2013/04/26

Post #795 へらへら笑うしかないぜ!

Marrakech,Morocco
俺が追突した男は、タクシー会社に勤務する爺さんだった。
やたらと誠意、誠意とのたまっておいでだった。誠意を見せれば、自分も働かなければならないので、人身扱いにせずに、物損で処理してくれると、随分と話の分かることを言っていた。
誠意ねぇ・・・。こいつが曲者だ。
俺は追突した次の日、爺さんに電話をかけたんだ。すると、警察に行って、人身ではなく物損で処理してくれるように届けを出してくれたというのだ。サンキュー、爺さん。俺も車を転がして働かなけりゃならないでね、助かるよ。感謝しま~ス!
俺は爺さんの言う『誠意』とやらを見せるために、クソ忙しい合間を縫って、近所の和菓子屋で菓子折りを買い求め、車を飛ばして爺さんの家に赴き、謝罪と感謝をかねて挨拶してきたんだ。
爺さんは『物損で処理するつもりだから、今後はもう電話なんかもかけてくれなくてイイ』と、これっきりにしたいという意思を伝えてきたんだ。やれやれ。
しかし、この爺さんが俺をうんざりさせたのはそこからだ。
俺が夜の仕事に出撃するために、一旦家に戻った途端に、この爺さん、電話をかけてきやがった。で、餅がのどに詰まったみたいな勢いでこう言うんだ。
『物損にすると、保険会社から休業補償も、検査のために行った医者代も貰えないんじゃないかと人に言われたんで、やっぱり人身で処理してもらうようにする!』だとさ。
おいおい、なんだよそれは?
俺は保険屋じゃないんで、それで爺さんに銭が払われるのかどうかはっきりしたことは言えない。もう保険屋も閉まっている。だから、この重大な問題を速やかに確認することもできない。
『いやいや、それに関しましては、私の方でですねぇ、一度保険屋さんに確認して、そちらに連絡させるようにします』って言うので精一杯だ。
気持ちは分からないでもない。
しかし、俺だったら一度約束したことを、ものの20分でひっくり返すなんて恥ずかしい真似はできないぜ。一度吐き捨てた唾を呑みこむようなもんだ。男として、恥ずかしいったらありゃしないぜ。まぁ、車をぶつけたのは俺なんだけどね・・・。
まぁ、爺さんはきっと今まで、そうやって周りの意見に流されて生きてきたんだろう。仕方ない。ニンゲンには2種類ある。自分を持ってる奴と、自分を持ってない木偶人形のような奴の二つだ。後者のような人間に付き合っていると、不愉快な目にしか合わない。そういうもんだ。
しかしなんだなぁ、一体ぜんたい、爺さんの言う誠意っていうのは、なんだったんだ?
それとも、菓子折りの中身が口に合わなかったのか?
いっそ、犬のクソでも包んで持って行ってやればよかったぜ!
で、今朝布団からはい出して早々に保険屋に電話をかけてみた。担当者にその旨を伝えると、担当者は『おかしいですねぇ、物損で届けていただいても、補償はしますよって言ってあるんですが』と困惑しきりだ。
仕方ねぇよ、自分の意見の無い爺さんなんだから。
で、保険屋が相手に電話をかけたうえで、俺に電話をかけてきた。
すると、さらに驚いたことに、補償されても、年齢が年齢なので、医者に通うことにするんでどっちにしろ人身で行きますとこきやがったんだとさ!また話が変わってるぜ。もう笑うしかないぜ。どうやら、自分の勤めるタクシー会社に入れ智慧されたようだ。
これだから、タクシーの運転手ってのは、信用ならねぇよ。
まったく、誠意が聞いてあきれるぜ!
よし、こうなったら俺、免停だ。望むところだ。面白れぇじゃねぇか。たっぷり休みを取ってやるぜ。
かなりイラッとしたんで、俺は保険屋さんにこう注文してやったぜ。
『この手の人間は、まわりの声に流されて、むしり取れるもんはむしり取ったほうが得だってノリで、休業補償とか水増しして請求してくるに違いないから、ビシビシ厳しく査定して、焼け太りするようなことが無いように、しっかりやってください!』
しかし、この爺さんの言ってる誠意ってのは、いったいなんなんだ?その気もないのに、誠意を見せて欲しいなんて言うもんじゃないぜ。ぶっちゃけて言うならば、どうせ、金の話しなんだろう?
不誠実な人間にも、誠意を持って接するのは、何だか誠意の安売りみたいで、嫌になるぜ。
俺は言いたいぜ。最後に言わせてくれよ、なぁ、イイだろう?

こんちきしょう!菓子折り返してくれよぉ!

読者諸君、失礼する。日々人間に対して絶望を深めている俺さ。

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