2026/08/22

POST#1946 奇妙な世界

アユタヤ、タイ
仕事を終えて家に帰り、届いていた新聞を見る。

一面にはAI関連のニュースがいくつも踊っている。

AIで新薬の可能性を広げる遺伝子配列が二日で17個もみつかった。

AIで数十年も数学者たちを悩ませてきた数学の難問が解けた。

文部科学省が教育に特化したAIを開発することにした。

防衛関連にアメリカのAIを採用することとした。

株式市場はAI関連銘柄がけん引している。

中国ではAIを搭載した人型ロボットが、生産現場で使用され始めている。

エトセトラ、エトセトラ。

素晴らしい時代だ。素晴らしすぎて、笑えてくる。

AIがメールを書いてくれる。AIがメールを要約する。そしてその返事をAIが書く。

生成AIが画像を作り、AIボットがそれを見る。

技術の進歩によって、生産性が上がったとしても、人間の創造性や思考力は、相対的に落ちていくことだろう。

そして、問題が起こってもAIは責任なんか取らないぜ。

まぁ、大概の人間も責任から逃げ回ってるから同じようなもんだけど。

人間を無意味なクソどうでもイイ仕事=ブルシット・ジョブから、AIが解放してくれると期待してはいけない。新たな、よりナンセンスな仕事が増殖していくんだ。


早いとこAIで、職人のモチベーションや仕事の質を見極めたり、そもそもAI そのもので、減少する一方の、身体性を伴うエッセンシャルワークをこなしてくれるようにならないかな。

能書きだけじゃ、世の中何もできないんだ。


 

2026/08/21

POST#1945 目を背けてはいけない

 








 

かつて、旅先でのある朝、妻子が眠っている間に早朝の熱帯の町を散策した。

共産党の旗の鎌を思わせる、ヤシの実ナイフ。

切り取られたヤシの実の房。

生々しく原形を留めたニワトリの肉、つまり死骸。

そして、排水溝に朽ちかけた猫の死骸。

それは、けっして世の人々の目を惹くものでもなく、視覚的に素晴らしい感銘や驚きを与えるようなものでもない。

けれど、生きていくうえで、自分が生きているという実感の地平から、これらの対象に視線を注ぎ、目をそらすことができない。


世界は美しくない。故に、美しい。

世界は残酷だからこそ故に、どこまでも優しい。


目の前の世界から、片時も目をそらしてはいけない。

2026/08/20

POST#1944 なぜ、眠らないと運転が荒くなるのか?



包丁か、鉈か。
朝まで働いて、家にたどり着いた車の中で小一時間眠ってしまった。
陽はとうに昇り、車内の温度は耐えがたいものになり、吹き出す汗の気持ち悪さに目が覚める。
起きてきた子供や女房の話を聞きながら話をしながら、モソモソと食い物を腹に詰め込む。
話は右から左に抜けていく。俺は眠いのさ。眠くてたまらないんだ、

例によって飯を食った後仕事の写真の整理をする。 これをフォルダーにまとめて クライアントに 毎日送るのさ。 俺のクライアントが現場に来ていなくても、現場の状況が手に取るように分かるようにするんだ。
おかげさまで多い時は、一晩に100枚くらい写真を撮るんだ。実は俺の 写真 趣味 っていうのは 現場の写真を撮ってるうちに 面白そうだなと思って 始めてみたものなのさ。 そうあれは長野オリンピックの頃だった。 二度ともう来ることのないだろう 長野の田舎の神社とか 飲み屋街の写真とかを映るんです を買って撮ったりしてたんだ。そっからが始まりだね。

だから俺の現場写真にはどこか君たちにいつもお見せしてるような写真のエッセンスが入ってる。 それが果たして クライアントにとって 見やすいものなのかどうなのかよくわからない。 ま クレームもないからいいけどね。

写真整理をして Google ドライブにアップしたいメールを作ったところでフローリングの床に伸びて眠ってしまった そりゃまあ そうだろう。 俺だって人間だ。そんなこともあるさ。

椎間板の 縮んでしまっている 疲れ切った体には フローリングの硬い床が心地よかったりするんだ。 しかし そんな眠りはすぐに電話のベルで起こされた。

現場で不具合があったからって言うんですぐに現場に行って対応しろって言うんだ。 あまりに酷だぜ。
まさにどっかの首相が『働いて働いて働いて働いて働いてまいります』とか言ってたけど、責任ある仕事をやってる小市民はとっくに働いて働いて働いて働いて働いて倒れるまでやり抜いて、倒れたら這ってでもやるのさ。

少なくとも俺は自分の先輩からはそうやって叩き込まれてきたね。 まる 今の若者とは生きてきた時代が違うってことだ。 決して嬉しいわけじゃないけどね。

しかし 睡眠不足で高速をぶっ飛ばしていくとどうしてあんなに運転が荒くなったり スピードが出ちゃったりするんだろうな〜。
全く こんなことやってちゃ命がいくつあっても足らないよ。

え、今夜?もちろん仕事だよ。
寝てないアピールは高市総理だけの専売特許じゃないのさ。


ちなみにこの鉈だか 包丁だかよくわからんような 刃物。
バリ島のその辺の町並みの朝 散歩してる時にとったものなんだけどきっと 鶏だか ドリアンだかをかち割ったりするんだろうな。手ズレしたグリップや、研がれていないのに、使うところだけ鈍く光る刃先に、写っていない持ち主の身体性が宿る。写真はイマジネーションへの入口であるべきで、けっして百聞は一見にしかず的な、わかり易いモノであるべきではないんだ。
自分の世界への視力を一段上げる踏み台のような写真。
好きだな。

こういう 全く映えない写真が 俺は好きだ。