2012/10/06

Post #642 娘御よ、安らかなれ

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仕事を終えて現場を出ると、そこは別世界だ。
繁華街のど真ん中、金曜日の夜ともなれば、思わずぶん殴ってやりたくなるようなチャラい男やケバイお嬢や、ほろ酔い加減のサラリーマンが行きかう。
俺はその人波をかき分けるようにして、歩く。
ふと、キャバだかなんだかのビラを配っているお嬢が目に入る。
派手なストッキングいやオーバーニーソックスか?にミニスカート。その短いスカートのお尻のあたりにはピンク色のトランシーバーだろうか、端末がひっかけられている訳なんだが、その端末の重さでスカートはずり下がり、彼女の肉の薄そうな尻の地肌が見える。てことはどんなパンツだか、想像も付こううってもんだ。
俺は、いつだって、バランスの取れてない服装や襟のひっくり返ってるのが気になって仕方ない。そういう、おせっかいな性分なんだ。子供の頃には、体育の時間に女子のブルマ(今は大人のおもちゃやくらいでしかお目にかからないんんだろうか?)からはみ出ているパンツを注意してあげたもんだ。いや、スケベなんじゃないぜ。俺自身はスケベかもしれないけど、そういうのじゃないんだ。言うなればエチケットってもんだね。
俺は思わず、彼女に言ってしまった。
『あの~、それをスカートに引っ掛けてると、お尻が丸見えになってるんですけど、いいんですか?』
彼女は訳わかんねぇこと言うなよオッサンといった態の顔で『はぁ?』ときたもんだ。
羞恥心の無い女はいけ好かない。どんなに見かけがよくっても、ダメだ。

俺は内心、ダメだ、通じちゃいないなぁと思い、歩き出す。疲れ切った肉体を引き摺るようにして。
いったいあのような女の子たちの心の中には、どんな思いや願いが詰まっているのだろうかと想いまったくのころ想像もつかず、一言半句も言葉の通じない異邦人のような悲しみにも虚しさにも似た思いを抱く。
そして、神に祈るかのような切実さでつぶやく。
『娘御よ、安らかなれ』
読者諸君、失礼する。明日も朝早いのさ。

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