2012/05/16

Post #535 アフリカに井戸を掘る

最近、UNHCRに寄付をすることにした。君はUNHCRというのを知っているかい?日本語では国連難民高等弁務官事務所というお堅い名称だ。なに、知らないのかい?なら覚えておいておくれ。
君たちの中には、かつてこの国連機関の代表を日本の緒方貞子さんが勤めていたことを知っている人もいるだろう。
名古屋の街角で、このUNHCRの下部組織、国連UNHCR協会のスタッフの若者が募金の募集活動をしていた。何度か顔を合わせて話をするうちに、微力ながら月々寄付することにしたんだ。
月額千円。
タバコを買って、昼飯を喰ったらこの日本では千円なんて、すぐになくなってしまう。そう、微々たる金額だ。しかし、これを2年続けると、アフリカの難民キャンプに井戸が一つ掘れるんだそうだ。俺はそれを何度も考えて、世間様から偽善者と言われるんじゃないかとびくびくしながら、毎月少額ながら寄付をすることにした。
Fes,Morocco
井戸が一つ掘れるとどうなるのか?
災害や紛争などで、国を追われ難民キャンプで暮らしている人々は、世界中にうんざりするほどいる。セバスチャンサルガドの写真集を見てみるのも参考になるだろう。多くは劣悪な環境で、いつ帰ることができるかも分からない状況で暮らしている。水道施設などないテント村に、何万人もの人々が、不安を抱え、生命の危機に脅かされながら生きている。もちろん、仮設住宅なんて結構なものは無い。粗末なテント暮らしだ。女性や子供たちは、生きてゆくために、毎日何キロも歩いて水を汲みに行かなければならない。大変なものだ。食料だってまったく不足している。もちろん、教育を受ける余裕もない。
井戸が一つ掘れると、子供たちは水を汲みに何キロも歩かなくても済むため、この時間に勉強することができる。それはイイことだ。機械掘りではなく、現地の男たちが手掘りで井戸を掘削するため、仕事の無い難民の皆さんに、些少ながら現金収入が生まれる。それは結構なことだ。もちろん、そこにはパチンコ屋なんてないからな、彼らがその金でギャンブルしたりすることもない。そして何より、人間は水失くして生きていくことはできない。多くの命が助かるんだ。素晴らしいことだ。
ほかにも、1000円で毛布2枚、3000円で難民の子供たちが勉強するための教科書10人分、15000円で一家族が何とか生活することができるテント一張、30000円で100人の避難民に一日の食事(もちろん最低限のものだろうけど)を送ることができるそうだ。(UNHCRのHPより)
俺達は生まれてくる場所を選ぶことはできない。そして俺達が、日本に生まれたのはただの偶然にすぎないんだ。
俺達には難民なんてカンケーないぜ、日本は日本で大変なんだってってのも分かる。けど、難民が発生しているのも、難民を受け入れているのも、この日本とは比べ物にならないくらい貧しい途上国だ。スーダン、マリ、ルワンダ、イラク、アフガニスタン、世界中に難民はごまんといる。UNHCRは、全世界で3400万人の難民の支援をしているんだそうだ。その多くが、劣悪な環境の中で、今日もギリギリの状態で命をつないでいる。
紛争だけで難民が生まれるのではなく、自然災害でも難民は生み出される。去年の震災の際には、この日本にもUNHCRは被災者の支援を行ってくれたそうだ。
黙っていれば、偽善者と言われることもないだろうけれど、俺は君たちにも、世の中にはそういう現実があることを知ってほしいと思っているんだ。ひょっとしたら、俺たちだって、貧しい国に生まれ、自然災害や紛争によって、住み慣れた土地を捨てて、他の国に逃げてゆかねばならない境遇に生まれていたかもしれないだろう?この世界は今や一つながりなんだ。俺達はいつだって、腹いっぱいで、食い過ぎで太った挙句にダイエットとか言って痩せようとしている。難民たちから見たら、俺たちの姿はどう見えるだろう?ほんの少しでも、俺はいつも、この世界に対して意義のあることがしたいと思ってたんだ。俺の稼いだ金で、アフリカに井戸が掘れたなら・・・。ちょっと誇らしい気持ちになるってものだ。なかなか悪くない。俺が今まで手掛けたどんな仕事よりも、はるかに意義深い気がするぜ。
もし君が、興味を持ったならUNHCRのHP http://www.unhcr.or.jp/html/info.html を覗いてみて欲しい。驚いたことに、Tポイントカードのポイントから寄付することだってできるらしい。
なぁに、軽い気持ちで構わないさ。どんな気持ちで寄付しようとも、活きた金になるんだからな。人の価値観は様々だけれど、今話題のコンプガチャで、無いものに金を費やすよりも、よりもよっぽどマシじゃないだろうか。
もちろん日本も、さまざまな問題を抱えている。震災に、原発に、沖縄の基地問題に、格差問題だ。政府の借金は一千兆円を超えている。けれど、いやだからこそ、もっと困っている世界の人々の事を、少しくらい気にかけてもいいんじゃないか?
いつか、この世界から民族や宗教などによる争いが無くなる日が来ることを、俺はいつも願っている。もっと言えば、戦争も国境もなくなる日が来ることを俺は祈ってる。しかし、祈ってるだけでは世界は良くはならない。神様が何も言わなくなってから、随分と長い年月が過ぎた。もっとましな世界にするために、月に千円くらい出したって、悪くはないだろう。なんてったって、俺はこんな日本の片隅にひっそり暮らしていても、コスモポリタン=世界人でいたいからね。
読者諸君、失礼する。今日は少し硬いテーマだったかなぁ。そんな日もあってもイイだろう?

2 件のコメント:

  1. 突然ですが、「アフリカ 井戸掘り」で検索したら偶然ぶち当たって拝見させて頂きました。
    写真、素敵ですね。
    私も写真を撮るのが好きですが、普通な感じで、こんなに印象強いものは撮れていません。。

    また時間のある時に色々拝見させて頂きたいと思います。

    私も、海外への寄付を時々しています。
    少しでも少しでも、誰かのためになることが
    私の存在理由だと思っています。

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  2. じゃっきーさん、ありがとうございます。
    いや写真と言えばカラーが当たり前の昨今ですから、こんなモノクロだと帰って印象深く見えるのかもしれません。
    さて、そんなにちょくちょく寄付をしたりするほど余裕の暮らしをしているわけではないので、お恥ずかしいのですが、軽い気持ちでもできるということが言いたかったわけで・・・。
    それと一つには、今現在支援が必要とされてる側から世界を見たら、どう見えるだろうという興味関心があります。出来ることなら、半年くらいアフリカあたりをぶらついたりしてみたいです。そうすると、なんか社会に対する見方がもう少し変わってくるのかもしれないなぁと、考えているんですが、難しいだろうなぁ・・・。ではまた、お会いしましょう。

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