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| Budapest,Hungary |
生きてゆくためには、筋が通っていなくたって一向に構わない。
声を上げれば、社会的に信用されなくなってしまう。
この社会では、みんなとおなじが至上の価値だ。
妻子がいるから、理不尽な事でも受け入れるしかない。
たまりにたまった鬱屈は、酒でも飲んでごまかすしかない。
与えられた労働、
与えられた娯楽、
与えられた価値観、
人生に意味なんて考えるような奴は、そのうち自殺するものさ。
そうこうするうちに、誰もみな、どいつもこいつも何も考えないようになり、
いつしか地主の顔色ばかりを、おどおどうかがう卑屈な小作農のような、
うつろな目をして電車の中で、日経を読むような、
今日一日を如何に生きるよりも、老後の安楽を気に病むような、
ロックなんて聴いたこともないような、
心のうちにブルースなんてないような、
母親のおまんこからではなく、工場の鋳型から出てきたような、
程よく太った人間の姿をした二本足の奇妙な家畜のような、
そんなつまらない奴になってしまうのさ。
お陰様で、悪党どもはやりたい放題。
法の名のもとに、不正義がまかり通る。
あぁ、どこに亡命しようかなぁ。
もちろんそれは俺が俺でいられるところへだ。
さて、いつの日か俺が俺ではなくなって、
俺がそんなつまらない奴になってしまったら、
君は俺を殺してくれるだろうか?
仕方ない、君だって妻子や老後が大切だ。
無理にとは言わないさ。
誰も殺してくれなかったら、夜の街へトカレフでも買いに行くんだ。
自分の頭を吹っ飛ばすためにね。
読者諸君、失礼する。
けど、つまらない奴は、トカレフで頭を吹っ飛ばそうなんて、考えもしないかな?
なんてったって妻子や老後や社会的な信用が大事だからな。けど、死んじまったなら、何もかも関係ないのさ。

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