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| 沖縄 市場にて |
さた、だいたいなんでアメリカじゃ、有権者登録なんて必要なんだ?
住民票とかないのかね?にほんなら、そんな面倒なことを自己申告しなくても、選挙のお知らせが市役所から届く。投票所に行けば、この選挙のお知らせの番号と住民台帳を突き合わせて確認し、市民ならだれでも投票ができる。もちろん投票する気があればだけれどね。
アメリカで有権者登録が必要な最大の理由は、日本のような全国統一の住民票(住民基本台帳)や戸籍の仕組みが存在しないからだ。
はぁ?大事なことだからもう一度言おう。
全国統一の住民基本台帳がないんだとさ!
俺たちがたまたま生まれた日本では引っ越しをして役所に転入届を出せば、自動的に住民票が更新され、選挙管理委員会が作成する選挙人名簿に登録される。自動的にだ。ほかに何の手続きもいらない。日本全国、どこに行っても同じだ。しかし、アメリカにはこれに相当する国の一元的なシステムが、ない。
彼らは「国家が国民を一元管理する」ことへの強い警戒心を持っている。というか、国家を信用していない。
アメリカは歴史的に、中央政府が個人の情報を管理することに対して強い拒否感(プライバシー侵害や国民監視への懸念)があるのだという。そのため、日本のような「国民全員に一意の住所と身分を紐付けて登録を義務付ける」住民票システムそのものが存在しないんだそうだ。さすがは自由の国だ。
しかも選挙の管理は「州」の権限だ。
アメリカの選挙は連邦政府ではなく、50ある各州(および地方自治体)がそれぞれ独自の法律で運営しているんだとさ。
核家族社会のアメリカでは、生まれたコミュニティを離れて州をまたぐ引っ越しも多いため、各州の選挙管理委員会は「誰が今、自州のどの選挙区に住んでいて、投票資格を持っているか」を独自に把握する必要がある。
その確認作業を有権者側からの「申請(登録)」に頼っているのが現状なんだとさ。
何たる非効率!投票すらもするかしないか自由なのさ。
そしてなんだか本末転倒な気もするが、不正投票の防止策なんだとさ。
二重投票や、亡くなった人の名義での投票、資格のない人(市民権のない人など)の投票を防ぐため、事前に身元と居住地を確認するステップとして有権者登録が機能しているらしい。だから、それは日本みたいなシステムを構築するほうが間違いないだろう?
お得意のお家芸のAIに作ってもらえばいいじゃないか?
この有権者登録の手続きは、「投票率を下げる原因になっている」「特に低所得層やマイノリティの投票を難しくしている」という批判が根強くある。
そりゃ当然だ。好き放題やりたい権力者は、政府のやり口に不満を持つ低所得者やマイノリティの投票率は低い方がいい。権力を維持するためには是非ともそうすべきだ。メンバーズオンリーだ。貧乏人は黙って冷や飯くいだ。同じ理由で投票率は低い方がいい。日本でも、有権者が選挙の時に寝ていてくれたらいいと放言した、元総理大臣で元オリンピック委員会でサメの脳みそと言われた政治家がいたな。それと同じだ。
そのため、いくつかの州では改善に向けた取り組みも進んでいるそうだ。たとえば
- 自動有権者登録(AVR): 運転免許証の更新などの手続きの際、自動的に有権者登録も行われるシステム(多くの州で導入が広がっています)。
- 当日登録: 選挙の投票日当日に投票所で登録してそのまま投票できる州もあるそうだ。
じゃぁ、運転免許のない人、パスポートなど身分証明になる子的書類のない人はどうするんだ?
百歩譲って、連邦政府に一元的な住民台帳がないのは良しとしよう。
しかし、それぞれの州に住民票とかないのか?
そもそもそれじゃ、市民サービスとか行政そのものに支障があるだろうに。
しかし驚くべきことに、州単位でも日本のような「住民票(行政が個人の住所を一元管理する仕組み)」はない。ないったらない。
俺たち日本人の感覚からすると「どうやって行政サービスを行っているんだ?」と不思議に思えるんだが、アメリカでは目的ごとに異なる公的書類や番号を組み合わせる「分散型」のシステムで行政を回しているわけだ。
これが非効率極まる奇々怪々なものだ。屋上屋を重ねてきた結果だろうな。
1. 住所の証明は「運転免許証」や「公共料金の請求書」
アメリカで最も「住民票」に近い役割を果たしているのが、各州の陸運局(DMV)が発行する運転免許証(または車を運転しない人向けの身分証明書/ID)なんだそうだ。
引っ越しをした住民は、州の法律で「○日以内にDMVで住所変更の手続きをするように」と定められているんだと。
行政サービス(公立学校への入学、図書館カードの作成など)を受ける際の「居住地の証明」には、主に以下が使われているらしい。
- 住所が記載された運転免許証
- 自宅に届いた公共料金(電気・水道・ガスなど)の請求書
- 家賃の賃貸契約書
行政側は、これら複数の書類を住民に提示させることで「本当にここに住んでいるか」を確認しているんだとさ。何たる非効率!
2. 人口の把握と予算配分は10年に1度の「国勢調査」
こんなていたらくだと、当然俺たちは「住民票がないと、行政が地域の人口を把握できず、予算やインフラの計画が立てられないのでは?」という疑問抱かざるを得ない。
でも、安心してくれ。アメリカ人もそこまで馬鹿じゃない(はずだ)。
アメリカではこれを、憲法で定められた10年に1度の「国勢調査(Census)」でカバーしているんだ。「国勢調査」ねぇ…。
このデータをもとに、連邦政府から各州・自治体への予算配分や、下院議員の議席配分(選挙区の区割り)が決まるんだそうだ。
3. 税金は「自己申告(確定申告)」が基本
税金(所得税など)の徴収は、日本のような役所主導の住民税徴収とは異なり、原則として年に1回、全員が自分で自分の住所と収入を国税庁(IRS)や州の税務当局に申告する仕組み(タックス・リターン)になっている。行政はこれにより「誰がどこでいくら稼いだか」を把握するってわけだ。
4. 国民共通のIDは「社会保障番号(SSN)」
日本でいうマイナンバーに近いものとして、社会保障番号(SSN: Social
Security Number)があるんだそうだ。なんだ、ちゃんとあるんじゃん。さっさと紐付けしなよ!
元々は年金管理のための番号だったらしいが、現在は税金の申告、銀行口座の開設、就職、クレジットカードの作成など、あらゆる場面で本人確認のために必須となっているんだそうだ。
ただし、これにも「公式の住所情報」がリアルタイムで紐付いているわけではないんだとさ。だから紐付けしろってばよ!
さて、最前から俺が気にしているのはここだ。こんな有様で行政に「支障」は出ていないのか?
実際のところ、かなりの支障や非効率さが発生しているんだなぁ。
まず、手続きがとにかく面倒くさい。
住所が変わるたびに、DMV(免許)、郵便局、税務署、銀行、選挙管理委員会など、あらゆる場所に個別に住所変更を届け出る必要がある。これは面倒くさい。日本なら、市役所と警察に行くだけだ。
当然のことながら、役所の窓口が大混雑する。
特に運転免許を発行するDMVは、全住民の身分証管理を一手に引き受けているため、常に長蛇の列ができ、アメリカで「最も行きたくない場所」の代名詞になっているんだとさ。まぁ、俺も運転免許試験場は、行きたくない場所の一つだけどね。
いちばん悪いことには、行政の横のつながりがないことだ。
州のシステム、警察のシステム、福祉のシステムが連動していないことが多く、情報の照会に時間がかかったり、不正受給や管理漏れが起きやすいという弱点がある。生活困窮者を支援したりするのにも支障があるだろう。
けど安心して。アメリカは自由の国なので、生活婚食うして野垂れ死ぬのも自由ってことだ!
こんなていたらくなのに、アメリカ人が「一元管理された住民票」を作らないのは、やはり「政府に自分たちのプライバシーや居場所を監視されたくない」という自由主義の理念が、不便さよりも優先されているからだ。
そう、彼らは自分たちの政府を、自分たちの国を、根本のところではまったく信用していないのだ。
俺はこの状況を見てみるに、ふと一つの疑問を抱く。
この人たち、煩雑化によってGDP上げようとしてない?(笑)
これはあながち笑い話とも言えないようだぜ。
経済学やビジネスの視点から見ると、アメリカのこの「手続きの煩雑さ」や「非効率さ」は、皮肉にも巨大な民間市場(ビジネス)を生み出し、結果としてGDPを押し上げる要因になっているらしい。阿呆らしい。
これを皮肉を込めて「非効率が生み出す経済効果」と呼ぶことがでるだろう。まさに「ブルシット・ジョブ」だ。このブルシットジョブがビッグビジネスを生み出している。
1. 「確定申告が難しすぎる」から生まれた巨大産業
アメリカの税金申告(タックスリターン)は、住民票や会社による年末調整がないため、個人でやるには複雑怪奇らしい。まぁ、税金なんてそんなものだ。複雑怪奇にして、出来るだけ貧乏人から巻き上げるようにできてるのさ。
その結果、「ターボタックス(TurboTax)」などの申告ソフト会社や、街中の税務代行サービス(H&R Blockなど)、公認会計士(CPA)が数兆円規模の巨大市場を形成しているんだとさ。数兆円規模だぜ!驚きの非効率だ!
彼らは「システムがシンプルになって国民が自分で簡単に申告できるようになると困る」ため、政府が無料の公式申告システムを作るのを阻止しようと、長年激しいロビー活動(政治家への働きかけ)をしてきたことでも有名なんだとさ。ひどい話だ!
2. 「身元が信用できない」から生まれた巨大産業
住民票や戸籍がないため、アメリカでは「この人は本当に信頼できる人物か?」つまり家を貸していいか、ローンを組ませていいかを国が証明してくれないんだ。
これが中国なら、携帯と連動した社会信用スコアで一発なのにな!(笑)
そこで、「クレジットスコア(信用スコア)」を算出する民間企業(Equifax、Experian、TransUnionの3大信用情報機関)が発達したわけだ。家を借りる、車を買う、就職する、あらゆる場面でこの民間企業のデータが有料で照会され、これもまた巨大なビジネスになっているんだとさ。民間企業のほうが、公共セクターよりも信用できるという感覚が、よくわからないぜ。
政府の信用より、民間企業の担保する信用を重視するというのが、俺には意味不明だ。
公共とか社会とかいう概念が社会にないのだろうか。人々は孤に分断されたモナドとしてしか存在しえないのだろうか?
3. 「住所やIDの証明が大変」だから生まれる民間サービス
引っ越しのたびに何十箇所も住所変更をするのが面倒なため、それを一括で代行・仲介する民間アプリやサービス、また「身元確認(バックグラウンドチェック)」を専門に行う代行会社が数多く存在し、これも立派に経済を回しているわけだ。みんな儲かってよかったね。
そのお金は誰が払うのでしょう。もちろん一人一人の市民ですよ。しかし、本来はこういうコストは、社会を維持するためのコストとして、公共セクターが負担し、責任を負うべきものだ。
こいつはまったく、「割れた窓の寓話」そのものだ。
経済学には「割れた窓の寓話」というものがある。
「パン屋の窓ガラスが割れると、ガラス屋が儲かり、ガラス屋がそのお金で服を買えば服屋が儲かる。だから災害や破損は経済を活性化させる」という一見正しそうで、実は社会全体としては富を失っているという屁理屈だ。
アメリカの行政の煩雑さは、まさにこれと同じだ。
- 日本:
行政がシステムを一元化して、国民の「時間と手間(コスト)」をゼロにする。
- アメリカ:
行政が不便なままなので、国民は民間企業にお金を払ってその不便さを解決する。(ここで民間企業の売上が立ち、GDPが増える!)
国民個人の時間やストレスという「目に見えないコスト」を犠牲にして、民間ビジネスの「目に見える売上(GDP)」に変換している、と言えなくもない構図があるわけだ。このあたりは、徹底的な資本主義国であるアメリカらしさとも言えるだろう。合理性のかけらもありゃしない。その割には、テック企業が検索などを通じて個人情報を吸い上げ、情報抽出するのは良いってんだから、わけがわからないぜ。
この「わざと不便なままにしてビジネスを残す」という構図は、国民皆保険がないため、複雑な民間保険と代行請求が巨大産業化しているアメリカの医療保険制度にも全く同じことが言えるようだ。
本来ならテクノロジーや行政改革で「ゼロ」にできるはずの無駄なコストを、わざわざ民間ビジネスの「売上」として計上して「我が国のGDPは成長している!」と言っているわけですから、極めて不条理だ。カミュやカフカが見たら大喜びするほどの不条理だ。
この仕組みが長年維持されている背景には、アメリカ特有の「ねじれた思想」がある。
彼らは「政府の役人」より「民間の金儲け」を信じる文化を持っている。
アメリカには「政府がやる仕事はすべて非効率で利権まみれになる。民間企業に競争させたほうが、まだマシなサービスが生まれる」という根強い新自由主義という信仰がある。教祖はミルトン・フリードマンだ。そのため、日本では「お上が一元管理して効率化するぞ、マイナンバーにみんな紐付けだ!」となる局面で、アメリカさんでは 「政府にやらせるとロクなことにならないから、不便でも民間ビジネスに解決させよう」となるわけだ。そして、民間企業にぼったくられる。企業の目的は人々の幸福の最大化ではなく、自らの、株主の利益の最大化だからだ。そんなこと、ちょっと考えればわかりそうなものなのにな。
この不条理の結果として、余計に複雑で金のかかる民間サービスが乱立することになるわけだ。馬鹿らしいぜ。
銭ゲバな奴らは「GDPの数字」さえ増えれば正義ののさ。
経済学の指標にすぎない、サイモン・クズネッツが発案したGDP(国内総生産)は、「どれだけ社会が幸せになったか」ではなく「どれだけお金が動いたか」しか計算しない。しかし、お金を使わずに個人が労力を費やした部分に関しては、お金が動いていないのでカウントされない。そこで起きるのが次のような転倒した構図だ。
住民票1枚で手続きが終わる日本 ➡ お金が動かないのでGDPはゼロ
複雑な手続きのために代行業者に1万円払うアメリカ ➡ GDPが1万円増える
諸君、如何におもわれるかな?
社会全体としてはアメリカの方が明らかに無駄なコストと労力をかけて疲弊しているわけだけど、「GDP成長率」の数字の上では、アメリカの勝ちになってしまうというバグが起きているくわけだ。阿呆らしいぜ。
この非効率な政治を動かすロビー活動という名の「合法的な買収」が社会を覆っている。
この非効率から恩恵を受けている企業(税金申告ソフト会社や民間保険会社など)は、莫大な利益を使って政治家に献金し、「行政手続きをシンプルにする法案」をことごとく握りつぶしてきた。政治家は、国民の幸福のために働いているのか?業界利権の代弁者に過ぎないのか?
こんな腐敗した時代遅れの慣行を墨守し、おかげ様で民間ビジネスが成長しすぎた結果、「不便であること」が彼らの既得権益になっている。その結果、国全体をアップデートできなくなるという本末転倒な事態に陥っているというわけだ。たわけだないの?
大丈夫か、アメリカ?
「非効率をビジネスに変えて成長する」アメリカと、「効率的で便利だけど経済が停滞している」日本。どちらが良いかは一長一短かもしれない。アメリカの成長の裏には、こうした国民の膨大な「時間、ストレス、手数料」という隠れた犠牲があるのは間違いない。
君は、日本とアメリカ、どっちに生まれたいかね?
この構造の根底には、アメリカ人と日本人の社会や国家に対する共同幻想の断絶がある。明日はそれについて話そう。




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