男は車が大好きだ。首都圏とは異なり、トヨタのおひざ元、日本のMOTOWN豊田市を擁する愛知県に住む俺やその仲間には、車は欠かせない。大概の男は車好きだ。俺も、ここ最近出張続きで、あまり車を運転していないので、フラストレーションが溜まりまくりだ。ひと仕事終えて、夜の国道を一人車を飛ばして家路をたどるのは、心地よいもんだ。もちろん、大音量でロックをかけるのは欠かせない。俺は音楽を聴くのは、車の中が最高だと思ってる。それはべつに変わったことじゃないぜ。俺がこよなくリスペクトする、The Whoのギタリスト、ピート・タウンゼントも、いつも新譜を聴くときには、高速道路で運転しながら聞くんだって話を、何かで読んだ覚えがある。
あぁ、ハンドルを握って、アクセルを踏み込みたいのさ。
俺がよく仕事仲間に飛ばすジョークのネタでこんなのがある。
仕事の合間に、どんな車に乗ってみたいかって話をするんだ。俺のまわりにいる奴らは、どいつもこいつもさほど金回りが良くないくせに、欲の皮の突っ張った奴らだからな、何だか名前を聴いただけでも高そうな車の名前が、次から次に出てくるのさ。
俺はいつも、そんなときはニコニコしながら奴らの夢と希望を聞いているのさ。夢は誰にだって見る権利があるんだからな。そうしていると、『で、スパークスさんは、どんな車に乗りたいんだい?』とか必ず振られるんだ。
俺は、しばらく考えて『うん、そうだな。いろいろ乗りたい車はあるけれど、やっぱり一番は霊柩車かな?それも上に神社みたいな屋根と鳳凰の飾りのついてるクラッシックなスタイルの奴さ。あれがサイコーだ。』と答えるのさ。大抵の奴らは、困惑して苦笑いする。まぁ、ブラックジョークだ。で、俺はここからラッシュをかける。せっっかくの持ちネタだ。徹底的に行くに決まってんだろう。
『あの、銅葺きの屋根をきらめかせながら、校則をブッ飛ばしたりしてみたいんだ。屋根についてる鳳凰が羽根をパタパタさせるような仕掛けがあればサイコーだ。手に入れたなら、ぜひそんなギミックを搭載したいもんだ。そんな車が後ろから追い上げてきたら、きっとみんな道を譲りたくなるんじゃないかな?』
どいつもこいつも、ありえねーだろって顔をしてるんだ。ふふふ、俺様ともあろう男が、人並みの野望で満足してなるものか。
『いや、よく考えてみてくれよ。あの車なら、運転していて眠くなったら、後ろに乗せてる棺桶の中でぐっすり快適に眠れるぜ。夏の暑い盛りには、胸元にドライアイスでもおいておくといいぜ。きっと涼しく眠れるはずさ。他にも、現場について道具を持ち込むときだってきっと便利だぜ、あの棺桶に道具を一式ぎっしり入れておいて、現場に着いたら棺桶ごとストレッチャーに乗せて、運んでいくんだ。白い布とかかけてあったら最高だな。マンガみたいでいかすだろう。』
そういえば昔、棺桶を引きづって歩いてる漫画の登場人物を見たような記憶があるぜ。この辺に来ると、どいつもこいつもあきれ顔だ。まぁ、致し方ない。所詮奴らは人並みな発送と欲望しか持てない連中だ。十把ひとからげだ。そんなことでは大衆にうずもれてしまう。冗談じゃないぜ。
『とはいえ、あれは特注で、一台一台手作りだからな。なかなか個人じゃ持てないだろうな。カーセンサーにものってなさそうだしな。まぁ、人生一度は乗ることにはなるんだらかな。その時を待つとするか・・・』まぁ、そうすっるってと、大抵みんな呆れて休憩終了となるわけだ。休憩ばかりじゃ仕事は終わらんのだ。
しかし、俺の希望は生きてるうちに霊柩車を転がすことなんだがな。何度か真剣に葬儀会社で働こうかとも検討したことがあるが、やめた。あまりにノリノリでファンキーな葬儀屋なんて、誰だって嫌だろう?人間には向き不向きがあるってことさ。
この写真は、親類の少年が16歳の若さで死んだ時のもの。これからっていう若者が、死んでしまうことの理不尽さに、腹が立って仕方なかった。しかし、不幸はそれだけではとどまらなかった。その後、その少年のご両親は離婚し、父親も痩せ衰えた末に、首をつって死んでしまった。葬儀には、別れた奥さんはもちろん、死んだ少年の弟や妹すら来なかった。人生は時に残酷だ。しかし、人生とはそういうもんだ、残念ながら。
あの車に乗って、俺達は一体どこに行けるというのだろうか?火葬場?そんな即物的な答えなんか聴きたくもないぜ。もっと誌的な、宇宙を感じるような、肉体という監獄から解き放たれるような、心躍るような答えが聞きたいもんだ。とはいえ、それがもしあんまり素晴らしいと、自殺者年間3万人じゃ利かなくなっちまうだろうがな。
読者諸君、失礼する。どうぞ皆さん、健康には気を付けて、日野原センセーのように長生きしてくれたまえ。
あぁ、ハンドルを握って、アクセルを踏み込みたいのさ。
俺がよく仕事仲間に飛ばすジョークのネタでこんなのがある。
仕事の合間に、どんな車に乗ってみたいかって話をするんだ。俺のまわりにいる奴らは、どいつもこいつもさほど金回りが良くないくせに、欲の皮の突っ張った奴らだからな、何だか名前を聴いただけでも高そうな車の名前が、次から次に出てくるのさ。
俺はいつも、そんなときはニコニコしながら奴らの夢と希望を聞いているのさ。夢は誰にだって見る権利があるんだからな。そうしていると、『で、スパークスさんは、どんな車に乗りたいんだい?』とか必ず振られるんだ。
俺は、しばらく考えて『うん、そうだな。いろいろ乗りたい車はあるけれど、やっぱり一番は霊柩車かな?それも上に神社みたいな屋根と鳳凰の飾りのついてるクラッシックなスタイルの奴さ。あれがサイコーだ。』と答えるのさ。大抵の奴らは、困惑して苦笑いする。まぁ、ブラックジョークだ。で、俺はここからラッシュをかける。せっっかくの持ちネタだ。徹底的に行くに決まってんだろう。
『あの、銅葺きの屋根をきらめかせながら、校則をブッ飛ばしたりしてみたいんだ。屋根についてる鳳凰が羽根をパタパタさせるような仕掛けがあればサイコーだ。手に入れたなら、ぜひそんなギミックを搭載したいもんだ。そんな車が後ろから追い上げてきたら、きっとみんな道を譲りたくなるんじゃないかな?』
どいつもこいつも、ありえねーだろって顔をしてるんだ。ふふふ、俺様ともあろう男が、人並みの野望で満足してなるものか。
『いや、よく考えてみてくれよ。あの車なら、運転していて眠くなったら、後ろに乗せてる棺桶の中でぐっすり快適に眠れるぜ。夏の暑い盛りには、胸元にドライアイスでもおいておくといいぜ。きっと涼しく眠れるはずさ。他にも、現場について道具を持ち込むときだってきっと便利だぜ、あの棺桶に道具を一式ぎっしり入れておいて、現場に着いたら棺桶ごとストレッチャーに乗せて、運んでいくんだ。白い布とかかけてあったら最高だな。マンガみたいでいかすだろう。』
そういえば昔、棺桶を引きづって歩いてる漫画の登場人物を見たような記憶があるぜ。この辺に来ると、どいつもこいつもあきれ顔だ。まぁ、致し方ない。所詮奴らは人並みな発送と欲望しか持てない連中だ。十把ひとからげだ。そんなことでは大衆にうずもれてしまう。冗談じゃないぜ。
『とはいえ、あれは特注で、一台一台手作りだからな。なかなか個人じゃ持てないだろうな。カーセンサーにものってなさそうだしな。まぁ、人生一度は乗ることにはなるんだらかな。その時を待つとするか・・・』まぁ、そうすっるってと、大抵みんな呆れて休憩終了となるわけだ。休憩ばかりじゃ仕事は終わらんのだ。
| 親類の葬儀にて |
この写真は、親類の少年が16歳の若さで死んだ時のもの。これからっていう若者が、死んでしまうことの理不尽さに、腹が立って仕方なかった。しかし、不幸はそれだけではとどまらなかった。その後、その少年のご両親は離婚し、父親も痩せ衰えた末に、首をつって死んでしまった。葬儀には、別れた奥さんはもちろん、死んだ少年の弟や妹すら来なかった。人生は時に残酷だ。しかし、人生とはそういうもんだ、残念ながら。
あの車に乗って、俺達は一体どこに行けるというのだろうか?火葬場?そんな即物的な答えなんか聴きたくもないぜ。もっと誌的な、宇宙を感じるような、肉体という監獄から解き放たれるような、心躍るような答えが聞きたいもんだ。とはいえ、それがもしあんまり素晴らしいと、自殺者年間3万人じゃ利かなくなっちまうだろうがな。
読者諸君、失礼する。どうぞ皆さん、健康には気を付けて、日野原センセーのように長生きしてくれたまえ。
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