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| Singapore |
俺は常夏の国への旅を思い出す。
まったくの偶然で、この日本に生まれて、ここで生計を立てて生きている。
選んで望んでここに生まれてき訳でもないので、日本人が良いの悪いのととやかく言う筋合いでもない。たまたまさ。
時折、日本の社会の息苦しさにうんざりしては、ふらりと旅に出る。
旅に出れば、それは自分の生活にも自分の社会に対しても、ある意味で無責任な状態なので、無重力状態のように、気楽に過ごすことができるし、言葉も通じぬ見知らぬ街を気に入ったりもする。
けれど、そこを自分の安住の地とすることができるかというと、なかなかそうもいかないのさ。
そうなったとたんに、社会と自分の生活に対する責任が強力な重力でもって、俺を捕らえにかかることだろう。無責任な旅人の目には見えなかったあれやこれやが、目をつぶっても見えるくらいになってくることだろう。それできっと、その街も人々も、嫌になってしまうことだろう。
だとすると、ジプシーのように、一所に定住することなく、漂泊し続けるしかないのかもしれないが、それとて苛烈な営みで、日々の糧を得るのにも、日毎夜毎の骨折り損のくたびれもうけだ。
自由になるのに簡単な道なんて、どこにもないのさ。
読者諸君、失礼する。今年の年末にはちょっと台湾に行ってこようかと思ってるんだ。決して儲かっているわけではないがね。

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