2015/08/22

Post #1600

Hamburg,Germany
昨日、朝の四時から現場に乗り込み、大声で現場の男たちを叱咤激励しつづけ、職方同士の利害と意地とのもつれた糸を解きほぐし、或いはまた一刀両断、仕事を終えたときにはフラフラだったぜ。
おかげですっかり寝落ちしてこんな時間に書いている。今、深夜3時。

夜中の公園に行って煙草を吸う。止めたはずの煙草だが、あまりのストレスにまたぞろ復活してきているのさ。
すると、銀座の夜の女だろうか、若くてスゲーいい女がやってきて煙草を吸っていやがる。
俺は気の無いそぶりをするが、5メートル離れても鼻先に押し付けられるような香水の香りが、否が応でも感じられて、『畜生、そんなに自分を主張したいのかよ』って内心イラつくのさ。
見たくないものは目を閉じればすむ。聞きたくないものは耳をふさげばいい。けど、匂いはねぇ・・・。鼻つまむのも格好悪いというか頓馬だしね。相手がイイ女だと、尚更自分の頓馬さが引き立つというものさ。
俺は鼻がきくたちで、しかも匂いが空間的な拡がりとして感じられるので、いつも道ですれ違った人間の軌跡を感じるくらいなんだ。そう、それぞれのニンゲンの匂いが、空気の中に帯のように残っているのさ。だから、あんまりキツイ香水の香りは、暴力的に感じられるんで、好きじゃないんだ。若くて色気むんむんで、きれいな女だからって、どんなおじさんもくらくらすると思ったら大間違いだ。

久々にカメラを買ってしまった。


こいつだ。そう、ツァイス・イコンの名機、ContaxⅡだ。

まさにガレージのシャッターの様な金属製縦走りのシャッター。
とんでもなく長い基線長はピント精度の高さを雄弁に物語っている。
80年たっても輝きを失わない金属の光沢。
低速シャッターを切ったときに働く低速ガバナーがたてるネズミの鳴くような音。
ごつごつと男っぽい多角形のフォルム。
ライカだけがレンジ・ファインダーカメラだと思っていたら、大間違いだ。
なにしろ、こいつはあのロバート・キャパがアメリカ軍のノルマンディー上陸作戦に同行し、恐怖に震える手で写真を撮ったカメラなんだ。男のロマンが加速するんだ。なにしろ俺の人生はいつだって、ノルマンディー上陸作戦の様なものさ。

現場のすぐそばの中古カメラやのウィンドウにひっそりとたたずんでいたのさ。
流石は銀座だ。誘惑が多い。きれいなおねーさんだけが男を惑わすんじゃないんだぜ。キレ―なお姉さんには目もくれず、迷わずこいつに惚れ込んだのさ。

レンズはない。しかし、家に使えるものがある。問題ないぜ。
35ミリか21ミリのレンズをつけて、ピントは3~5メートルで固定焦点、シャッタースピードは適当に、ノーファインダーでつむじ風のように世界と切り結んでいくのさ。
なにしろ税込32,400円という嬉しい価格だ。経費でおとして買ったのは税務署さんには内緒だぜ。こいつは1936年発表の素晴らしいカメラだ。カメラだって、最新のものがイイと飛びつく奴ばかりだと思ったら大間違いだ。
ずっと探し求めていた。けれどどうしてもめぐり合うことができなかった。
それが、こんな激戦の真っただ中に見つけることがっできるなんてね。

まるで、ずっと心に思ってきた初恋の女性に巡り合い、その女性と結ばれたような気分だ。
これからこいつと一緒に、いろんな経験をするのさ。

読者諸君、失礼する。今日も朝早いのさ。

2 件のコメント:

  1. ついに巡り会いましたね。
    ご縁というやつでしょうか。
    楽しみにしています。

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    1. 深読みしちゃダメだよ!

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