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| Ubud,Bali,Indnesia |
カミさん『体を思って、(仕事を切り上げて)帰ったら、JR事故で止まってる。会社にいればよかった。しょうがないのでご飯食べる。振替の名鉄も大変なことになってるらしく、乗るの無理』
俺 『それは災難だな。誰かがきっと線路に飛び込んだんだろうよ。』
カミさん『当たり』
俺 『生まれてくるのはこんなに大変なのに、命を粗末にするとは、馬鹿な奴じゃ。』
カミさん『本当だよ!今日仕事終わったの?』
俺 『今から夜の部』
カミさん『行ってらっしゃ~い。ご飯食べてる?』
俺 『そこそこ。ダルいわ』
カミさん『電車動き出した。90分遅れ』
俺 『バカのせいで、災難じゃ。絶望するより、逃げればいいのに。』
カミさん『その通り』
俺 『バリ島とかええぞ』
俺は懐かしいバリ島を思い出す。
おおらかで細やかで、優しく信心深い人々が住むあの懐かしいバリを。
鳥の声で目を覚まし、眠るときには天井にヤモリが這っているあの島を。
カミさん『自分の回りが世界の全てじゃないって誰か伝えてあげないかん』
俺 『・・・たわけばっかりだて・・・』
さすがは俺のカミさん。さらりと意味深長なことを言ってのける。こんなことをさらりと言ってのける女は、そこいらにはいないだろうな。
俺はできることなら、君たちに自分の回りだけが世界の全てじゃないって、大きな声で伝えたい。
自分たちが常識だと思っていることなんて、全然普遍的なものじゃないって、大きな声で伝えたい。
俺たちは、もっと自由に、もっと愉しく生きることができるはずだって、大きな声で伝えたい。
そして、俺たち一人一人が、かけがえのない存在だって、君に思い込んでもらいたい。
俺が君たちにとって、そんなまだ見ぬ世界からの使徒としての役目を果たせたなら、どんなにいいだろう。
俺は自ら命を絶った見知らぬ人の人生を思い、やり切れない想いで、名古屋弁でつぶやく。
『たわけばっかりだて…』
読者諸君、失礼する。昨日、かみさんのお腹のなかで、心音が確認された。けれど、まだうまく育ってくれるか、ぜんぜんわからない。不安きわまるぜ。命を授かるのは、本当に大変なんだ。君にはそれを粗末にしてほしくないんだ。勇気を持てば、新しい人生が開けるはずだ。
また会おう。

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