2015/03/19

Post #1443

Paris
雨が降っている。
けれど、俺は傘をさすのが嫌いだ。少々の雨くらいでは、傘なんか必要ないのさ。傘を持ってないわけじゃない。カバンの中には、折り畳み傘が入っちゃいるんだけど、手が塞がるのが嫌いなんだ。万一、曲がり角なんかで暴漢に襲われたとき、手が塞がってちゃ、満足に応戦することも出来やしないからな。
だから、『春雨じゃ、濡れてまいろう』なんて独りうそぶきながら、濡れたままで歩いて家に帰るのさ。
けど、今朝問題だったのはそこじゃない。

痛風だ。

昨日から、俺の左足の親指の付け根に、毎度おなじみの痛風発作が襲ってきているのさ。
去年の12月から、ずっと夜勤を続けて来たからな。そろそろ疲労が蓄積されてきてるだろうから、痛風の発作に見舞われたって、全然不思議じゃないだろう。
まったく、金はたまらないのに、疲労はたまるというのが、人生の味わい深いところだな。面白いぜ。

いやいや、誤解されるといけないんであえて言うけど、別に贅沢なもん食ってるわけじゃないんだぜ。これでも毎日質素な食生活で、下手すりゃ一日一食って日も珍しくない。今年になって4キロも痩せたくらいだ。しかも、素面じゃやってられないようなやりきれない時だって、酒も飲まずにせっせと働いてるのさ。
こう見えて、俺の生活は至極真面目なもんなのさ。
そもそも俺は、遺伝的に尿酸を排出する機能が弱いらしいんだ。
で、疲れが溜まってバランスが崩れると、発作が出てくるって寸法だ。
まったく、我ながらよくできてやがるぜ。

仕事をしてる時は、まだ薬も効いてるし、気も張ってるからさほど気にはならないんだけど、やはり帰り道は結構くるね。俺はオイディプス王のように、踏ん張れない足を引きずりながら歩くんだ。しかも雨の中。

けど、最近俺は思うんだ。
俺のような破格のパワーを持った男なら、その程度のハンデがないと、世の中の男性諸君に対して、不公平なんじゃないのかってね。

そう思えば、この鈍い痛みも、まんざらではないってもんだ。
たまにはこいつが疼いてこないと、物足りないくらいの境地に達してきたぜ。

読者諸君、失礼する。俺のことは心配無用だ。みんなもっと自分のことを心配した方がイイ。俺はこの痛みを、ポジティブに面白がってるのさ。もっとも、女性に心配されるのだけは、まんざらでもない俺なんだけどな。

2 件のコメント:

  1. Parisの雰囲気出てます。
    結構中心部から外れた場所のようにお見受けしました。 味がありますね。Parisなど移民の坩堝、後ろ姿と雑然さがいいです。

    アフリカまで行かずとも、家を出たら徒手空拳、いざとなれば戦うのか逃げるのか? 我が身と愛する人を守る必要がありますねぇ。

    痛風はなんとかやり過ごしてくださいませ。

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    1. いまだに、コンビニ前にたむろする小僧どもなんか見ると、いざとなったらどいつから倒すか反射的に考える武闘派中年ですが、チュニジアの事件を見ると、君子危うきに近寄らず、三十六計逃げるに如かずとも思いますね。
      これははパリの東駅界隈。モンマルトルとか近い辺りです。アメリなんかにも出てきたいわゆる下町ですね。大好きです。
      痛風は、毎度ご心配かけますが、薬飲んでぐっすり眠ったら、かなりよくなりました。ほんの人生の調味料ですな。

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