2014/11/30

Post #1334

Helsinki,Finland
今日は疲れ果てているんだ。この写真の男みたいに、その辺でひっくり返って眠ってしまいたいくらいだ。何しろ俺は、おとといの夜明け方まで仕事し、昨日は昨日で朝イチから夜中の4時まで働き、今日も今日とて朝の8時から、夕方5時まで働きづめだった。過労死しちまうぜ。しかも家までの高速道路は、激混みで、いつもなら20分で抜けられる距離が、渋滞18キロ、通り抜けに50分とかいう、ほとんどマンガみたいなことになっていやがったからな。命の危機を感じていたぜ。
幸い俺は、なんとか車を転がして家に帰ってきた。そして今は布団にくるまっている。快適だ。しかし、眠ってしまうのは時間の問題だ。
この男は、スゲーんだ。
俺がヘルシンキの裏通りをカメラ片手にぶらついていた時に見かけた奴なんだが、突然、建物の入り口から転がり落ちてきやがったんだ。
それも荷物が転がるみたいに、ドサって感じでだ!大丈夫かって感じだ。

何故だ?いったい全体、何があったんだっていうんだ

そしてよく見ると、ズボンは膝まで下がっていて、ボクサーショーツが丸出しだ。
チン丸出しじゃなかったのは、ありがたかったよ。とはいえ、野郎のパンツなんか見ても、なんにも面白くないんだがね。
したたか酒に酔っているようだったが、昼間っから意識が飛ぶほど酒を飲んで、往来の真ん中で、パンツ丸出しで寝てるなんて、ありえないだろう?

しかし、俺は以前、TVでみたか、何かで読んだ話を思い出した。一昔前まで、フィンランドの成人男性の趣味は、酒と喧嘩だったそうだ・・・。

酒と喧嘩が趣味だと・・・?
趣味って、プラモデル作ったり、サボテン育てたりするのが趣味だろう?
酒はともかく喧嘩が趣味ってどういう意味だよ?
豪快すぎるだろう?
原哲夫の漫画に出てきそうだ。

理解不能だ。しかし、目の前の現実を直視すると、それがあながちウソではないのでないかと思える。

眠くて限界を突破しており、この男のように惨めな醜態をさらすのは時間の問題の俺だが、フィンランド男性の趣味について、うだうだと書き散らしてしまった。

もう限界だ。風呂入って寝るよ。

読者諸君、失礼する。因みに現在のフィンランド人男性の趣味ベスト1は、ヘビメタだそうだ。
これはこれで、かなりおもしろいな。

2014/11/29

Post #1333

Praha,Czech
今日は、11月29日。イイニク、つまりいい肉の日か。
滋賀に出張に来ているので、近江牛なんかにありつきたいと思ってるんだが、気が付けばコンビニ弁当か中華料理屋の定食だ。
寂しいものだ。
とはいえ、それで不便なことは何もない。
俺は最近、無欲なんだ。食うことにあまり金をかけない。世の中ではグルメ番組が大流行だってのにな。身体が動く分だけ、腹が膨れればそれでいいって感じだ。
着るモノだって、滅多に買わない。こいつに関しては、俺もそこそこ長生きしてるんで、不便を感じることもない。ストックがたくさんあるんだ。物持ちがイイのさ。今日着ているカットソーなんて、20年近くご愛用だ。
そもそも俺は、流行なんて気にしたことがないからな。踊らされてクジャクみたいに着飾る必要なんてないのさ。
服装ってのは、一種の自己表現なんだけど、俺はもうどうでもよくなってる。とはいえ、すっかり出来上がっちゃってるからどうでもイイのかもしれないな。いわゆる俺流って奴だ。
俺には俺のスタイルがあるんだ。どっかの誰かの言うことに踊らされてたまるか。
それどころか最近じゃ、仕事で着ている作業服でもイイんじゃないのってくらいだ。

そういえば、俺の大好きなイギリスのスーパー大御所ロックバンド、THE WHOのギタリスト、ピート・タウンゼントは、毎週ステージ衣装を買いに行くのが面倒だっていって、全盛期の70年ごろには、白の作業用のツナギを着て、作業用のブーツを履いていた。
その野暮ったいファッションで狂ったようにジャンプし、腕を風車のように振り回してギネスブック級の爆音でギターをかき鳴らし、ライブの最後には、ギターを叩きつけてぶち壊していた。
サイコーだ。男はこうでなくっちゃな!
因みにそのブーツがドクターマーチンだ。後にこれをパンクの連中が拝借し、今では普通のファッションになっているのさ。つまり、そのそもそもの始まりは、ピート・タウンゼントだったわけだ。

話がそれたなぁ。

正直言って、ここんところは自己表現なんてどうでもイイ。

そもそも俺には表現するほどの中身がないんだと思うぜ。

自分が見てきたものを、そのまま一枚の写真に封じ込めることができたら、それで十分だ。
それ以上のことはない。

読者諸君、失礼する。今頃俺は、深夜のショッピングセンターで仕事に忙殺されているはずさ。出来る事なら、素敵な女性に悩殺されてみたいものさ。けど、作業服じゃ難しいなぁ・・。

2014/11/28

Post #1332

Istanbul,Turk
今日は写真のみで勘弁させてもらおうかな。
俺には睡眠が必要だ。
今夜も含めてあと3日ほど持ちこたえれば、家に帰ってプリントできるさ。
古い写真を見ていると、今の自分の満足するレベルに達していないものがいっぱいあるんだ。とても君たちにお見せできないんだ。
だから早く仕事をやっつけて、家に帰って何日か引きこもってプリントしたいのさ。
そのためには、まずは今から眠って、今夜の仕事に備えるんだ。

読者諸君、失礼する。しっかり仕事を片付けてこそ、心置きなく道楽に没頭没入できるってものさ。

2014/11/27

Post #1331

安平老街、台南、台湾
自分にとって写真を、単なる消費活動にしないこと。
もとより写真というのは、カメラや、フィルムや印画紙や薬品を買うことで社会の消費活動の一部に取り込まれてはいるのだが、それによって再生産された自分の作品を、商品としないこと。
商品として、流通させてしまった途端に、意味も思いも、すべて換金可能なモノと成り下がり、消費されてしまうのは、現代社会では逃れえないことだ。

かつて、自分の写真を写真雑誌に発表することによって、商品としての写真と同列に受け取られてしまうことを嫌い、自費出版にこだわり続けた写真家がいた。
若くしてこの世を去って行ったその写真家の思いが、何となく解かる気がする。

もっとも、子供の落書きみたいな俺の拙い写真に、商品価値が生じるとも思えないがね。何しろこんなメーターだ。壁に貼るにしても気が利いていなさすぎる。
けど、俺は何かを感じてこのメーターにレンズを向け、何かを感じて、このネガを選び、プリントしたんだ。その何かが君に伝わってくれるとイイんだけれど。

俺は、自分の生の歩みとして、写真を撮りたいし、そこに写っているものには、確かな手触りが備わっていてほしい。上手い下手など関係ないさ。

写真を通して、つぶさに世界を見ること。
暗室の中での作業を通じて、世界に思いを馳せること。
照りつける日差しにさらされ、吹き付ける風に震え上がり、叩きつける雨をものともせずに、あちこち懲りずに歩き回って、自分がこの眼で見たこと、この耳で聞いたこと、肌で感じ、味わい、嗅ぎ取ったもの。それを自分の写真のなかに封じ込めることができたらいいんだが・・・。

読者諸君、失礼する。御機嫌よう。俺が死んだあと、俺の分身ともいうべき写真はどうなるんだろうな?

2014/11/26

Post #1330

士林夜市、台北、台湾
さまざまな言説が世に満ち満ちている。
差別や暴力など、人間性の蹂躙を煽るようね思慮分別の足りない言説も、それに対して眉を顰めて嘆息するようなものも多い。
ひどい世の中になったものだと嘆くのは容易い。
けれど、歴史を振り返れば、人類の社会はいつだってそりゃひでぇもんだった。
これでも今は、表面的にはずいぶんとマシになったのかもしれない。
けれど、その分深く根ぐされているのさ。
何しろ、虚々実々の情報が溢れかえっている。
そして、惑わされた奴も、新たな言説をお手軽に垂れ流す。
どんな嘘だって、世の中の八割がたの連中が本当だと信じ込まされたら、真実になっちまうんだろう。
情報化社会万歳だ!

そうさ、自分という物差しがしっかりしていないと、飛び交う言説に惑わされるばかりだ。

邪悪な言説にくみする気持ちは毛頭ない。
けれど、諸手を挙げてそれを非難するような言説にいいね!とか押す気にもなれない。
どちらも浅薄な気がするからだ。
それに何よりも、自分に他者を断罪する資格があるのかわからない。
人間の価値観は相対的なものだから、ある人々からしたら、俺は極悪無惨な人間なのかもしれないしな。
出来る事なら、自分が嫌だと思えることは、他人に対してやらかしたくはない。
どうしても承服できかねるときは、自分の識見、経験、言説、そして腕力の全てを総動員して、あくまで個として対峙しよう。
正義のお題目を唱えて、群れるのは趣味じゃないからだ。
今までも、そうしてきた。昔から付き合ってくれている読者諸君は、俺が時折みせるそんな姿を知っているだろう。

どんな情報も、いったん心の中の暗室に運び込み、闇の中で独りで向かい合わなければ、踊らされるばかりだと思えるのさ。

読者諸君、失礼いたす。出来る事なら俺は、誰かの価値観ではなく、自分自身の生活に基づいた、地に足の着いた価値観を持ちたいと思ってるんだ。

2014/11/25

Post #1329

永康街、台北、台湾
現場近くの駅前の広場で、独りの男がアンプにギターを繋ぎ、自作の歌だろうか、やたらと感傷的な調子っぱずれの歌を歌っていた。どうにも我流の節回しが、耳障りにも聴こえる。
もとよりまばらな道行く人々は、日が暮れたこともあって、数えるまでもないほどだ。
当然ながら、誰一人として、彼の歌に耳を傾けてはいない。
さほど若くもない小太りの男の歌う、どこか諦めにも似た自己憐憫でいっぱいの下手な歌など、誰が聞きたがるものか、唄を歌うのは自由だけれど、独りよがりもいい加減にしろと内心舌打し、ふと気が付いた。

俺の写真とて、同じようなものじゃないのかね?
俺とあの男を隔てているものなんぞ、実はどこにもありはしないのではないか?

自分が厭きなけりゃイイとばかりに、はや四年も続けてしまったが、人のことを言えた義理でもあるまいし。
ごく少数の固定客の読者諸兄に支えられて歩んできたが、ごく少数の聴衆なら、駅前の音痴にも付いているんじゃないのかい?

そう思いいたると、内心どうにも嫌な気分になって、足早にその場を立ち去ったのさ。

読者諸君、失礼する。自分を客観的に見てみると、不愉快になることの方が多いものさ。

2014/11/24

Post #1328

台北、台湾
いかんいかん、出張先のホテルで四方田犬彦の労作『白戸三平論』を読みふけっているうちに、今日という日も終わろうとしているではないか?
仕方ない、面白いんだからな。
君は白戸三平を知っているか?『カムイ伝』『サスケ』『忍者武芸帖』など、さまざまな忍者漫画を生み出してきた日本漫画界の至宝だ。ライフワークのカムイ伝は、連載開始から50年を経た今も、長らく中断されたまま、完結していない。もう白戸先生80過ぎだから、完結は無理だろうなぁ・・・。

俺は正直、こんな不毛な商売なんて、とっとと見切りをつけて忍者にでもなりたいと思ってるんだ。
なんて言ったって、俺の本名は服部だ。先祖は忍者の里で名高い伊賀者なんだ。近代まで伊賀の欄間師として暮らしながら、各地に赴き、大名たちの秘密を探ってきたんだ。血統的には申し分ないだろう。
俺は海外旅行に行った先で、自己紹介するときは必ずこういうことにしてるんだ。
『俺は日本でも有名なニンジャ氏族の末裔で、俺のアンセスターは服部半蔵、つまりモスト・フェイマス・ニンジャマスターだ』って。
そうすると、誰もが驚いて、一言So COOL!って言ってくれるぜ。ざまぁ見ろ!
なにしろ、忍者は世界中で人気なんだ。海外に行って、忍術を披露して日銭を稼ぐ方が、ちんけな現場監督なんかやってるよりも、よっぽど面白おかしく生きることができるってもんだろ?

さまざまな仕事をしてきたおかげで、天井裏に潜むのなんか大得意だ。君が部屋の中で視線を感じたら、俺が君の部屋の天井裏に潜んでいるかもしれないぜ。気を付けろよ。
観光地なんかでよく見かける手裏剣でも買い集めてみようかな。
仕事のないときに、サンダーで研磨して、十分に鋭利に仕上げて、気に入らない奴にお見舞いしてやるんだ。君たち、俺に気に入られるようにしておかないと、手裏剣が飛んでくることになるぜ。せいぜい気を付けるんだな。
ナルト走りなら、ばっちりマスターしていて、点滅し始めた横断歩道を走って横断するときには、つい両手が斜め後ろにのび、背中を屈めるようにして走ってしまう癖がついてるぜ。もちろん誰もついてくることなんか出来やしないさ。
写輪眼ならぬ老眼なら、とっくにマスターしてるしな。それだけじゃない、近眼も乱視も揃ってる。
最近じゃ、向こうから歩いてくる女の子が美人かどうか、さっぱりわからないぜ。よく見ようと思って目を凝らすと、人相が悪くなって、ほら、女の子が避けていくぜ。仕方ない、何のことはない、そんなイイ女がそうそう歩いてるわけもないから、気にもしないさ。それが嫌なら、心の目で見るしかないってこった。何しろ俺は暗室のなかで、闇の視力を養ってるからな。視力検査じゃ俺の視力は計測できないぜ。

これはもう、忍者になるしかないかのぉ・・・。

しかし、忍びの道は険しいんだ。忍びの道は人の通わぬ獣道だ。
世界で大人気のナルトみたいに友情とか言ってるような甘っちょろい忍者じゃだめなんだぜ。
白戸三平先生の描く、カムイや赤目、影丸みたいに孤独でストイックなニンジャじゃないとダメなんだ。他人を信じることもできないんだ。なんせ、追い忍が紛れ込んでるかもしれないからな。うっかり他人を信用しようもんなら、次の瞬間には、みじめな骸を晒すことになるんだ。

けれど、俺はこう見えて、結構寂しがりだからな・・・。
そうだ!何なら君も一緒にどうだい?君が女性ならくの一ってのもいけてるんじゃないか?おっと、そっちを探求すると、今度は山田風太郎先生になっちまうなぁ。ストイック、ストイック。

読者諸君、失礼する。いい年こいて、そんな子供じみたことを考えているときが、一番愉しいってものさ。

2014/11/23

Post #1327

台北、台湾
本日、写真のみお届けしよう。
読者諸兄諸姉、休日を楽しんでくれたまえ。俺は当然仕事だけどね。そんなもんさ。
読者諸君、失礼する。

2014/11/22

Post #1326

士林夜市、台北、台湾
知り合いのおじさんが亡くなったという知らせを受けた。
既に葬式は終わっていた。亡くなったおじさんの奥さんは、気が動転していたので、俺のところまで連絡したかどうかなんて、気にする暇もなかったんだという。
ここ10年ほど、身体が不自由そうだったが、ユーモアのある、気さくな小市民だった。

高倉健のように有名な人にも、無名な小市民にも、死は等しく訪れるのだ。

読者諸君、失礼する。暑さ寒さが厳しさを増すころに、人はよく亡くなるんだそうだ。

2014/11/21

Post #1325

西門、台北、台湾
頭が痛い問題が、俺に追いついてきやがった。
今まではっきりさせずに、有耶無耶にして引き伸ばしてきた問題が、じわりと再浮上してきているんだ。
俺の些細な問題だけれど、俺としては重大な問題だ。
俺はいつだって安請け合いしちまうんで、自分でも困っちまうことがたびたびなんだ。
要はお人よしなのさ。きっぱり断ったり、損得だけで割り切って考えることができないんだ。
結果として、自分が中途半端にお人好しなおかげで、かえって最終的には多くの人たちに迷惑をかけることになっちまうわけだ。

あぁ、こんな鬱陶しい思いをするくらいなら、仕事なんて放り出して、インドだかアマゾンだかにとんずらしたいぜ。

読者諸君、失礼する。まぁ、どう転んでも命までは取られやしないがね。

2014/11/20

Post #1324

西門、台北、台湾
本日、写真のみお送りしよう。
読者諸君、失礼する。俺は今から眠るのさ。

2014/11/19

Post #1323

Night Market,Fes,Morocco
今日は、日中出張先の古い街並みを見て回った。
朝の5時まで働いていたというのに、我ながら元気なこった。

日本の町には、二つの大きな特徴がある。
一つはやたらと電線があること。
これはイイ。俺は好きだ。
空にかかった五線譜みたいだ。
風景にリズムを与えているんだ。

もう一つは、人間がほとんど歩いていないことだ。
見かけるのは、人生の搾りかすみたいになった老人ばかりだ。
みんな引きこもりにでもなっちまってるのか?
これはいただけない。
いったい日本人はどこにいるんだ?
1億3千万人もいるってのに、どうなってるんだ?
東京や大阪にしか日本人は生息してないのか?
絶滅危惧種に指定される日も遠くないって思えるぜ。
どこに行ってもさほど変わり映えのしない風景、しかも人影もまばら。
写真を撮っていても、なかなかにノッテこないんだよ。


だからせめて、俺はいつだって、日本の町をカメラを持って歩くとき、飛行機に乗って、地球をくるりと一周して、やっとこさたどり着いた世界の涯の見知らぬ街だと思い込むようにしているんだ。
何故かって?
その方が新鮮な視点で町並みを見ることができるだろう。
で、わざとらしく、Wao!って驚いたみたり、Very Fantastic!と感嘆してみたりするのさ。
HAHAHA!おかしいだろう?

そうして今日も400年前から続く町並みを歩いていたら、学校帰りの小学生に、あいさつされてしまったよ。
HELLO!ってね。

読者諸君、失礼する。こう見えても、俺も日本人の端くれのつもりなんだけどなぁ。

2014/11/18

Post #1322

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
深夜の百貨店やショッピングセンターで仕事をしているというと、なかには気味が悪いでしょうという人もいる。別に何か出る訳じゃないんだし、気にしちゃいないよっていつも思っていた。
しかし、昨晩、真夜中のショッピングセンターで出くわしたあの野郎には、驚いたぜ。

草木も眠る丑三つ時の深夜二時、職人のお兄ちゃん二人と俺は、休憩に行こうとバックヤードの階段を下りて行こうとした。
すると、職人のお兄ちゃんが、猛然とダッシュし始めた。何事かと思うと、何かいる!というのだ。
その何かは、一つ下の階の階段のすぐ脇の扉が開いていた小さな部屋に逃げ込んだ。とっさにお兄ちゃん、扉を閉めてそいつをその部屋に閉じ込めた。
小動物だ。
ペット売り場があるのかどうか知らないが、逃げ出したんなら捕まえてやらなけりゃなるまい。
俺たちはそっと扉を開け、灯りをつけて会議机の下をのぞき込んでみた。
そこにはモルモットくらいの大きさの尻尾の長い小さな獣がいるという。

イタチだ。

ペットショップに売ってるフェレットよりも、ひとまわり小さな茶色いイタチが、こっちを警戒して覗き込んでいる。尻尾は逆立って、もこもこに太くなっている。
俺たちは、確信したぜ。こいつは田舎に生息する野生の獣だって。
一見するとかわいい奴だ。しかし、野生の獣を見くびってはいけない。奴らは愛玩用の生き物じゃないんだからな。こんな奴が昼間に店の中を走り回っていたら、大騒ぎだ。

なんとかして、こいつを捕まえて、外に放り出さないといけないな。
守衛さんに連絡しても、自分はイタチを見かけたことはあるが、捕まえたことはないし、独りなのでここを離れるわけにいかないので何とかしてくれと言いやがる。
俺たちだって、イタチを捕まえた経験なんてありゃしないよ。初体験だ。
もっとも、人生には要所要所で、いろいろと初体験ってことがあるがな。今夜それが来るとは思ってもみなかったぜ。

俺たちは、そこらへんの掃除道具入れから箒や塵取りを持ってきて、深夜のイタチ捕獲大作戦を開始したんだ。
しかし、奴は素早い。小さな部屋の中を縦横無尽に駆け巡り、家具の上に飛び上り、俺たちの足の間をすり抜け、クロスの凹凸に爪をかけ垂直の壁によじ登る。忍者と戦っているみたいだ。
俺にはイタチごっこって言葉の意味が、初めて身に染みて分かったぜ。こいつはキリがないな。

しかもそのうち、何とも言えない獣臭い異臭が部屋いっぱいに立ち込めてきやがった。腋臭の軍団とエレベーターに乗り合わせたような気分だ。
イタチは危険を感じて、ケツの穴の周りにある臭腺から臭い液を吹きやがったんだ。スカンクと同じだぜ!職人のあんちゃんは、その臭いが手にしみついて困り切っていた。
限界だ。頭がくらくらする。吐きそうだぜ。こいつが噂に聞く、イタチの最後っ屁という奴だ。予想以上に強力だ。勉強になったぜ…。

俺は、仕方なく二階にあるその部屋の窓を開け、イタチをそこから外に追い出すことにした。イタチには悪いがな。出ていってくれとたのんだところで、自分から通用口におとなしく行ってくれるような、聞き分けのイイ奴じゃないってことは、よくわかったよ。
一瞬の間に、イタチ野郎は夜の闇のなかに消えていったぜ。何とも言えない臭いだけを部屋いっぱいに残したままでな。
その窓の下には、俺たちの車があったんだが、イタチは無事に逃げてくれただろうか?
むかし、まんがでイタチの仲間のオコジョが出てくるマンガがあったが、実際にはあれは飼えねぇな。臭くてたまらないし、あんな奴が部屋にいたら、落ち着いて眠ることも出来やしないぜ。

読者諸君、失礼する。君もイタチ野郎には気を付けた方がイイ。そういえば、フランク・ザッパのアルバムにも邦題『イタチ野郎』ってのがあったなぁ。今度買ってみるとするかな。このイタチなら飼えそうだからな。

2014/11/17

Post #1321

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
本日、写真のみお送りしよう。
ちょっと疲れたよ。
ネパールの写真のストックがなくなってきたんだ。もちろんプリントしたもののことだ。41本のフィルムのうち、まだ1本しかプリントしてないからな。君たちに今までお送りしてきたのは、ほんの20分くらい、通りをぶらりと歩いた間の写真ばかりだ。これがすべてだと思っちゃいけない。
くそ、俺はものすごくプリントしたいんだが、出張してちゃどうにもならないな。
楽しみにして待ってろよ。

読者諸君、失礼する。御機嫌よう。

2014/11/16

Post #1320

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
飯も食わずに午後から朝まで働いて、高速道路を眠たくってふらふらしながら運転し、家に帰ってきた。ホテルが取れなかったのだ。しかし、今日からはホテル暮らしだ。
2週間の海外旅行と、2週間の出張と家にいないのは同じだが、愉しさは全然違うもんだなぁと、実感する晩秋の一日である。

読者諸君、失礼する。今から少し昼寝して、荷物をまとめて、夕方には家を出なけりゃならないんだ。やれやれだぜ。

2014/11/15

Post #1319

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
読者諸君、おはよう。
今日から俺は新しい現場に乗り込むんだ。車を転がして田舎のイオンに小さな店を作りに行くのさ。たまらないぜ。今月末までそこにどっぷりなんだ。
働くってのは、どうにも面倒くさいものだなぁ・・。
職業=旅人とかってないものかねぇ。

読者諸君、失礼する。また会おう。

2014/11/14

Post #1318

Lagankhel.Patan,Kathmandu,Nepal
これは俺の勝ちなのか?
それにしては、どうにも虚しい。
例の公正取引委員会の話だ。
俺が以前契約していたある会社が、消費税の引き上げにも関わらず、消費税増税分を割り増しすることなく契約を更新してくれたので、俺はすこぶるご不満だったわけだ。それで、3カ月だけ我慢して仕事をしたんだ。
ちょうどタイミングよく、公正取引委員会から全国の中小零細企業に対して、消費税増税に伴う買いたたきに関する調査票が届いたので、憤懣やるかたない俺は、さっそく事の経緯を細かに記して、公正取引委員会にお送りしたわけだ。
そんなこともすっかり忘れていた先日、公正取引委員会の担当者から連絡があったんで、資料をそろえてお送りしたっていう話を先日このブログにも書いたっけな。
さてその後、例の取引先から連絡があって、早急に会いたいとのことだった。俺は素知らぬふりをして、いったい何事ですかと聞くと、やはり案の定、『当社の契約が、法令違反であるということが明らかになりましたので、差額をお支払いしたい』という話だ。
で、くそ忙しいなか時間をやりくりして、取引先に出向くと、どうにもこうにも、来週にも公正取引委員会からの査察が入ることになったんだそうな。それで慌てて、査察が入る前に清算しておこうという考えのようだ。
ざまぁ見ろ。
サラリーマンという人々は、総じて自分より下の立場の人間にはめっぽう強気に出て、意見具申などしても一蹴するものだが、自分より上の立場の人間のおっしゃることには、手のひらを返したように、はいごもっともという節操のない人種だ。ましてや役人に突っ込まれそうになった途端に、自分たちの過ちを無かったことにしようとして、最大限の努力をする奴等だ。うんざりするぜ。

俺は、内心でしてやったりと思う一方で、役人に目をつけられた途端に、あたふた狼狽しては、自分たちの過ちを糊塗しようとする卑小さに、うんざりしたわけだ。
それにしても、人件費扱いだからとか、俺が売り上げが一千万円に満たない免税事業者だからとか、いろいろと並べ立てていた理屈は一体なんだったんだ?同じことを役人に向かって言ってみればいいじゃないか?
そう思わないかい?
自分たちの信念みたいなものはないのかね?
正しいと思ってやったんだったら、正々堂々と役人にも主張すればいいんじゃないのか?
それなのに、査察があると聞いただけで、手のひらをかえすように、あっさりと自分たちの主張を翻すなんて、大人としてどうなのよ?
さすがにそこまでは言わなかったんだが、かつて契約書を渡されたときに、こいつは単なる買い叩きだ、法令違反だ、こんな契約書にサインできるわけないだろうと抗議していた俺は、今思えば間違っちゃいなかったでしょうとは言ってやったさ。
で、困り切った表情のお偉いさんに頭を下げられて、清算覚書なるものに署名捺印し、消費税の増税分を受け取ることになったわけだ。

その額35715円。

しかも、今日その書類に本社の総務部長の印鑑をついた物を受け取ったんだ。帳尻を合わせるように、来週の月曜日にさっそく振り込んでくれるそうだ。おまけにクッキーなんかもらってしまった。こいつはさしずめ、戦利品ってとこか・・・。

読者諸君、失礼する。しかし、なんか虚しい。今更、そんな金もらってもねぇ・・・。まぁ、貰えるもんは貰っとくとするか。それにしても、なんか虚しいなぁ・・・。

2014/11/13

Post #1317

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
結局、今日はプリントできなかった。
写真のみお送りしよう。

読者諸君、失礼する。

2014/11/12

Post #1316

こんなガキの頃から家族でバイクに乗ってりゃ、3人乗りなんて屁でもないさ。
Lagamkhel,Patan,Kathmandu,Nepal
またやっと、一つの現場が終わった。
明日は、プリントしよう。
とはいえ、午前中にいくつか仕事を片付けないといけないんだがな。
とはいえ、15日から11月いっぱい出張なんで、貴重な時間なんだ。
明日は何が何でも、プリントしなけりゃな。

読者諸君、失礼する。誰も知らない傑作が生みだされるに違いないぜ。

2014/11/11

Post #1315

母と娘。Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
TVのニュースで、中国人の女性二人組が、酔っ払ってATMで金をおろしているおっさんに、いきなりキスして、そのどさくさに紛れて金を奪うという面白い事件が報じられていた。女性は30歳と27歳。充分に女盛りだが、45歳の中年真っ盛りの俺には、十分に若いと言えるだろう。被害者のおっさんは49歳だ。なおさらだな。
こんな珍妙な事件、やる方もやる方だが、やられる方もやられる方だな。

一言で切って捨てれば、不覚だ。

だいたい、女性が自分に近寄ってきたら、自分自身に男性的な魅力があって、それに惹かれて近寄ってきたんだと、心の片隅にでも思い、脇が甘くなるようでは、自分のことを買い被りすぎだというものだ。
俺なら、若い女性が意味もなく近寄ってきたら、俺を誑かそうとしてるとしか考えないだろう。
何故って、45歳の俺自身には、自分よりずいぶん若い女性にアピールするような魅力は、1ミクロンもないとわかっているんだ。
だいたい俺に声をかけてくる女性なんてのは、いつだって、行きつけのスーパーだのコンビニだのホームセンターなんかのレジを打ってるようなおばさんで、生理なんてとっくに卒業しちまったであろう熟女も熟女超熟女ばかりだからだ。
何故だか俺は、人生経験豊富なおばちゃんにはウケがイイようだ。彼女たちはそれぞれの人生経験を通じて、俺の得体のしれない良さが、それは俺自身にもよくわからないものではあるが、解かるんだろう。
いや、そういうことにしておこう。その方が、話としては面白い。

しかし、その一方で若い女性に対してアピールするようなものは、何一つ持ち合わせてはいない。
若い女性が、俺の防空識別圏に入ったら、速攻で撃墜か、もしくは回避行動をとるだろう。
何故って、若くて魅力的な女性が興味を示すようなもの、たとえば見栄えのいいルックスとか、気遣いだのやさしさだのや、彼女たちが興味を持っていそうな話題や、財布の中で唸りをあげてる札束とかを、見事なまでに持ち合わせていない俺に、そんなのが近づいてきたら、それは絶対に俺を陥れて、俺のなけなしの金を搾り取ろうとする奴等だって確信できるからだ。
なにしろ風俗の呼び込みだって、俺には声をかけないんだぜ。

だから、酔っ払って若い女に言い寄られてデレデレするような真似は、自殺行為だ。
俺はそこまで己惚れちゃいないぜ。

仕事でも、俺はやたら褒められると、こいつらは俺をおだてて上手いこと利用しようとしてるんじゃないのかって、まずは疑ってみることにしてるのさ。自分自身が、自分の仕事に対して、まだまだ不満があるからな。自分のレベルは自分が一番よく知っているのさ。

読者諸君、失礼させてもらうぜ。いい年こいて魅力のない男というのも、なかなかに寂しいものだなぁ。

2014/11/10

Post #1314

Lagankhel,Patan,Kathmandu,Nepal
そこは、はっきり言ってゴミの山だった。
パタンのバスターミナル、ラガンケルでは、悪臭立ち込めるゴミがうずたかく積まれている。
その山の向こうには、日本で言うところのぼろぼろのマイクロバスがひっきりなしにクラクションを鳴らしながら、押し合い圧し合いしている。
どのバスが、どの町に行くものなのか、さっぱりわからない。
行先ごとのバスのレーンもない。
適当なところで停まり、極限まで詰め込まれた乗客は吐き出される。
そして、そのバスの後ろに着いたバスは、進路を阻まれ、クラクションを鳴らし続ける。
砂埃が舞い、思わず目をつぶる。
風が吹けば、何とも形容しがたいゴミの臭いが鼻をつく。
道行く人々は、思わず鼻をつまむ。
しかし、この膨大なゴミを生み出したのは、他ならぬ当の本人たちなんだから困ったものだ。
そして、そのすぐ横で、人々は果物や野菜やナマズのような魚を、日用品を、声をからして売り、また、買い求める。
ひとことでこの場所を表現すれば、混沌そのものだ。

日本には、こんな場所は絶対にないだろう。

けれど、これほどまでに人間の生きる業がむき出しになっている場所も、単純な欲望のエネルギーが迸っている場所も、日本には無いように思える。
俺は世界中で、日本ほどきれいな場所を見たことがない。
町並みまで抗菌処理されているんじゃないかって思えてくるほどさ。
けれど、それが面白いと思えたことは、実は俺、いままで一度もないんだ。

人間の口臭や体臭が、ゴミと排ガスの臭いと交じり風に乗って漂うところ。
怒号や嬌声が、クラクションの騒音と響きあうところ。

今日も俺は、そんな場所を夢見るように、懐かしく思い返す。

読者諸君、失礼する。君にももっと見せてあげたいよ、俺の見てきた風景を。

2014/11/09

Post #1313

Patan,Kathmandu,Nepal
今から25年前、ベルリンの壁が崩壊した。
覚えているかい?知っているかい?
まさに歴史が動いた日だ。名もない多くの人々の力で歴史が大きく動いた瞬間だったんだ。
共産主義と資本主義というイデオロギーによって分断されていた世界が、一つになると思えた最初の瞬間だった。
以来、25年。共産主義国家と資本主義国家の間の冷戦構造と、俺たちが子供のころ世界をくまなく覆っていた核戦争の恐怖は、多くの社会主義国家の消滅によって、地球上から払しょくされた。
けれど、それはまるでパンドラの箱を開けたかのように、単に新たな分断と問題を世に解き放っただけだったのかもしれない。どうやら俺たちは楽天的過ぎたのさ。
イデオロギーという枷を失った俺たち人類は、民族や宗教によって、あるいはまたインターネットの普及と歩調を合わせて拡大し、世界中を席巻蹂躙するグローバル経済とやらによって、またそれによって生じた新たな貧富の差によって、細かく分断されている。
世界中で、右傾化が進んでいる。
原理主義的で排他的な宗教が人々を魅了している。
このお気楽な無責任主義国家日本でも、排外主義的な言説が人々の耳に心地よく響き始めている。
誰もが、他と違うことによってのみ、自己を確立しようとしている。

おい、どうなってるんだ?
21世紀にもなれば、平和な時代が来ると俺は思っていたんだけどな。俺はとんでも呑気な頓馬野郎だったってことさ。
どうにもこの4分の一世紀、俺たちは間違った道を歩んできてるんじゃないのか?

俺たちは、もっと自分と違う価値観を持った連中に対して、寛容になったほうがいいぜ。
どんな場合だって、喧嘩腰じゃ何もすすまないんだ。
話し合えばきっと分かり合えることも、罵り合ったとたんに、すぐに殴り合いに発展するだろうよ。
ましてや相手が自分と全く異なる存在だなんて思っているんなら、手っ取り早くぶっ殺すほうが、簡単に物事が解決できると思うことだろう。
けれど、それは何の解決にもなりはしないんだ。憎しみと殺し合いの連鎖が続いていくだけさ。
それは人類の歴史が証明していることだ。
いい加減、俺たちは長い歴史から学んで、もう少し賢くなるべきだ。

いいかい?例え言葉が通じなくても、民族や宗教や肌の色が違っても、お互いを理解しようと努めて、話し合い、互いを受け入れていかないと、人間に未来はないんだぜ。
もっと寛容になろうぜ。お互いに抱いてる先入観を捨てて、仲よくしていくことができるはずさ。25年前の東西ベルリン市民のようにね。

読者諸君、失礼する。25年前、未来に対して抱いた期待が、結局さらなる諍いの序章だったなんてことには、なってほしくはない俺なのさ。

2014/11/08

Post #1312

Patan,Kathmandu,Nepal
今日も疲れ果てたが、明日は休みだ。結構なことだ。

ネパールでは、赤ちゃんの目の周りに隅取りする。
何故だろうと考えると、きっと邪視を避ける魔除けのようなものなのだろうと思う。
物珍しさから、つい写真に撮ってしまうのさ。

読者諸君、失礼する。また会おう。

2014/11/07

Post #1311

Patan,Kathmandu,Nepal
藤原新也の本に、『市場があれば、国家は不要』というキャプションのついた写真があった。
市場と言っても、人々の生活の実態とはるかに乖離した株式市場だの先物市場ではない。
あれは、お上公認のギャンブルの一種だと俺は感じている。
日本で言えば、胴元は日本銀行だ。
ここでいう市場とは、もちろん『いちば』のことだ。

ネパールは経済はどん底で、GNPは横ばい。輸出入に関していえば、多大な貿易赤字を累積させていっている。数年前に王政から民主制に移行したものの、議会は勢力争いの場に成り下がり、電気だってしょぼしょぼだ。
どんなに日本の経済が疲弊したとしても、なかなかあそこまでは行きつけないだろう。

そんなネパールだったが、どこの青空市場も人で溢れかえっていた。市場と言っても、屋台のようなものだ。単にリヤカーに果物を満載し、日差しをよけるために大きなビーチパラソルを開いただけの店ばかりだ。

けれど、人々は国家的な貿易赤字なんてどこ吹く風で、逞しく生きていやがる。
『市場があれば、国家は不要』という、藤原新也の箴言のような一文を思い出してしまうほどにね。

読者諸君、失礼する。なんでもお上に頼っていると、そのうちに、お上のいいように洗脳されちまうぜ。

2014/11/06

Post #1310

Patan,Kathmandu,Nepal
先日、家でNHKのニュースを見ていたら、バングラデシュで大規模な停電が起こっていると報道されていた。
俺はそれを見ながら、だからどうしたんだって思う。停電くらいするわいな。10年くらい前に、アメリカでもカルフォルニアあたりで大停電が起こったこともあったしな。
電気があるのが当たり前ってのは、実は当たり前ではないのさってことだ。
そんなの大変じゃねぇか、どうやって生活すればいいんだって君たちは非難GOGO!とまではいかなくても、困惑することしきりだろう。
しかし、それはチミぃ、チミたちの常識が、日本国内専用だってことだ。
俺が旅したネパールでは、毎日まいにち計画停電が実施されていた。
一日に8時間から12時間くらい、停電してるのが普通だ。
山間地の高低差を利用した水力発電が主力なんだが、水の量とか開発の遅れとかで、送電できる発電量が絶対的に不足しているんだろう。
ホテルでは自家発電や太陽電池で照明はついているから、不便を感じることは少ないが、カメラや携帯を充電しようとコンセントにプラグをさすと、充電されない。ホテルですら、必要最小限しか電気を使えないようになっているんだ。昼間に4,5時間、夜にも4,5時間停電するんだ。
これは何も、とんでもないド田舎の話じゃない。首都のカトマンズでそうなんだ。
スマホのアプリで、位置情報からその場所の停電時間を表示してくれるものもある。俺の携帯にもそのアプリが入っているぜ。
おかげで夜は真っ暗だ。もちろん24時間営業のコンビニなどない。
日が暮れると、人々の数は目に見えて減ってくる。うろついているのは、野犬や野良ヤギばかりだ。俺はそんな闇の中、オスヤギに触ってみて、即座に強烈な頭突きをお見舞いされたくらいだ。夜の闇を舐めてはいけないということだ。ついでに言えば、飛行機から見ても、真っ暗だ。
みんな、いったいどうして暮しているんだ?
別に、普通に暮らしている。灯明を灯したり、ろうそくをつけたりしている。俺のお気に入りだった東屋のような喫茶店では、太陽電池式のLED懐中電灯ひとつで、人々はチャイを飲んだり、酒を飲んだりしながら、世間話に興じていたっけ。慣れれば何とかなるものさ。
そして何より、暗い夜は眠っているに違いない。それは自然なことさ。
じゃぁ、そんな不便な暮らしで、彼らが不幸そうかと言えば、ぜんぜんそうは見えないぜ。
むしろ、俺たち日本人よりも愉しそうに暮らしている。娯楽は少ないけれど、人生そのものを楽しんでいるように見える。昼も夜も仕事に追いまくられて、何のための人生か分かんなくなってるように見受けられる奴は、どこにもいなかった。
生活が便利になったからと言って、人生が豊かになるわけじゃないんだということがわかる。
どんなに科学や技術が進歩しても、人間の本質ってのは変わらないってことが見えてくる。

この神州日本では、原発を稼働させないと日本経済は衰退するばかりだというおかしな人たちがたくさんいる。火力に頼っていては、原料の調達コストが高くつくという一方で、円安になればなるほどありがたいとかいう、頭のおかしい連中だ。円安になれば、海外からの原料の調達コストは、当然膨れ上がるんだがな。自分とこの車やらなんやらが海外に調子よく輸出できさえすれば、庶民がどうなっても屁でもねぇっていうんだろう。身勝手な話さ。自分は原発から遠く離れて暮らしながら、リスクは経済発展にはつきものだとか自分に調子のイイ寝言を垂れ流す、いかれた奴らだ。

電気がなくても屈託なく生きてる連中と、たくさんの人が放射能のおかげで苦しんでるのに、原発が必要だ、再稼働だとか言ってる奴等、どちらが友達にしたいかって言ったら、俺は断然前者だな。君はどうだい?

読者諸君、失礼する。懐中電灯の灯りの下で飲む、一杯15円ほどのマサラティーは、そりゃ味わい深かったぜ。君にも味あわせてやりたいよ。

2014/11/05

Post #1309

Patan,Kathmandu,Nepal
本日、仕事の書類をしこたまつくらなけりゃならないので、写真のみ。
身体使って、頭使って、気を使って、極力金は使わずに、働いてゆかねばならない俺なのさ。
読者諸君、失礼する。

2014/11/04

Post #1308

Patan,kathmandu,Nepal
風船で遊ぶ子供。そして、ほほ笑む父親と、おじいさんと思しき人々。
何もないけれど、風船ひとつで、十二分に幸せそうだ。
読者諸君、失礼する。

2014/11/03

Post #1307

Patan,kathmandu,Nepal
本日、仕事でがっかりというか憮然とするようなことが起きた。
気分が落ち込むぜ。
だから、今夜も写真だけお送りしよう。
読者諸君、失礼する。

2014/11/02

Post #1306

Patan,Kathmandu,Nepal
体調が今一つなんで、写真のみお送りする。
読者諸君、失礼する。

2014/11/01

Post #1305

Patan,Kathmandu,Nepal
昼間に働くのが、こんなに疲れてしまうとは・・・。
毎日、ぐったりするほど疲れ切っている。今夜は請求書を作ってメールしたり、帳簿を入力したりしなければならないというのに。
身体は重く、慢性痛風の足指には鈍い痛みがある。何か言うべきこともさっぱり思い浮かばないというていたらくだ。
これではいけない。もっとクリエイティブに生きる必要があるな。

最近俺は、ずいぶん寛大になったと周囲から評される。
自分でも、ついそう思ってしまう時がある。
しかし、きっとそうじゃないのだ。
俺は、人間なんて俺も含めて、どいつもこいつもくだらない連中で、どうしようもない存在なんだという、思えば悲しくなってくるような存在なんだと気が付いただけなのだ、たぶん。

頓馬でくだらない奴が、愚かな事やくだらないことをしでかしたって、驚くにはあたらないだろう。だって、頓馬でくだらない奴なんだもの。
そういう人たちに腹を立てたり、落胆したりするのは、その人たちを買い被っていた証拠だし、それはそのまま、これまた頓馬でお調子者で、下らないことを喜んでするような自分自身を、過大に評価していたことになりはしまいか?

アイツはできる奴だ、有能だなんて言うのは、しょせんどんぐりの背比べでしかないのさ。しかも、その尺度は、それぞれまちまちだと来たからには、救いようがないぜ。
生来愚かな俺だけど、これ以上愚かしいことをしでかしながら、他人の愚かしさに憤り、他人のjふるまいに怒りを覚えたりするのは、自分の愚かしさに気が付いていないという、最大の愚かしさにとらわれているってことだ。俺は愚かしさの泥沼にはまるのは御免蒙るってものだ。

そんなわけで、俺は寛大で辛抱強い男になったと、誤解されているのさ。

読者諸君、失礼する。