2013/04/03

Post #772 ひと仕事終わったのに、メランコリー

Paris
周囲に気ばかり使っていて、優柔不断でなおかつ段取りの悪い人と仕事をすると、気が滅入る。至ってマジメな人なんだが、マジメなだけでは、いいように振り回されて疲れ切ってしまうぜ。
清志郎もうたっていた、『不真面目にいこう、適当でイイ!』ってね。まったくだ。
追加で何か頼んでも、タダでやってもらえると思ってるような厚かましいクライアントにも、気が滅入る。飯屋でそんなことをしたら、直ぐに警察を呼ばれちまうぜ。俺の経験では、人間はタダでは指一本たりとも動かさないものさ。それがビジネスってものだ。当たり前だろう?
あぁ、気が滅入るぜ。思いっきりシャウトしたいぜ。
面倒事からは逃げるに限るが、それをやっちまったら、俺の稼業は商売あがったりだ。
ココは一つぐっとこらえて、我慢しておくべきだろう。これでも一応、大人なんだから、仕方ないぜ。
家に帰っても、今はカミさん出張中につき、独りなので、いつまでもそんな気分が抜けず、嫌なもんだ。
気分転換に女の子とご飯でも食べに行ったりしたいもんだが、生憎というか残念というか、痛恨というか、そんな知り合いもいないし、キャバクラなんかに行って酒を飲んでも、あんまりアホな小娘ばかりなんで、かえって気が滅入るってもんだ。俺は頭の回転が速くって、ユーモアの解る女が好きなのさ。

あぁ、こんな繊細で年食った猛獣のようなおじさんとご飯を食べに行きたいような人がいたら、ぜひ連絡してくれ。
約束しよう。万障繰り合わせて、ご相伴にあずからせてもらうぜ。

しかしですなぁ、いつも思うけど、あのキャバクラってのは、どうして金を払って、自分の半分くらいの歳の小娘に、話を合わせてやって、気を遣ってやらなけりゃならないんだ?冗談じゃないぜ、まったく。俺はそんなのは、もうとっくに卒業だ。
蛇足ながら、俺の弟は、キャバクラに行っても、車だからって烏龍茶しか飲まないそうだ。それって楽しいのかなぁ?あんな連中の相手なんて、素面じゃとてもやってられないぜ。
そういや、最近は熟女キャバクラなんてのもあるようだな。気を遣わなくてもイイのかもしれないぜ。一度試してみるか?

いやいや、問題はそこじゃない。

俺の気を滅入らせるような奴が、そこいらにうようよしてるってことだ。
しかし、世間にはそんな手合いが多いので、耐性を身に着けるか、樵(きこりと読むのだよ)にでもなって、ひっそりとした山のなかで、花粉ではちきれそうになってる杉の木でも、伐って伐って伐りまくるってのも、イイかもしれないな。君を悩ます花粉症も、少しは良くなるかもしれないぜ。ちなみに杉ばかり植わってる山には、動物は少ない。餌になる木の実が生らないから、動物が住み着かないのだ。サミシーことだ。
ふと気が付くと、こんな寝言を、眠りもしないで、こんな夜更けに書いているのもどうかだ。
すぐに次の現場が始まるんだ。テンションを上げていかなけりゃな。そのためにはまず、十分な睡眠だ。

こうしちゃいられない。読者諸君、失礼する。
それに明日は、今日まで手掛けてきた現場がオープンだから、朝からスーツで顔を出さなけりゃならないんだ。面倒なこった。
まぁ、ご存じのとおり、スーツを着ててもなんだか堅気には見えない俺なんだけどね。

2013/04/02

Post #771 Tokyo Lucky Hole Again!!

ARAKI TOKYO LUCKY HOLE,Published by TASCHEN

世界を股にぶっ掛けて、ついに俺の手元に本が届いた。
ニッポンが世界に誇る偉大な写真家、荒木経惟の『TOKYO LUCKY HOLE』だ。
この本の日本版に関しては既にご紹介している(http://fragment-sparks.blogspot.jp/2013/02/post-719-tokyo-lucky-hole.html)ので、熱心な読者の方は、またおんなじ本を買ったんか君は、アホじゃないの?そういうのを金をドブに捨てるというんだぜと、お嘆きのことだろう。
放っておいて欲しいぜ、俺の金だ、どう使おうと俺のカミさん以外に迷惑をかけるこたぁ、無いはずだ。だってほしかったんだもん、しょうがないじゃん。
CDだって、リマスタリングされて、音質は向上、なおかつ未発表のボーナストラックがついてたら、欲しくなるのが人情でしょう?こういうのは、まぁそうしたもんですよ。
それ以上に、700ページという、ちょっとした辞書くらいのヴォリュームになっているんで、迷わずクリックして買ってしまったのだ。
大いにマン足だ。
まず、日本版は判型も一回り小さく、いわゆるペーパーバックのようなざらっとした紙に印刷されていたんだが、このドイツ版はちゃんと上質紙だ。こうしてみると、上質紙ってのはツルツルしていて、俺の愛用しているRCペーパー(印画紙だよ)を思わせて、ヌメッとした写真的な質感があってよろしい。やはり、写真とお肌にはうるおいが必要だ。
それに何と言っても、日本版は20年くらい前に出版された初版だったから、紙の焼けが結構ありましたんでね。
Kabukicho,Tokyo
さて、このドイツ版は単に日本版をドイツで出版したという訳ではなく、まったく新たに編集しなおしているので、ちょっと芸術的にまとまっているような印象も受ける。というのは、日本版のほうは、伝説の写真雑誌『写真時代』の連載を、順番に並べていったような形式になっているのに対して、ドイツ版は一冊の写真集という、全体として構成された形に編集されているからだ。
具体的には、同時期に撮影されたと思しき、毎度おなじみのラブホヌード撮影が巻頭におかれて、読者をアラーキーによって開かれるおマタならぬエロチックな世界に誘う。そうしてどこをめくっても良識ある方々なら、目を背けたくなるような酒池肉林、阿鼻叫喚、狂喜乱舞のどんちゃん騒ぎの合間合間に、東京の風景写真が箸休めのように配置されており、一時の性の快楽にふける人々を、客観視するかのような、クールな視点を与えている。
まぁ、言うならばヨーロッパ人的なセンスでリミックスされているってことだろう。なにしろ、俺達日本人にとっては、その時代は、すでに過去のこととはいえ、自分自身の経験した出来事であるのに対して、ヨーロッパの皆さんからすれば、はるか極東の異民族の狂乱の一時代に過ぎないのだから、客観的な視点が設けられていても、驚くには値しない。
だからと言って、そのヴォルテージが減衰しているわけではなく、当然ドイツ編集なので、日本版のように、にっこりほほ笑む聖子ちゃんカット(若い読者には分からないだろうから言っておくと、当時絶大な人気を誇っていた松田聖子によって流行した髪型だ。俺の高校生の頃は、女の子はみんなそんな髪型であった。あぁ、既に30光年ほど離れている世界の話しだ。)の風俗嬢の股間は、ばっちりノーカットで、丸見えだ。丸見え過ぎて、当分焼肉は食いたくないってカンジだ。
で、そういう乱痴気騒ぎ(その中には、当然アラーキー自身も黒メガネでニタニタゲラゲラ笑ったり、すましたような顔をして写り込んでいる。)の合間合間に挟み込まれた、アラーキー独特の何とも言えない、少し侘しいような風景写真によって、性=生の儚さと、儚いがゆえの迸るような激しさが強調されているようにも思える。
その風景の中には、荒木の生家にほど近い浄閑寺の無縁墓地も含まれている。しかも2カットも。
この場所がどんなものか知らなければ、何故こんな墓の写真が置かれているのか、唐突な印象を持つことだろう。この墓地は、江戸時代、身寄りのない遊女=風俗嬢の死骸を葬った場所だ。アラーキーの本には、時折登場する。これが、新宿や渋谷の風景写真とともにおさめられているのは、意味深長だ。エロスの奥の細道が、タナトスにつながっているように感じられるぜ。しかし、それってヨーロッパ人にはまったく分かんないと思うんだけどな。何のキャプションもついてないし・・・。
とはいえ、こうした編集意図によって、より一冊の写真集としてまとまったものになってるように思う。ゲージュツっぽい雰囲気すら漂ってくるぜ。
また、日本版では割愛されていたようなカットも、ふんだんに取り込まれている。これはウレシイ。
100キロは超えていそうな肥満体の3人の女王様のカットなんか、てんこ盛りに増えている。別にデブ専ではないが、こういうリミックスは、かなり嬉しい。この3人のデブ女王様(もちろんSMの女王様だ)は、アラーキーの傑作選には、必ず出てくるわけだが、そのものすごいインパクトが質量ともにUPという感じだ。
さらには、英語、ドイツ語、フランス語の三か国語で、当時アラーキーとコンビを組んで写真時代を担っていた名編集者、末井昭氏による解説が記されている。日本版からの忠実な翻訳だ。これで、3か国語のお勉強にも役立つというおまけつきだ。
しかし、いくつか残念なこともある。
日本版で、末井昭氏によって付されていたと思しきユーモラスなキャプションは、一切割愛されている。あれはあれでけっこうクスリと笑わせてくれたのに。
また、日本版のラストを飾っていた印象深い包茎手術のシリーズは、そっくりカットされている。残念だ。残念きわまる。
しかし、まぁ随分と(オーダーしてから3週間)マタされた貝じゃない、甲斐があった写真集だってのは、間違いない。お値段およそ、15ドル。送料10ドル。
タッシェンホンコンと書いていながら、何故かオフィスはシンガポールであった。運送会社はスウェーデンポスト。不思議な組み合わせだったが、何とか手元に届いた。こいつがいったい世界のどこを経巡ってきたのか、とても気になるもんだ。
それはそうと、アベノミクスとやらのおかげで、マカを呑むようになったおじさんみたいに、日本の景気が良くなって、うっかり万一バブルがきちゃったりしても、すっかり去勢されたような草食系の若者と、過重労働でフラフラになったおじさんばかりのこの日本には、こんな毎日がどんちゃん騒ぎみたいな時代は、二度とは来ないだろうな。
なんてったって、すぐにセクハラだとかパワハラだとかって大騒ぎだからな。風俗だって、ひっそりとしたデリヘルばかりが大流行だ。まったく日本人も繊細になったものさ。その意味でも、この写真集は貴重な記録だと思うよ。

読者諸君、失礼する。そろそろ眠らせてもらうとするぜ。 

2013/04/01

Post #770 April Fool

HomeTown
エイプリルフールとはいえ、うちのカミさんは例によってまたまた上海に出張中ってことで、人畜無害な嘘をつくような相手もいない。
退屈なもんだ。
人畜無害なウソってのは、とびきりのジョークみたいなもんで、面白いんだけど、独りで笑っていても、薄気味悪いだけだからな。
読者諸君、失礼する。