2013/06/18

Post #849 Necropolis Part 1

Salé,Morocco
また、親類に不幸があった。今年に入って二人目だ。俺の叔母さんの夫、つまりは俺の叔父さんだ。癌を患い、すっかり痩せ衰えた末に、子供や孫に囲まれながら静かに息を引きとったそうだ。
誰しも死を免れることは出来ない。
全て死にゆくものは、その死を以て、残された者たちに、その命の有限なることを指し示すという訳だ。
モロッコの首都ラバトは大西洋にそそぐブーレグレグ河の河口に位置する街だ。対岸のサレをベットタウンとして今ではほぼ一つの都市として成り立っている。
そのサレの旧市街を囲む外壁の外側に、巨大なイスラム墓地が広がっている。
2メートルほどの壁に上ってみると、古くからのイスラム式の墓石が、広大な敷地にびっしりと立ち並ぶ様は、壮観ですらあるわけだ。
まさに、死者の都・ネクロポリスという言葉が脳味噌の奥から浮かび上がってくるってもんだ。

イスラム教徒は、いつの日にかやってくる最後の審判の時、墓場から蘇り、アッラーの天国に召されると信じているという。
浄土真宗の俺は、極楽往生を願う。
そして、神を信じることの無い者は、死ぬことで己の全てが消え失せるという。

俺は日々、死を想うたびに、信と不信の間を揺れる。

俺達は、死という門をくぐって、いったいどこに行くというのだろう。
残念ながら、それは俺達生者には、確かめる術も無いことなんだ。

読者諸君、失礼する。人生しょせん五十年、夢幻の如くなりさ。 

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