2013/01/21
2013/01/20
Post #703 Man,Woman and chair
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| Singapole |
いろいろと溜まっている事務仕事を片付けたいもんだが、ココは自分の家じゃない。ビジネスホテルだ。10時から15時の間には、ベッドメーキングやら掃除やらで落ち着かないだろう。
俺は、ホテルを出て、すぐそばの港に行き、水上バスに乗って海の散歩を楽しんできたのさ。
清水~日出町までおよそ20分、250円。乗客は俺だけ。貸切だ。素晴らしい。
遠くに富士山が見える。三保の松原と思しきものも見えるではないか。この手の風景は、非常に強い磁力を持っている。俺はその磁力に逆らって、そういった風景を極力撮らないように心掛けているんだ。
しかし、天気もいいし、風もない。最高だ。俺は、飛行機も好きだが、船も大好きなんだ。しかも250円で貸切クルージングとは!君も一緒ならよかったのに、残念だよ、残念きわまる。
インダストリアルな工場や、フォトジェニックな造船所のクレーンなんかを俺はビシバシと撮りまくった。
そして、船を降りた俺は、ちびまる子ちゃんでおなじみの巴川沿いに歩き続け、写真を撮り続けた。
こうして、みしらぬ街が、身体に刻み込まれてゆく。
ずっと歩いていると、指先が冷えてきて、もう8年ほど前に、丸鋸で切り落しかけた左手の人差し指の先が、痺れてくる。構うものか。右手の人差し指じゃないんだ。シャッターを切るのには不自由しないぜ。いや、大昔のドイツのカメラ、イハーゲーのエキザクタはシャッターが左だったよなぁ。アレは確か家に一台あったはずだが、残念なことに俺向きじゃないってことだな。
しかし、この旅先の町の人々はどうなってるんだ?俺みたいなカッコいい中年男が歩いていても、声もかけてこないなんて。俺はさみしく、かつ退屈してるんだぜ。誰か、俺に声を掛けてくれないモノかねぇ、孤独なんてつまらないものだぜ。とはいえ、おまわりに声を掛けられ、職質喰らうのはゴメン蒙るけどね。
読者諸君、俺は退屈してるんだ。あんまり退屈だと、人恋しさのあまり、その気もないのにキャバクラなんかに繰り出して、要らん金を使ってしまいそうで、ハラハラしてるんだ。頭の弱い小娘相手に、酒を呑むなんて、この年になると虚しいの一言なんだ。この寒いのに、ビールなんか飲んで、痛風発作を起こすってのも笑えないオチさ。あぁ、大人しく溜まってる仕事を片付けるとするか。
失礼する。
2013/01/19
Post #702 Wires and Wired
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| VietNam |
で、その水色のケーブルを見ながら、ぼんやり考えたのさ。
日本の景気回復のために、行政は電線地中化というのをよくやっている。
ヨーロッパなんか行くと、街の景観を守るために、たいてい電線は地下に埋められていて、職人さんはまず、敷石を剥がして、穴掘りから始めている。御苦労なこった。
しかし、日本の空は、電線がないと、物足りない。
アジアじゃ、町の美観なんてこと考えずに、ガンガン電線をひきまわしている。
極東アジアの日本の町の景観の重要にして欠かすべからざるポイントだ。俺はそう思っている。
電線地中化工事の終わった後の、スカスカした景色を見ると、そこからは人間の営みの痕跡がかき消されてしまったように味気なく感じる。
ヨーロッパは石造りの建物に刻まれた歳月の重みが、人間の営みを感じさせるけれど、ニッポンの新建材とガラスで出来た清潔で安っぽい建物から電線を消し去ると、なんだか現実感というか生活感が失われ、風景そのものが舞台の書割のように感じられる。
いや、俺だけだろうか。
駅前から電線を消し去り、喫煙者を締め出し、明るく清潔なだけで深みの無い街が増えているように俺には思えるんだ。どうだろう、君の街はどうだい。
薄暗い小路に時代遅れの小さな飲み屋が並んだような、生活感が腋臭のように匂い立つ横丁はは残っているかい?
駅前の電線に、夕暮れ時に集まり、ネオンに惑っていつまでも鳴きやまない雀の群れはいるかい?
薄暗い高架脇の電柱に、痴漢に注意の看板が張り付けられているかい?
どこの駅前も、同じようなロータリー、同じようなチェーン店の居酒屋、そしてマクドナルド。
退屈しちまうぜ。
俺が写真に撮りたいのは、人間の気配がムンムン漂う景色。それはいつかはなくなってしまうような景色だ。俺は清潔なだけで人間臭さの無い街は物足りないのさ。
少なくとも、写真を撮るとき、電線がないと少し物足りないってものさ。
読者諸君、失礼する。よい週末の夜を過ごしてくれ。俺は今夜もビジネスホテルで一人さ。退屈だよ、まったく。
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