2013/01/15

Post #698 So Far, Far Away

Paris
昨日買ったと言ってた森山大道の『Tales Of Tono』は、実はもともと持っていた。うちのカミさんに無駄使いしやがってと、嫌味を言われたぜ。
初出は確か76年だかそれくらいだったと思うけど、何年か前に出た光文社文庫版を持っていたんだ。もちろんタイトルは『遠野物語』だ。そう、柳田國男の遠野物語の世界に魅せられた森山大道が、汽車に乗って遠野に行って、実際に行ってみるとそんな神秘的なところでもなく、ごくフツーの日本の田舎だったってんで、ちょっと自らの思い込みを軽く反省しながら写真を撮ってきたという写真集だ。
写真よさようならで、写真の極北まで行ってしまった森山大道は、次第に世間様から飽きられ、忘れられ始めていたという。自分自身でも写真に対してイマイチ手ごたえを感じられなかったと語っていた時期だったとか書いていたような記憶がある。出張中なので、その辺を厳密に精査することが出来なくて、申し訳ない。そんな中で徐々に写真に対する自信の揺らいできた頃に、かねてから気になっていた遠野に赴き、撮影されたものだったと記憶している。
今では、日本中どこに行っても見ることができないような土俗的な雰囲気の漂うドキュメンタリー的なスナップで構成された写真集だ。黒っぽい力強い写真が並んでいる。遠野撮影旅行の道行きと、遠野への思い入れを語った、写真集としては長い文章がついている。森山大道は、実に読書が好きな方で、文章もうまい。この写真集、俺は好きだよ。
今度の買ったのはその英語版。
出版社はTATEとある。
どっかで聞いたことがあると思えば、そう、ロンドンのTate Modernだ。テムズ川のほとりにそびえる、旧発電所を改装した現代美術館だ。何故、Tateから出ているのかといぶかっていたら、今朝の朝日新聞(俺は昔っから入試に出る朝日新聞だ。野球は中日ファンだが、中日新聞ではない。田舎くさいのだ。もちろん読売なんて、選択肢にも入ってこない。産経は右寄りだから却下。俺はリベラルなんだ)の文化欄に森山大道が載ってるじゃないか。しかも、その記事によればTate Modernで、森山大道とウィリアム・クラインの二人展がやっているとのことだ。
http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/exhibition/william-klein-daido-moriyama
Tate Modern/William Klein+Daido Moriyama Exhibition
行きてぇ!
もちろんロンドンは昔っから行きたかった。しかし、物価も高いし食いもんもマズイって評判だったので、未だに行ったことはないんだが、これは行きたい。しかし、今の俺にロンドンはあまりに遠い。暇も金もありゃしないぜ。しかも会期は今月20日までだぁ?冗談じゃないぜ。金があっても行けっこねぇだろう!
写真を通じて、ニューヨークと東京という二つの都市の生活を俯瞰する展示であり、またクラインと森山大道の写真の関係性にはじめて焦点を当てる展示であるとTateのサイトには書いてある。
そんな御託はイイんだ。
クラインと森山大道、俺の中では写真の両巨頭だ。リスペクトだ。最も好きな写真家二人だ。
ロックで言えば、そうだなThe WhoとSex Pistolsか?いや、マニアックすぎて誰も分からんか?これならどうだ、ポール・ウェラーとオアシスか?それでもダメ?じゃぁ、思いっきりくだけて、マドンナとレディーガガ?いやなんかずれた。まぁそんなこたぁいいわ。
とにかくこれはゼータクな写真展だよ。羨ましすぎるぜ。写美もそれくらいやってくれないもんかねぇ・・・。
しかし、やっと21世紀になって、プロヴォーク(高梨豊、森山大道、中平卓馬などが同人となって3号まで発行された同人誌だよ)に代表される、俺が生まれた頃の日本の写真ムーブメントが欧米で評価されてきたように思う。確かに欧米の写真とはかなり異質だ。写真の印象派というか、むしろ野獣派だったりするときもあるくらいだからな。アレ、ブレ、ボケ、フツーの写真の美意識常識をはるかに超越している。一歩間違えれば、そう、ヘタウマだ。まぁ、何はともあれ俺はそのあたりを私淑するものとしてうれしいよ。
ちなみに、クラインの傑作、『New York』は、1956年だったっけ、にパりで出版されている。そして長いこと、アメリカでは受け入れられてなかったな。今からすると信じられない話だけど。まぁ、もっとかっちりした写真がアメリカ人は好きだったのかもしれないな。アンセル・アダムスとかね。だからだろうか、クラインはそれからほとんどずっとパリに住んでるんじゃなかったっけ?

見に行きたいもんだな、この展示。まぁ、ロンドンに行ったら行ったで、写真撮りまくってくるんだろうけどね。
読者諸君、失礼する。ロンドンは遠い。懐に北極振動並みの寒波が押し寄せている俺には、とても遠いったらないぜ。

2013/01/14

Post #697 Dickson Road,Singapore

Singapore
昨日、また写真集を買ってしまった。荒木経惟『愛の劇場』、森山大道『Tales Of TONO』の2冊。森山大道の方は、サイン入り。つい買ってしまうわな。
読者諸君、失礼する。

2013/01/13

Post #696 A Crossing Once More

Singapore
今日はこれだけ、今から美術館にクリムトを見に行くんだよ。グスタフ・クリムトだよ。きっとおばはんがいっぱいで、押し合いへし合いなんだろうな。
ああいうところは、平日に見に行くに限るぜ。
読者諸君、失礼する。