はこの軍備を抑止力として、他国からの領土侵攻を未然に防いでいるとおっしゃるんだ。アメリカ然り、中国然り、毎度おなじみの北朝鮮然りだ。非戦を高らかに謳った憲法9条を持つ我が国にも、その手の勇ましいことを言っては周りの人びとをげんなりさせるお方も、けっこういる。どこぞの知事の人とか、勇ましい発言がお好きだからな。
しかし、持っていれば、使いたくなってくるのが人情だ。なかにはぶっ放してみたくってうずうずしてる奴もいるかもしれない。何せ軍隊ってのは殺人のスキルを市民に叩き込み、いざとなれば、効率よく他国の兵士、時には非戦闘員=フツーの市民を殺して殺して殺しまくるのが仕事だから、軍隊の論理で行けば、より強力な武器を装備すれば、抑止力になり得ると声高に主張するのももっともだ。
しかし、気に入らない奴がいたら、酷い目にあわせてやれってのは、人間として進歩がなさすぎだ。ナイフや拳銃をちらつかせて、俺の縄張りから出て失せろなんて言うのは、ヤクザもんや動物と変わらないぜ。けど、そんな奴らは、兵器をずらりと並べて行進させたりするのが大好きだ。高い弾薬をしこたま使って訓練をして、いつでもよその国にのり込んだりして、平和を護ってると大言壮語するわけだ。そんなことなら、外務省なんかいらんわな。
という訳で、見出しに戻る。俺には戦争したがってる奴らが、平和を守ってると主張しているようにしか、思えないぜ。もちろん刃渡り30センチのサバイバルナイフよりも、戦闘機や弾道ミサイル、空母のほうがよほど物騒だ。そして、何か事が起こったら、勇ましいことを言ってる連中は、安全なところで憂国の士を気取り、平和をもまる時が来たと国民をたきつけようとするだろう。
もうやめておきなよ、そんなもん持っているから喧嘩になるんだって、俺は声を大にしてお伝えしたいぜ。そう、戦争したがる奴が平和を護っているらしい。不思議なものさ。冗談じゃない。
読者諸君、失礼する。

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