2012/04/23

Post #513 久々に中古カメラ市に行ってみた

先日、名古屋の丸栄という百貨店で、恒例のように行われている中古カメラ市に足を運んでみた。雨も降っていたしな、出かけるのもおっくうだったんだが、車で行ってきたんだ。
中古カメラ市といっても、デジカメの中古ではない。デジカメは俺の中では、カメラというよりまぁ、家電に近い。古くなったデジカメには、何の価値もない。古くなっても欲しくなるのは、やはり金属製のカメラだ。もちろん今となっては一部の愛好家だけが使うフィルムカメラだ。
そう、俺の中ではカメラと言えば、何といってもフィルムだよ。
俺はかつては、この中古カメラ市のお客の中で、もっとも騒がしく、もっとも若手の部類だった。今じゃすっかり、おっさんになってしまったけどな。
愛好堂、松屋カメラ、ヒダカヤ、ハットリカメラ、FIX、安藤カメラ、どこもお馴染み顔見知り、一度や二度はカメラやレンズを買ったことのあるお店ばかりだ。しかし、かつて中高年のカメラオタク、カメラ収集家の熱気に満ち溢れていたこの中古カメラ市も、デジカメ全盛の昨今では、どこか物寂しい。クロームメッキの輝きも、黒塗りの艶も、なんとなく以前ほどには輝いていないような気がしてくるってもんだ。
うむ、これはイカン。こんなことではどこか斜陽産業の気配が漂ってしまう。モロッコの露店で、中古の入れ歯を売っていたオヤジのほうが、よほど威勢が良かったようにも感じるが、あれは単なるやけっぱちだったのかもしれないな。もっと賑やかにした方が良いだろう。ご成約ありがとうございます!とか言って鉦や太鼓を鳴らしてみたりするとかね。もっとも、カメラ屋のおじ様達は紳士なんで、そんな商店街の福引みたいな真似はしないだろうけどな。
並んでいるカメラも、無難なものが多い。かつて、稀にしか見ることのできなかった高嶺の花の珍獣、絶滅危惧種のような類は、すっかり影を潜めている。いまやフィルムカメラ愛好家は、守りに入って気商品を束為したりはしないのだろうか?そして、並んでいるカメラのお値段も、かつての半額くらいだ。これも時代の流れか。
馴染のお店の方々も、俺がしこしこと働いて白髪を増やしていた間に、少しづつ年を取っている。侘しさがこみ上げる。当然、かつて中高年だったお客も、同じように年老いている。なかには、年を取り過ぎて、写真を撮ることをやめてしまったという方も多いことだろう。時折、中古カメラ屋では、死んだおじいさんのカメラを引き取ってくれといって、とんでもない量のカメラが入荷することがある。要は、そういうことだ。年々サビシクもなるというものだ。
俺達は、何かを所有したと思っていても、それをどれほど大切にしていても、あの世にまでは持っていくことはできないからな。俺達がもっているモノは、何もかもこの世界から借りているにすぎないんだ。裸で生まれて裸で死んでいくのだ。
Marrakech,Morocco
このフィルムカメラの火を絶やさずに次世代に繋いでいくためには、若者の参入がどうしても必要だ。しかし、相も変わらず若者の姿は少ない。かつては俺も若手、それも最右翼の若手だったんだが・・・。若者たちも、レトロっぽい物珍しさに魅かれてフィルムカメラを使ってみたいという人もいるんだろうが、大方はロモやホルガで止まってしまう。もったいないことだ。ロモにしても、ホルガにしても、レンズも性能もイマイチどころかイマ百だ。それで、フィルムカメラだからこんなもんだって思ってしまうとしたら、まったく残念なことだ。
素晴らしいフィルムカメラは、まだまだたくさんあるというのに。若くて感性の柔軟な若者にこそ、こういった素晴らしいカメラを使って欲しい。今なら、かつては高くて手が出せなかったような高級機や銘玉が、意外なほど手ごろな価格で手に入る。ニコンやキャノン、オリンパス、レンズにこだわるならコンタックスもお勧めだ。ライカみたいなレンジファインダーも機動性が良いので、若者にはうってつけだぜ。もちろん、ライカ以外のレンジファインダーもより取り見取りだ。一時期に比べて、品数は多くはないがね。値段は充分にこなれている。今が底値だ。狙い目だ。
使い方がわからない?お店の人に訊いてみよう。なんなら俺でよければ教えてあげるぜ。
それに、あと、いつも思うんだけれど、フィルムカメラを買うってことは、単に写真、それも今ではマニアックな写真の世界の入り口に立っただけのことにしか過ぎないんだから、撮り方をレクチャーしていったり、時には現像やプリントのことなんかも教えていかないと、内気な若者たちは、その世界の奥まで踏み込んでこれないんじゃないのか?何といっても、今時の若者は、上げ膳下げ膳じゃないと仕事だってロクにやれないような奴らが多いからな。これもゆとり教育の弊害か?まいったなぁ。
で、俺が何か買ったのかって?残念ながら、今回も冷やかしだけさ。馴染の中古カメラ屋の皆さんにはまことに申し訳ないけれどね。俺も不要不急のものにポンと金が出せるほど、儲かっちゃいないんだ。
出来ることなら、そのうちコンタックスのⅡ型戦前モデルが欲しいんだがね、ほらノルマンディー上陸作戦の時に、ロバートキャパが使ってたあのカメラさ。70年以上たっても、クロームの軍艦部(カメラのトップカバーのダイヤルとか並んでる部分を、軍艦に見立ててこう言うのさ)はギラギラと輝いていることだろう。今回の中古カメラ市では、とんと見かけませんでしたねぇ、残念なことに。
もっとも、買ったとしても、今の俺はコンタックスT3で満足しきっているんで、ろくすっぽ使うこともありゃしないだろうけどね。けど、男のロマンって奴だよ。いつだって、そういってろくでもないものを買いあさってきた。それに付き合わされる方はたまったもんじゃないだろうけどね。

読者諸君、失礼する。フィルムカメラは風前の灯だ。しかし俺は、行けるところまでフィルムカメラにこだわり続けていくつもりさ。どこまで行けるのか、見せてやるぜ。お楽しみに。

2012/04/22

Post #512 まったく不思議なんだけれど

Marrakech,Morocco
休みの日になると体調が悪くなるのは、いったいどういうことだろう。不思議だ。

2012/04/21

Post #511 鳥の巣箱を作ってみたんだ

久々にゆったりできた一日だった。とはいえ、この後ちょいと仕事に出かけなけりゃならないんだが。
ここんとこ忙しくってろくすっぽ家の掃除もできなかったからな。あちこちに綿ホコリが溜まっていやがる。醤油をかけて食えそうな勢いだ。仕方ない。俺は掃除をした。掃除は結構好きだし得意だからな。
掃除をしていると、ベランダに枯草や松葉なんかがちょろちょろ落ちている。
どうやら、スズメだかなんかの小鳥が運んできたようだ。そういえば、以前にも郵便ポストの中にそんな材料がしこたま運び込まれ、鳥が巣を作っていたことがあったな。あのときは、郵便物が来ないと困るので、卵なんか生まれて落ち着かれる前に、不本意ながら撤去したっけ。他にも、ベランダで布団を干していると、布団と手すりの間のスペースに、せっせと枯草を運んでくるスズメもいた。
ふむ、面白い。鳥の巣箱なんか設けてみるのも、乙な休日の過ごし方だ。掃除が終わると、俺はホームセンターに行ってみたんだ。しかし、そんなけったいなもん、今時売ってないよな。昔は売ってたんだけど。今じゃ、ゲンゴロウが一匹980円で、アメリカザリガニが一匹1280円で売られているご時世だ。鳥の巣箱なんか流行らないぜ。どうなってるんだ、この国は。
そこで俺は、倉庫にある端材を有効活用して、自分で作ってみることにしたんだ。ベニヤ板もあれば、ビスも電動ドライバーもある。もちろん丸鋸だってある。俺はあっという間にテキトーにつくてみたんだ。これで日々の生活にまたひとつ楽しみが増えたッちゅうもんだ。
小さな蝶番があったんで、屋根が開閉できるようにしてみたんだ。こっそり、中を観察できるだろう。
楽しみだ。小鳥の声で目を覚ますなんて、素敵な生活じゃないか?
それはそうと、昨日の朝現場のそばの駐車場に車を停め、足早に現場に向かっていると、公園のフェンスの向こうに一匹の黒猫がいた。
俺は、猫を驚かさないようにそっとカバンから愛用のコンタックスを取り出し、ワンカット撮った。で、ペシペシと猫に声を掛けてみた。これはトルコ人が猫を呼ぶ時の言葉だ。日本なら、チッチッと舌を鳴らすだろうが、向こうではぺシペシってカンジなんだ。君もやってみるがいい。意外と猫は反応してくれるものさ。
Marrakech,Morocco  肉屋の前にいつもこの猫は座っていた
急いでいるはずなのに、猫とか見るとつい立ちどまってしまう。俺は、自由人っぽい猫が大好きだ。
すると背後から『猫はお好きですか?』と声を掛けられた。
『猫の嫌いなひとなんているんですか?』俺は思わず聞き返した。振り向くとひとりの女性が猫に餌をやりに来たところだった。
『猫を嫌いな方は、結構たくさんいらっしゃいます』それは驚きだ。
『その証拠に、生まれたばかりの子猫は人間を怖がりません』へー、そうなんだ。
彼女は、野良猫の世話をするNPOの人だった。俺が見ていたその猫も、彼女が避妊手術を受けさせたそうだ。世の中には、立派な人もいるものだ。俺は彼女に『お力になれずに申し訳ありませんが、頑張ってください』と言葉をかけ、再び現場に急いだ。黒猫のご飯を邪魔しちゃいけないってもんだ。
俺は、猫は車に轢かれさえしなければ、結構気儘でよさそうだと思っていたんだが、猫には猫でいろいろと難しいことがあるようだ。世の中、なかなかに難しいものだ。せめてみんな、猫をいじめるのはやめようじゃないか。猫が暮らしやすい街は、人間も暮らしやすい街だと思うんだけどな。
読者諸君、失礼する。そろそろ仕事に出かけないといけないのさ。