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| 永康街、台北、台湾 |
もとよりまばらな道行く人々は、日が暮れたこともあって、数えるまでもないほどだ。
当然ながら、誰一人として、彼の歌に耳を傾けてはいない。
さほど若くもない小太りの男の歌う、どこか諦めにも似た自己憐憫でいっぱいの下手な歌など、誰が聞きたがるものか、唄を歌うのは自由だけれど、独りよがりもいい加減にしろと内心舌打し、ふと気が付いた。
俺の写真とて、同じようなものじゃないのかね?
俺とあの男を隔てているものなんぞ、実はどこにもありはしないのではないか?
自分が厭きなけりゃイイとばかりに、はや四年も続けてしまったが、人のことを言えた義理でもあるまいし。
ごく少数の固定客の読者諸兄に支えられて歩んできたが、ごく少数の聴衆なら、駅前の音痴にも付いているんじゃないのかい?
そう思いいたると、内心どうにも嫌な気分になって、足早にその場を立ち去ったのさ。
読者諸君、失礼する。自分を客観的に見てみると、不愉快になることの方が多いものさ。
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