2015/09/09

Post #1618

Kathmandu,Nepal
ここんところ、毎日雨だな。

気分が滅入ると言いたいところだけれど、天候ごときに左右されていてどうする?
雨雲の上には、太陽が輝いてるんだぜ。
たしかに雨に濡れた安全靴で働いていると、夕方にはすっかり足が白くふやけていやがるけれど、心までふやけてるわけにはいかないんだ。

叩きつける様な雨のなか、傘もささずに前を見据えて歩いていくんだ。俺は傘をさすのが嫌いなんだ。
女の子と相合傘ならやぶさかじゃないけどね。細い肩を抱くようにして雨のなかを歩くのさ。

けれどもこちとら男一匹、台風ごときに負けてるわけにはいかないんだ。

読者諸君、失礼する。しかしですなぁ、女の子の魅力には、ころりと手もな負けちゃう俺さ。

2015/09/08

Post #1617

Ikebukuro,Tokyo
写真はかつて、池袋で撮ったものだ。池袋に行くと、必ず職質を喰らう。俺には肌が合わない街なのさ。中野区には沼袋という町もあるらしい。そこは静かな住宅地だそうだ。
きっと俺は、そっちのほうがお似合いだろうよ。
誰だよ、池袋の風俗街のほうが似合うって言ってる奴は。

もうあと二日ほどで、いま手がけている銀座四丁目の現場から撤退だ。
残念だ。残念きわまる。引継ぎが大変だ。内装、外装、仮設工事、電気、設備、気になる項目はまだまだ山ほどある。監督は全体を理解してなきゃならないからな。中日ドラゴンズの低迷の原因は、谷繁監督が、選手なのか監督なのかはっきりしないところにある。
監督は、どっかり座って全体を見て、先を読んで、野郎どもを完成まで導いて行けばいいのさ。

銀座中央通りに面したハイブランドの路面店を手掛けるなんてのは、店舗屋としてもなかなか経験できることじゃない。
いろいろな不可避にして予想外のトラブルで、工期が延びてしまったとはいえ、残念きわまる。
もう、すぐに次の仕事が俺を待っているのだ。名古屋に戻らなけりゃならんのさ。
現場の野郎どもは、今まで剛腕辣腕とほとばしる男気、そして響き渡る大声で現場をまとめて引っ張ってきた俺がいなくなることが、不安で仕方ないらしい。

そりゃそうだろう。仕事のできる監督ならそこいらにごまんといる。出来ない監督は、もっとたくさんいる。しかし、俺の代わりはそうはいないのさ。強烈なキャラクターで現場を引張ってきたんだ。

前にも書いたが、最後までいられないとわかったときには、俺は誰もいなくなった現場で、悔しくて涙を流したこともあったさ。
けど、それはもう、遠い昔のことのように感じる。
開き直って、今ここでできる最善を尽くしてきたから、まったく悔いはない。

しかし、俺は懲りない男なんだ。

次の仕事がカレンダー通りっていう、まるで公務員かサラリーマンみたいな仕事だってのをいいことに、休みの日には銀座に戻って、厚かましくも現場に立って陣頭指揮するつもりなんだ。9月にはちょうどシルバーウィークなんて素敵なものもあるしな。ロスタイムみたいなものさ。

俺は自分の仕事が好きなんだ。
しっかり仕事をこなして、君たちに恥ずかしくない男でいたいんだ。
カミさんが妊娠してるのに、どういうつもりだって言われそうだけど、俺のカミさんだって、働いてるんだから、職業人としてのけじめの付け方くらい、ちゃんとわかってくれているのさ。

読者諸君、失礼する。俺は疲れているさ。けど、精神まで疲れてるつもりはさらさらないのさ。

2015/09/07

Post #1616

Bhaktapur,Nepal 山羊座の俺にとってヤギは特別な存在
僕はいままで、君たちに出来うる限り正直に、書けることはすべて書いてきたつもりだ。
けど、今回、それについてはなかなか書きがたいものがある。

相手のある話だし、自分でも信じられないような話だし、なによりすごく長い話なんだ。
小説が書けそうに長い、長い話だ。書いたとしたら、全米が泣いたってことはないだろうけれど、ちょっとしたイイ話に仕上がるだろう。
けれどそれが、君たちにとってそんな大切な話だともい思えない。
そんな話に付き合ってもらうわけにはいかないだろう?

けれど、僕はとっくの昔に失くしたパズルのピースを、それもとても重要なピースを、手に入れたような気分なのさ。それはきっと僕だけじゃなくて、相手の人もそうだろう。
少年の頃、そのピースをつかみかけたけれど、それは指の隙間から零れ落ちてしまった。そんなピースがあることすら、故意に自分の記憶から消し去って生きてきた。
そしてとっても大事なピースが欠けたまま、心のどこかに満たされない思いを抱いたまま何十年が過ぎ去ったんだ。
その間に、いろんな経験をした。うれしいことも、悲しいこともあった。
そうしてやっと、そのピースの重さに耐えうるほどに、大人になったのさ。

僕らはすごく遠回りしたけれど、そのピースを手にすることができるくらいに大人になったということさ。

そう、僕らの人生の全てに意味があって、今につながっているって実感してるんだ。

それがどんなドラマチックな話だろうと、僕とその相手以外には、なんの意味も持たない話だから、ここに書く必要がないってことさ。

そう、僕と相手の胸のなかに、そっとしまっておこう。そのほうが美しい。

一つだけ言えることは、僕ほどドラマチックな人生を送っている男は、そうはいないってことさ。

読者諸君、失礼する。もう、自分の中の穴ぼこを埋める必要なんかない。もう、誰かに存在を認めてほしいと悩むこともない。先のことはわからない。けど、僕は幸せな男なのさ。