2014/07/30

Post #1211

Zagreb,Croatia
フィルムは、俺のような前世紀のスタイルを頑なに守り継いでいる写真戦士にとっては、弾丸ともいうべき存在だ。
今や、その存在は大いに脅かされてはいるが。
俺は、暗いところでもお構いなしに撮りたい派なので、ISO400は欠かせない。
そのため、ずっと長い間、KodakのTX-400を愛用してきた。
もうこれしかないぜ、って感じだった。

しかし、昨今TX-400は供給が不安定になり、価格も乱高下。まとめて買うことすらできなくなってしまった。お値段も消耗品とは思えない金額になってしまった。もう、50年くらい前、フィルムが貴重品だった頃のようになってしまったのだ。

フジに目を転じてみると、ISO400のプレストはこの6月に廃盤になり、ISO100のアクロスしか残っていない。増感して使えってことなんだろうが、こちとらプリントする暇だってなかなか取れない写真道楽者なんだから、ラボ出しに決まってるじゃないか。増感なんかしたら、フィルムの現像だけで、身上がつぶれてしまうってこんだ。

ウクライナで活躍中の親ロシア派の皆さんや、イスラム武装勢力の皆さんの元には、弾丸がじゃぶじゃぶ供給されているというのに、写真原理主義者たる我々写真戦士の元には、その弾丸たるフィルムの供給は滞りがちだ。補給がなってないのに勝った事例はほとんどない。このままじゃ写真原理主義者勢力親フィルム派は壊滅間近だ。
きっとフィルムを作るより、マシンガンの弾丸を作れるほうが、儲かるビジネスなんだろう。人々の姿をととどめる事よりも、人々をこの世から消し去るほうが、人間どもは好きなんだろう。

そこで、致し方なく、最近使い始めたのが、ロモグラフィーのモノクロフィルムだ。

ISO100の3本パック Lomography Earl Grey BW100 ¥1,419-と、

ISO400の3本パック Lomography Lady Grey BW400 ¥1,831‐とがある。

俺は迷わず、BW400を使い始めた。そして、先日初めてラボから帰ってきたのを見てみたわけだ。
KodakのTX‐400に比べると、ずいぶんフィルム基材の色が薄い。透明度が高いというのか。
まだプリントしていないので、何とも評価しようがないが、楽しみだ。

しかし、ついにロモのお世話になる日が来るとは・・・。

俺は長らく、ロモなんてトイカメラで、はたから見れば違いなんて判らないだろうけど、おもちゃみたいなカメラに、道楽写真家としての命運を託すのは、いかがなものかって思ってきたんだ。

俺には、こう見えてもこだわりがある。
俺はソリッドなカール・ツァイス信者なんだ。
戦前の蛇腹カメラの名機イコンタ。
戦後のレンジファインダーカメラ、コンタックスⅢa。
当時としては先進的なシステムを搭載した梨地メッキも眩しい重厚長大ボディと描写最高の銘レンズ群を備えた一眼レフカメラ・コンタレックス。
そして、20世紀末、京セラコンタックスが世に送り出した、レンジファインダー式コンタックスの正式な後継者G2。
そして何より、高級コンパクトカメラを極限まで追求した現在の俺の愛機、コンタックスT3。

それら綺羅星のようなカメラを愛用してきた俺にとっては、コシナのコンパクトカメラのコピー機として始まったロモの安っぽいボディとレンズは、全く信用できなかった。
しょせんトイカメラと侮り、収差の補正もイマイチで周辺光量落ちの激しい写真を、なんかカメラに作風を定められているようで好きになれなかった。
また、絞りや露出なんかの写真の基礎的なメカニズムも理解せず、ただ写ルンですのようにお気軽に楽しんでいる姿を見ると、俺は一線を画していくぞと、心中密かに奮い立たせていたのだった。

もちろんそれは、俺の不明なんだけど、そうはいっても、俺には俺の矜持があるのだ。
なんといっても、可処分所得の半ば以上を、写真に関することにぶち込んでいるおれなんだぜ。
そういうこだわりを捨てたら、俺は俺でなくなってしまうじゃないか!

しかし、この21世紀、フィルムだけとはいえ、ついにロモのお世話になることになった。

ロモグラフィーのことを調べてみると、ロモグラフィーには『10の黄金律』なるものがあることを知った。これは俺のような写真道楽者には、十二分に納得できることなので、下に引用しておく。


ロモグラフィー10の黄金律

ロモグラフィーとはスナップ写真である。
「真面目なロモグラファーは、次の10の戒律を心に刻むべし」としている。
以下はロモグラフィーが考えるロモLC-Aの極意である。 

1、どこに行くにもカメラを持って行け。
2、夜でも昼でもいつでもカメラを使え。
3、ロモグラフィは生活の邪魔にはならない、生活の一部である。
4、状況をすばやく判断して撮ることを試してみよう。
5、ロモグラフィ的欲望の対象にできるだけ接近しよう。
6、考えるな。
7、すばやく。
8、フィルムに収めるものがなんなのかをあらかじめ知る必要はない。
9、どちらかはその後で。
10、どんなルールにも煩わされるな。


こいつを読んでみると、それはどれも、ロモに限らず、俺がずっと長い間、カメラとともにやってきたことだとわかったよ。ロモグラファーの奴らも、俺も何の変りもない。
トイカメラだって侮ってた俺が悪かったよ。
OK、ロモのフィルムを積極的に使ってみる気になったよ。

読者諸君、失礼する。今日は夕方から明日の夕方まで仕事なんだ。これはこれで、結構忙しい俺なのさ。

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