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| Denpasar,Bali,Indonesia |
来週から新しい現場が始まってしまうというのに。
痛恨だ。
雑事とは、父親に関する様々な問題だ。
実は昨日の朝も、当の親父と話し合っていたのだ。
俺の親父は、どうしようもないダニのような男で、そのくせ安物のメッキのようなプライドだけが高く、周囲の人間を拝み倒しては金を借り、まったく返す気もないという困った男だ。
そのくせ、自分が他人に何か貸しを作ると、自分の借りは棚に上げて、いつまでもあの時こうしてやっただろうと、恩着せがましく言い続ける。
血のつながりがなければ、とっくに殴り飛ばしていることだろう。
とにかく俺とは全く気性が違うのだ。
俺はさしずめ、トンビが鷹を生んだ類の男だろう。
俺は何度か煮え湯を飲まされたので、ここ20年ほどほとんど関わることなくやり過ごしてきた。
そして、そのツケが回ってきたのだ。
俺は今日一日、債権者の方と話し合っていたのだ。
俺も債権者の方も、俺の親父については、可能な限り資産を整理して、自己破産するしかないという共通認識を持っているのだが、いかんせん、当の本人が世の中を舐めているので、どうなることやらだ。
俺は、今日一日を、空費してしまったという悔恨の思いで、自らの写真を見つめる。
あぁ、バリ島の照りつける太陽が懐かしい。
むんと鼻にくる蒸せるようなにおいが懐かしい。
暗室の暗がりをほのかに照らす赤いライトが懐かしい。
つんと鼻にくる酢酸の臭いが懐かしい。
読者諸君、失礼する。俺は、俺の大切な時間を奪う奴が、大嫌いだ。
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