2012/07/02

Post #582 再びコインランドリー

Tokyo
昨日は傘を持たずに仕事に出かけたので、帰ってきたときにはずぶ濡れだった。
こんな作業服じゃ、もう着られない。生乾きではなんだか濡れた犬のような臭いになってしまう。
俺は例のコインランドリーに行ってみることにした。これについてはPost #578を参照のことだ。http://fragment-sparks.blogspot.jp/2012/06/post-578.html
しかし、日曜日の夜は結構忙しい。何故って、NHKでダーウィンが来た、平清盛、NHKスペシャルを三タテで見なくちゃならない。今回もアフリカのハシビロコウという変わった鳥の漁のテクニックについて学び、平治の乱で葛藤する清盛を追体験し、ギリシャ彫刻は実は極彩色に彩られていたということに納得してから、コインランドリーに出かけることになってしまった。
さて、コインランドリーの例のノートには、やはり店主さんの書きこみがびっしりと記されていた。まるで宿題の添削のようだ。
それによると、何故かこのコインランドリーには場違いなSTEIDL刊のカール・ラガーフェルドの写真集『The Little Black Jacket』は、ある日、本棚の一番上に置いてあって、地震なんかで落ちてきたら危ないから一番下の段においておいたとのこと。
何故そこにこんなものがあるかということについては、あっさりと、単にある日あったというだけだ。もちろん、そんな高価なものだとは知らなかったので、誰か価値の分かる人がもらってくれるとありがたいといった趣旨のことが記してあった。
貰って行こうかな。絶滅危惧種の野生動物を、本来の生息域とは違う場所で発見し、保護するような気分だ。
そうこうしていると、プードルを連れたおばさん(といってもおそらく俺とそんなに歳は変わらないだろう。なにしろ俺もおじさんだからな。クソッ!)が入ってきた。客ではなさそうだ。するとこの人が店主さんか・・・。
店主さんは毎晩閉店時間にやってきて掃除をしている。ようだ。俺は他愛もない世間話をし、その流れで、おずおずと自分が例の写真集の書き込みのものだと明かした。
すると店主は、もらってくれるのなら有り難いくらいだ、ココにあっても、いずれ日に褪せ、ボロボロになって、ねこぱんちなんかと一緒に捨てられるのが目に見えている、とおっしゃる。
そういうことなら、頂いていくのはやぶさかではない。なぁに、これも何かの縁だ。おもしれーぜ。
店主さんは、散歩をしたくてうずうずしている犬にせかされながら、掃除を終え、洗濯物を乾燥させ続けている俺に電気を消して、シャッターを閉じてくれるように頼むと夜の路地に消えていった。
どうもありがとう、店主さん。大事にさせてもらうよ。
俺は残りの時間を、子供向けの宮沢賢治の伝記マンガを読んで潰した。
まったく、人生にはいろんな夜があるってことさ。
読者諸君、失礼する。そろそろ出撃の準備をしなくちゃならんのさ。

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