2015/10/18

Post #1656

Hamburg,Germany
少年時代からずっとお世話になっている師匠のもとに、カミさんを連れて子供ができたことを報告しに行った。
この師匠のうちこそ、実家と呼べる場所を喪った自分にとって、実家そのものだし、師匠とその奥さんこそ、自分の父母のように思って接してきた。
とはいえ、不肖の弟子だから、こっちが父母のようにおもっても、不肖の息子だわな。

想えばこの師匠との付き合いも長い。はじめてこの師匠に会ったとき、俺は中学一年生で、師匠は今の俺の歳よりも若かったはずだ。その師匠も今年喜寿。森山大道と同じ年だ。当時から白髪の長髪だった師匠の頭は、すっかり髪の量が減っている。耳には補聴器が。

しかし、お元気なうちに、この不肖の弟子も子供を持つにいたったことを報告出来てうれしい。

師匠は愛用のソファにどっかりあぐらをかきながら言った。
『子供ができたって話は、噂ではきいていたぞ。これまであえて作らなかったのに、よく決心したな。お前さんのことだ、よくよく悩んだことだろうよ。』 
さすがは俺の師匠、何もかもお見通しだ。
『はい。さすがに今回ばかりは腹括りました。腹括ってからは早かったんですがね』
俺は笑いながら答える。

『まぁ、頑張ってください。先は長いから』と師匠。
『まったくです。この年で子供をもうけたら、いったい幾つになるまで遮二無二働かなけりゃならんことか・・・。』俺は困ったように笑って見せる。

『で、男の子か女の子か、もうわかってるのかね?』師匠は重ねて訊く。
その問いにはカミさんが男の子だと答えた。そして俺にそっくりくせ毛の子供になるだろうとおもうと付け加えた。
その答えに、師匠は呆れたのか困ったのかしたように、顔をくしゃくしゃにして、くくくと笑って言った。
『やれやれ、奥さんも大変ですなぁ・・・』

なにしろ俺の子供は、おなかになかにいるくせに、もうロックと車が大好きだ。俺とおんなじだ。ついでに言うと、きっと女好きになることだろうよ。

俺たちと師匠ご夫婦は、日曜の昼時、温かく愉しいひと時を、家族のように過ごしたのさ。
『新婚さん、いらっしゃい』を見て、こいつはひでぇ夫婦だなとかいって笑い転げたりしながらね。
さて、そんなわけで師匠にはもうちょっと長生きしてもらわないとな。
俺の倅の成長を、見せてやりたいからな!
師匠と不肖の弟子のツーショット!
読者諸君、失礼する。さて、明日からまたわからず屋のとんちき共と戦うぞ!

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