2011/10/14

Post #335 雨の日はプリント

本日、久々にプリント。トルコはイスタンブルのアジア側の町、カドキョイでのスナップ20枚。

出来のほうは、うむ、今一つか。仕方ない。上手く行くときもあれば、今一つな時もある。とはいえ、やはり今一つでは気分も高揚しないもんだ。なかには、こりゃイイってのもあるにはあるんだけど・・・。ずいぶん前に、師匠から下された厳しい評価を思い出す。『印画紙の無駄』 実際に、たった20枚焼くのに、ずいぶんと印画紙を無駄にした。そう、失敗だ。
今更ながら、忙しさにかまけて前回プリントして以来、一月以上ブランクがあったことが悔やまれる。いくら忙しいとはいえ、1日2日くらいは引伸機にフィルムを突っ込むことくらいできたのではなかろーか。
しかしまぁイイ。済んだことだ。ぼやいても始まらない。この借りは明日返させてもらおうか。
つまり、明日もプリントするつもりなんだが、はてさて、どうなるものかな。
Paris
本当なら今日ももう少しプリントしておきたかった。しかし、客先から呼びつけられたりしたからな。これぐらいが精いっぱいだろう。こう見えても、結構小忙しい男なんだぜ。
しかし、そろそろ涼しくなってきたんで、現像液の温度が下がってきた。こうなると、現像液に印画紙をぶっこんだ時に、なかなか像が浮かんでこないんで、時間がかかってどうしようもないぜ。せっかちな俺にはまどろっこしいッたらありゃしないぜ。何より印画紙の水洗が難儀になってくると思うと、気が重いな。
Paris
とはいえ、来週からまた長期出張だからな、やれる時にやっておくか。明日も雨だって話だしね。
読者諸君、失礼するぜ。Have A Nice WeekEnd!

2011/10/13

Post #334 元祖肉眼レフの思い出

先日、フィルムの入っていない写真を使って写真を撮るふりをして、俺を犯罪者扱いするオマワリや、自意識過剰に肖像権を振りかざすバカ女どもをけむに巻いてやろうと考えていたと話しただろう?そう、『肉眼レフもしくは警察官に対するユーモラスな抵抗』という話しだ。あのときの肉眼レフってのは、俺の発明じゃないんだ。実はそれには元祖肉眼レフの先人がいた。俺がこうして書き記していなければ、その方は後世に残ることもないだろうから、忘れないうちに書いておこう。いや、決してネタが無いわけじゃないんだがね・・・。
もう10年近く前になるだろーか。夏の終わりの夕暮れ時、俺は行きつけの写真屋まで、ラボから帰ってきたフィルムを受け取りに行ったんだ、自転車に乗ってね。
道すがら、ベルトに着けたケースから愛用のコンタックスT3を取り出しては、どうということのない地方都市の路地裏をパチリパチリと撮っていた。薄汚れた看板や、猫が覗いているような家々の隙間なんかだ。ルートはいつも気まぐれだ。信号が赤なら、行ったことのない方向にぷいとまがってしまったりする。陽は気まぐれってことさ。
で、市民病院の横にあるグランドで、俺はそのお方に出会ったんだ。
それは頭にタオルを巻いたじいさんだった。白い肌着にステテコ、腹巻もしてたんじゃないだろうか。今となってはおいそれとお目にかかれないファッション・センスだ。トラッディショナルな爺さんスタイルだ。
しかし、それだけならどうちゅうこともないじいさんなんだが、その手にはしっかりと一眼レフが握られていた。そして、沈みゆく夕陽にカメラを向けたり、グランドでサッカーに興じる子供たちを撮っていた。こんななんでもない風景を切り取ろうとは、このジジイ、只者じゃないな。俺は直感したぜ。
HomeTown/元祖肉眼レフじいさん
俺は、そのおじいさんの放つ常人ならざるオーラに魅かれて、つい話しかけてしまった。
実は俺は、尋問のプロだ。初めて会った人からも、いろんなことを聴きだしてしまう才能がある。俺の前では、大方の人は、自分の出身や家族構成や血液型なんかをすぐに話してしまう。面白くなってしまう程だ。君たちも、俺に会った時にはよほど気を付けてかからないと、不用意にいろいろ話して後悔することになりかねんぜ。ふふふ・・・、君たちに会うのが楽しみだな。
俺は、このじいさんにちと興味があったんで、いろいろ聞いてみた。しかし、かなり昔の事なんで、細かいところは覚えてないんだな。残念。
じいさんが、夕陽を眺めながら、頭の中から言葉を拾い集め、不明瞭に発音していたところを解析すると、このじいさん、すぐ近くのお好み焼き屋の店主の父親らしい。一階が店舗で2階が住居。とはいえ何軒かの店舗が並ぶ長屋のような建物なので、どうにも家の中には居場所がないようだ。
なので、表に出て、趣味の写真を撮っているんだという。
しかし、俺はこの年金暮らしのじいさんが、やたらとシャッターをきっていることに、いささか違和感を覚えた。カメラは当然デジカメではない。フィルム代や現像代も、失礼ながらこのじいさんには決して安いものではないだろう。にもかかわらず、じいさん気の向くままにカメラを構え、老眼をモノともせず、ガンガン激写している。
おかしい。
自分で言うのもなんだが、一を聴いて十を知る、ただし2から9は抜けている俺の怜悧な脳みそが、フル回転していた。そうして導き出された答えは、そう、肉眼レフだ、これしかない!
俺はこのじいさんが自分の網膜をフィルムにして、脳裏にこの世の情景を、そう遠くないいつか、永久にオサラバしてしまうであろうこの世の情景を、写し取っているに違いないって思ったんだ。
そう思えば、夏の夕暮れの風景なんて、死んでいくときに、ふと脳裏によみがえらせるのにもってこいの哀愁が漂ってるんじゃないかな。西方浄土ってカンジもするしな。極楽往生間違いなしだ。
俺は、じいさんに決めポーズを撮ってもらい、同じ写真の修羅道を歩むフォロワーとして、じいさんのポートレートを撮らせてもらい、その場を後にした。いつまでも付き合ってると、写真屋が閉まってしまうからね。
あれから、ずいぶんな歳月が過ぎた。俺もすっかり中年だ。じいさん、今でも達者に肉眼レフで写真を撮っているだろうか。それとも、もうとっくにあっちの世界に行ってしまっただろうか。結構丈夫そうだったからな。ひょっとすると、今でもあのグランドの隅で、一眼レフを構えて、肉眼レフと洒落込んでいるかもしれないな。
ジジイになったら、そんな写真の楽しみ方も悪くないって、俺は常々思ってるんだ。
HomeTown/じいさんだけじゃ寂しいんでもう一丁!
読者諸君、今日は一日、来たるべき仕事の段取りで暮れてしまった。やらねばならない事とやるべき事と、やりたい事は必ずしも一致しない。その中で、うまいこと落としどころを探っていくのが、人生の醍醐味ってことだろう。明日こそは、そう、明日こそはプリントしたいもんだ。

2011/10/12

Post #333 仕事と称して暇潰し

今日は、東京へ日帰り出張だった。
朝も早くから新幹線に乗り、どこかのオヤジの身体から放たれる歯垢の腐ったような臭いを嗅ぎながら、俺は一路東に向かった。新幹線のシートには、日本中のオヤジの臭いが染みついている。日本のサラリーマンのルサンチマンが染み込んでいるのさ。思わず朝から不機嫌になるぜ。
しかしそんな思いまでして東京くんだりまで出かけてみても、今日の仕事は、次に始まる仕事の打ち合わせに過ぎんのだ。
こんなものは、仕事とは言わん。経費を使っただけだ。もちろん、その経費も自分自身の体を痛めつけるようにして稼いだ金なんだが・・・、複雑な気分だ。俺の仕事は机の上では進まんのだ。現場で実際にモノが形をとって、はじめて銭が生まれるんだ。だから、はるばる東京まで打ち合わせに行ったからって、仕事をしているような錯覚に陥ってはいけない。
そんなもん、言うたら、仕事と称して暇潰しだ。
Tokyo
暇潰しか・・・。
かつて写真家深瀬昌久は、どうして写真を撮るのかっていう質問に対して、『暇で退屈だからさ・・・。』と答えたという。
うむ、俺自身は人生たぁ、何十年の暇潰しだと確信しているので、仕事と称して暇潰しとは、言いえて妙だ。忙しい忙しいなどと言いながら、所詮は暇潰しをしているだけなんだ。ちなみに、俺のホームタウン名古屋には、ひつまぶしというのがある。いつもこれが暇潰しと音が似てるなと思っているんだが、そういうことばかり言っていると、歯糞の腐ったような臭いのオヤジと同列に扱われかねん。要注意だ。
Tokyo
さてと、来週からほぼ一か月の東京出張だ。毎日原宿で仕事をする羽目になっちまったんだ。もちろん、休みは無い。竹下通りの裏通りだ。周囲にはなぜか屈強な黒人のアンチャンが掃いて捨てるほどうろうろしている。こいつら、大阪のアメリカ村とかにもいっぱいいるけど、一体なにしに来てんだろう?細い路地をおしゃれなおねーさんが通り過ぎる。チョイとイカれたカンジの女が、いつまでもタバコを吸っている。なかなか雰囲気があるじゃないか。やれやれ、こんなところで一月も仕事かよ・・・。まったく・・・、また写真撮っちまうじゃないか。
今度は職質は無しだぜ。
読者諸君、仕事と称して原宿界隈で暇潰ししている俺を、もしも見かけたら声でもかけてくれ。
そんなクレージーデイズが始まる前に、本当の俺の暇潰し穀潰し、プリントでもしたいもんだ。気候もいいしな。何といっても芸術の秋さ。仕事と称して暇潰ししてるよりも、かなりクリエイティブだからな。
それじゃ、失礼する。