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| タイ、アユッタヤー 有名な仏頭 |
閑話休題
以前、ある女性の案内で京都の車折神社を参拝したことがあった。
俺は若いころ宗教をやっていただけあって、正しい参拝の作法は心得ているつもりだ。
若いころは、儀式で神の名を呼べば、天から地から天神地祇が光の柱となって立ち上ることを見ることができた、ような気がする。
信じられないのならいつもの与太話だと思ってくれて構わないぜ。俺の真実は俺の中にある。けれど、神を祀るに、其処に存するが如く、座ますが如くに仕えることは当然だ。
ましてや、その存在が肌身に感じられるならば。
俺が摂社の社を参拝した後に、彼女は不思議なことを柔らかな京言葉で言った。
「なんやあんたのまわりに煙が見えると思ったら、白い竜の神さんが取り巻いてはったわ」
その女性は、見える人だったんだ。
俺が陋屋に斎き祀る尾張一宮の真清田の大神は、竜神とも伝えられる。この罪深い俺をも日々守り給うかとかたじけなくなった。もう何年も前の話だ。
その女性とは、縁が切れて久しい。
たまたまかつて1月17日にあった阪神淡路大震災で、親しい友人を亡くしたことを毎年忘れずにいた彼女を、今日ふと思い出した。思い出しては、もう会うこともないだろうその女性に幸多からんことを、心ひそかに思う俺だった。
罪業深重な俺の身にも、二度と生きて逢うこともなかろうその女性にも、真清田の大神のお導きがあらんことを乞い願い奉る。
今日は静かに失礼する。

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