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| Helsinki,Finland |
現に、毎日夜勤で働いてるので、生活はすれ違いだ。カミサンの顔を見るのは朝の5分、10分というありさまだ。
だからこそ、長いこと続いてるのかもしれないな。たいていの奴は、俺と三日も一緒にいれば疲れ切るかうんざりするだろうというんだ。俺のテンションが高すぎるんだとさ。
冗談じゃないぜ。疲れ切ってうんざりしきってるのは俺の方だってのに。
坂道を上るのにアクセルを踏むように、テンションを上げていかなけりゃ、人生の坂道は登っていけないだろう。力を抜いたら、まっさかさまに没落するのが自分でよくわかってるんだ。何しろ俺はダメ人間だからな。意志の力で乗り切っていかねばならぬのさ。
しかし、寄る年波だ。悲しいが肉体にはどんよりした疲労が残ってるぜ。整体に行くと、単なる筋肉痛だって言われるがな。
俺がそんな思いをして稼いだ金は、いったいどこに蒸発しちまってるんだ?
不思議ったらないぜ。
で、かみさんが言うには今度の4月、ヨーロッパに海外出張に行くんで、その行程に合わせて合わせて俺もヨーロッパを旅行するとイイっていうんだ。
働き過ぎだから、仕事から離れてゆっくりした方がイイっていうんだ。
そいつは結構だ。人生が仕事だけで終っちまったら、虚しすぎる。大賛成だ。今すぐにでもとんずらしたい。しかし、仕事を放り出していくわけにはいかないだろう。
その頃には、円安が落ち着いてるとありがたいけれどな。
スペイン、スウェーデン、デンマーク・・・。そのあたりを仕事で回るらしい。
日程的にスペインは難しいかもしれないけど、スウェーデンやデンマークなら何とかなるかもしれないな。
あそこらあたりは世界でもっとも福祉が行き届いており、高い幸福度を達成しているとされる地域だ。
しかし、それはそれでいろんな問題があるだろう。
当たり前だ。人間の生きるところ、問題はいつだって山積みなんだからな。
とりわけいまヨーロッパで問題になってるのは、やはり移民として取り込んだイスラム教徒を、どうやって社会に取り込んでいくかってことだろう。
不穏な事件も続いていることだしな。
で、カミサンが向うでじゃんじゃんバリバリバリ仕事してるあいだ、カメラを持って街をうろついて、その空気だけでも感じ取ってきたいものだ。
感じることが、世界を理解するためには必要なんだぜ。
そう考えれば、今回の話はいいタイミングだと俺には思える。
単なる思い込みだって?なぁにかまうもんか。
そう、いつだって意味を見出すのは、自分自身なのさ。
偶然を必然として受け取るのも、自分自身なのさ。
そうして、人生は転がり出すんだ。
読者諸君、失礼する。
春のヨーロッパか・・・。そいつぁいいな。マロニエは咲いているだろか?
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