2015/08/24

Post #1602

Bremen,Germany
ここんところ、とても眠たい。
流石に疲れがたまっているんだろうな。マカが欲しいとは思わないけれどね。
気が付くと眠ってしまっているんだ。
夜中にふっと目を覚ましてみると、ベッドのしたに先日買ったばかりのコンタックスⅡが転がっていたりするんで、目が飛び出しそうになる。
空シャッターを切ったりして、もてあそびながら、眠りこけてしまったんだろう。
ヤバいな。一度も使ってないうちにぶっ壊れるなんて、ちょっと切ないぞ。
レンズはついていないんでいいけれど、距離計の中のガラスユニットが割れてしまったら、ピント合わせが出来なくなってしまうじゃないか!
まぁ、どうせ俺のことだから目測でしょうけどね。

つまり、F8とかに絞っておいて、焦点距離は5メートルくらいにしておけば、3メートルから10メートルくらいはピントがあってくる。そうすれば、あとはシャッターを切っていくだけだ。あ、日陰に入ったら、シャッタースピードを遅くすることを忘れずに。

早くこのカメラを使って、街撮りしたいなぁ・・・。


読者諸君、失礼する。今日も朝早い俺なのさ。やれやれ。

2015/08/23

Post #1601

Kathmandu,Nepal
月が綺麗なので、ウィークリーマンションの向かいの公園で、月を眺めていた。
シャワーを浴びて洗ったばかりの髪を、優しい風が撫でるように揺らしていく。
築地は隅田川からの風が吹くのさ。
月を眺めながら、逢いたくてもなかなか逢えないあの人この人を想うのさ。
切ない気分になってくるもんだ。

そんな感傷に浸っているうちに、すっかり月は雲に隠されてしまった。
仕方ない。俺は愛用の下駄(こいつは歯がないから『右近』というらしい)をカランコロン言わせながら歩いていると、聖路加病院のほうから、スタイルのイイ素敵な女性が、歩いてきた。派手すぎないがセンスのイイブラウスに、スキニーパンツのイイ女だ。
街を歩けば、イイ女なんてのは、このご時世ごろごろいるが、袖も触れ合わないのは他生の縁すらないんだろう。俺には関係ないってことだ。
しかし、この女性の足元を見て、俺は腰が抜けそうになった。
普通なら、ハイヒールのサンダルかなんかを履いてそうなスタイルなのに、彼女が履いていたのは下駄、しかも一本歯の下駄だったのだ!そう、天狗が履いてるあの下駄だ。
世の中、俺の予想を超えることがおこるものだ。

彼女の姿を見て、さすがの俺も思わず、『負けた!』と呻いてしまったぜ。
そう、名古屋のファンキーガッツマン№1のこの俺がだ!

それに気づいた彼女がこちらをちらりと見たので、俺はすかさず『一本歯とはいかしてますね!負けました』といって話しかけた。
彼女も俺が鬼太郎みたいにカランコロン言わせて歩いているので、下駄を履いてると気が付いていたようで、『いえいえ、そちらもなかなかイイ音してますよ』と言ってくれた。
彼女の話では、彼女は腰椎を悪くして、どの医者も回復の見込みがないと言っているのが癪で履き始めたのだという。どうやら、一本歯の下駄は腰痛にイイみたいだな。確かにバランス感覚を養いつつ、体幹が鍛えられるようだしな。

負けん気の強い俺は感心しつつもちょっと悔しいので、『この下駄だって、素敵なんですよ、ほら』って、履いている下駄を脱いで見せてみた。
俺の下駄は脱いで左右を揃えると、虚空に吠える虎の姿があしらわれている。近所の履物屋で5,000円で買ったんだけどな。ちなみに、般若の面というぶっとんだ意匠もあったが、それじゃさすがに昭和のヤクザみたいなんで、虎にしたんだ。

彼女は、それを見て、『ほんと、素敵ですね』って感心してくれたんだけど、ついでに俺の足を見て、『下駄を履いているだけあって、足が綺麗ですね』って変なところを誉めてくれたよ。

俺はそこですかさず、こう切り返したのさ。
『心はもっと綺麗です!』
ダッハッハ、これは本当の話だぜ。

読者諸君、失礼する。少なくとも、行きつけの中華料理屋、築地駅前の寿楽の帰り道、公園で酒盛りしてひっくり返って眠っているサラリーマンの親父よりかは、よっぽど綺麗な心を持ってるつもりさ。

2015/08/22

Post #1600

Hamburg,Germany
昨日、朝の四時から現場に乗り込み、大声で現場の男たちを叱咤激励しつづけ、職方同士の利害と意地とのもつれた糸を解きほぐし、或いはまた一刀両断、仕事を終えたときにはフラフラだったぜ。
おかげですっかり寝落ちしてこんな時間に書いている。今、深夜3時。

夜中の公園に行って煙草を吸う。止めたはずの煙草だが、あまりのストレスにまたぞろ復活してきているのさ。
すると、銀座の夜の女だろうか、若くてスゲーいい女がやってきて煙草を吸っていやがる。
俺は気の無いそぶりをするが、5メートル離れても鼻先に押し付けられるような香水の香りが、否が応でも感じられて、『畜生、そんなに自分を主張したいのかよ』って内心イラつくのさ。
見たくないものは目を閉じればすむ。聞きたくないものは耳をふさげばいい。けど、匂いはねぇ・・・。鼻つまむのも格好悪いというか頓馬だしね。相手がイイ女だと、尚更自分の頓馬さが引き立つというものさ。
俺は鼻がきくたちで、しかも匂いが空間的な拡がりとして感じられるので、いつも道ですれ違った人間の軌跡を感じるくらいなんだ。そう、それぞれのニンゲンの匂いが、空気の中に帯のように残っているのさ。だから、あんまりキツイ香水の香りは、暴力的に感じられるんで、好きじゃないんだ。若くて色気むんむんで、きれいな女だからって、どんなおじさんもくらくらすると思ったら大間違いだ。

久々にカメラを買ってしまった。


こいつだ。そう、ツァイス・イコンの名機、ContaxⅡだ。

まさにガレージのシャッターの様な金属製縦走りのシャッター。
とんでもなく長い基線長はピント精度の高さを雄弁に物語っている。
80年たっても輝きを失わない金属の光沢。
低速シャッターを切ったときに働く低速ガバナーがたてるネズミの鳴くような音。
ごつごつと男っぽい多角形のフォルム。
ライカだけがレンジ・ファインダーカメラだと思っていたら、大間違いだ。
なにしろ、こいつはあのロバート・キャパがアメリカ軍のノルマンディー上陸作戦に同行し、恐怖に震える手で写真を撮ったカメラなんだ。男のロマンが加速するんだ。なにしろ俺の人生はいつだって、ノルマンディー上陸作戦の様なものさ。

現場のすぐそばの中古カメラやのウィンドウにひっそりとたたずんでいたのさ。
流石は銀座だ。誘惑が多い。きれいなおねーさんだけが男を惑わすんじゃないんだぜ。キレ―なお姉さんには目もくれず、迷わずこいつに惚れ込んだのさ。

レンズはない。しかし、家に使えるものがある。問題ないぜ。
35ミリか21ミリのレンズをつけて、ピントは3~5メートルで固定焦点、シャッタースピードは適当に、ノーファインダーでつむじ風のように世界と切り結んでいくのさ。
なにしろ税込32,400円という嬉しい価格だ。経費でおとして買ったのは税務署さんには内緒だぜ。こいつは1936年発表の素晴らしいカメラだ。カメラだって、最新のものがイイと飛びつく奴ばかりだと思ったら大間違いだ。
ずっと探し求めていた。けれどどうしてもめぐり合うことができなかった。
それが、こんな激戦の真っただ中に見つけることがっできるなんてね。

まるで、ずっと心に思ってきた初恋の女性に巡り合い、その女性と結ばれたような気分だ。
これからこいつと一緒に、いろんな経験をするのさ。

読者諸君、失礼する。今日も朝早いのさ。