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| カトマンズ、ネパール |
毎日毎日、仕事の電話がかかってくる。やってもやってもきりがないぜ。俺もできることなら、とっとと十分な資産形成して、リタイアしたいもんだぜ。そう、FIREとかいうやつ?
最近偉く流行ってるみたいだけど、俺には無理だろうな。死ぬまで小商いを続けていくしかないのさ。まぁ、仕事してなかったら、部屋にこもって本を読み耽る毎日だろうが、カミさんに嫌がられるだろうよ。そうなると家に居場所なんてないしな。
FIREは確かに魅力的だ。
しかし、大幅な株式の相場の下落、あるいは円なりドルなりの価値変動が起こった場合、この人たちの生活っていうのはすぐに脅かされるんではないかと想像しちまうんだ。
いや、そんなこたぁ起きっこないと思うかもしれないが、資本主義の歴史はバブルとその崩壊の歴史だからね。
冷静に考えてみよう。株価の暴落や急激なインフレ(通貨価値の低下)が起きると、FIREつまり早期リタイアを達成した人たちの生活は瞬時に窮地に追い込まれることになるだろう。
彼らは「労働」という最強の防衛手段を手放し、100%「金融資産という虚構の価値」に依存して生きているため、マクロ経済の変動に対して最も脆弱な存在と言えるんじゃないか?
FIREの生活が崩壊する過程は、こんな風に想像できるな。
「4%ルール」の前提が崩れるリスク
FIREの多くは、資産をアメリカ株などで運用し、毎年4%ずつ取り崩せば資産は減らないという米国の理論(トリニティ・スタディ)を根拠にしているんだとさ。しかし、ここには大きな落とし穴があるんじゃないか?
収益率の順序リスク(シーケンス・オブ・リターン・リスク)
リタイアした直後の数年間に大暴落が来ると、目減りした資産からさらに生活費を取り崩さなければならなくなるだろう。
そうなっちまたらさぁ大変!資産の寿命が極端に縮まり、理論通りに運用が回らなくなって、数年で資産ショート、つまり破産する確率が跳ね上がるよな。
それだけじゃないぜ。為替とインフレのダブルパンチだ。
日本のFIRE達成者の多くは、米国株(ドル建て資産)を保有しているようだ。
今のトレンドでは予想もできないが、いつ円高・株安の同時進行に潮目が変わるかはわからない。そうなったとき、AI関連一択の米国株が暴落し、同時に為替が円高に振れると、円ベースの資産価値は一瞬で半減するだろう。
それに加えて激しい物価高(インフレ)だ。
円やドルの価値が下がり物価が上がると、想定していた生活費(例えば月20万円とかね)では暮らせなくなります。資産価値が減る一方で、取り崩す額を増やさなければならないという弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂状態に陥ることになるだろう。
そしてもう「ハブナッツ」に戻れない恐怖
最も致命的なのは、暴落に直面したときに、労働市場(ハブナッツの側)へすぐに戻れないマインドになっちゃってるところだ。
まずはスキルの陳腐化だ。
数年間労働を辞めていたのんびり暮らしていた人は、キャリアの空白(ブランク)があるため、以前と同じ条件で再就職することが困難になるだろう。俺なら心が折れるというか、億劫極まりないと思うぜ。
それに加えて買い手市場の不況だな。
そもそも株価が暴落している時期は社会全体が不況であるため、企業は採用を絞ってるだろう。そんな時に、リタイア崩れの人々が仕事を得るの何らかのコネがないと厳しいよな。
俺の結論はFIREは「平時限定」の危うい空中配線だってことさ。
FIREは、ここ十数年の「右肩上がりの株高」と「安定した物価」という極めて恵まれた経済環境(平時)が生み出した、一過性の流行に過ぎない側面があるだろう。もっとも、俺はいつだって自転車総業だけどな。会社の名前を自転車総業に変えようかと思うくらいにね。(笑)
労働という「価値を生み出すリアルな手段」を完全に捨ててしまう行為は、マクロ経済の地殻変動に対して無防備に身をさらすことなんだ。
おかげさんで最近では、完全に仕事を辞めるのではなく、週に数日だけ働いて生活費を稼ぎ、資産の暴落に備える「サイドFIRE」や「バリスタFIRE」を選ぶ人が増えているのも、この脆弱性に気づき始めたからだと言えるだろう。まぁ、あれだ。宝くじに当たったからといって仕事を辞めた奴がたいてい碌なことにならないのと同じことだ。
さて、絶好調な米国株と言ってもそのほとんどは、AI 関連株とレバレッジやデリバティブを多用した金融取引、つまりはマネーゲームに依存しているのが実情だ。つまり、実体経済から大きく乖離しているというのが冷徹な事実だ。
かつての米国株は、自動車や工場、エネルギーといった「目に見える実体=リアル」が中心だった。しかし現在の構造は、極めていびつで脆弱なものになっている。
1. 「ビッグ・テック」というAIバブルへの極端な依存
米国株全体のインデックス(S&P500など)は、時価総額の大きな上位数社(エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベットなど)だけで全体の約3割を占めているんだそうな。危ういな。
これらの企業の原動力は「AIが将来もたらすであろう利益」という未来の予測(期待)で、明確な実体=リアルなサブスタンスではない。
おまけにAI同士の循環取引だ。
テック企業がAIサーバーを買い、そのAIを使って別のテック企業がサービスを作るという「業界内での身内のカネの回し合い」が続いており、一般消費者の生活(実体経済)にどこまで浸透し、本当の利益を生んでいるかは不透明だ。まぁ、自社株買いで株価を上げるってのよりはマシだろうが、似たようなもんだ。倒れる時はドミノみたいに一気に行くぜ。
2. 金融取引(アルゴリズムとレバレッジ)による肥大化
現在の株式市場の取引の過半数は、人間ではなくAI(アルゴリズム)による高速自動取引だ。
個々の企業の業績や製品の価値ではなく、チャートの動きやニュースのキーワードにAIが反応することで、一瞬で巨額の資金が動く。動くんだけれども、そこにビジネスの実体はあまり考慮されない。機械的に相場の動向によってオッズが積みあがり、株価が上昇するって寸法だ。
そして危なっかしいレバレッジの連鎖だ。
機関投資家やヘッジファンドは、デリバティブ(金融派生商品)や借金を使って実体の何倍もの規模で取引している。株価が上がればさらに自動で買いが入り、実体経済の成長速度を遥かに超えて株価だけが膨らんでいくバブリーな構造だ。
3. 実体経済(オールドエコノミー)の地盤沈下
アメリカの国内を見渡すと、製造業の空洞化や地方都市の衰退、インフラの老朽化など、実体経済の課題は山積みだ。過積載だ。
マクドナルド、ウォルマート、キャタピラーといった「リアルなモノやサービス」を扱う皆様お馴染みの伝統的な企業の株価の伸びは、AI・ハイテク株に比べて鈍い。
つまり、「米国株が強い」というのは、アメリカの経済全体が強いわけではなく、一部の金融・AIセクターが世界中のマネーを吸い上げて肥大化しているだけという歪みが生じてるわけだ。います。
この壮大な虚構がこけたときの、ジャイアント・インパクト
いまの米国株は「AIへの信仰」と「高度な金融工学」という砂上の楼閣の上に成り立っている側面が否定できないんだぜ。違うと思う人は、手を挙げて!
現実問題としてイランとの戦争を見てみなよ。アメリカにはもう打てる弾が払底しつつある。新自由主義経済体制の下、株価最優先でリアルな製造をおろそかにしてきた付けが回ってきてるのさ。これで、2027年に創立百周年の中華人民解放軍が、台湾進攻をおっぱじめたとしても、今のアメリカでは中国の勢いを押しとどめることはできないだろう。近代戦争ってのは、総力戦であり、製造能力とロジスティクスがその勝敗を決するのさ。
さて、そんな状況のなかで、ひとたび「AIは思ったより儲からない」「金融規制が強まる」「金利が高止まりしてレバレッジが維持できない」といったようなきっかけで、危ういバランスで維持されている市場への信用が崩れれば、実体経済の裏付けが薄い分、過去のITバブル崩壊を上回るような猛烈な暴落を引き起こすリスクを秘めているといってもいいだろう。
そう、ネパールの氷河崩壊みたいなことになるのさ。
まさに「ハブズ(持つ者)」が最も恐れるべきは、この「実体のない数字だけの価値が、一瞬で本来の実体経済のサイズまで縮小する(暴落する)こと」に他ならないんだ。
ハブナッツの俺は、この AI バブルが弾けた時に一体何が起こるのか、想像しただけでワクワクするぜ。
実体なき虚構の価値が剥ぎ取られ、世界が「リアルな実体経済」へと強制的に引き戻される瞬間への知的好奇心や高揚感は、考えただけでもカタルシスだぜ!(笑)
もしこの「AI・金融バブル」が弾けた場合、単なる株価の下落にとどまらず、社会の構造そのものが大激変することになるだろう。一体どうなることやら。
まず 「ハブズ(持つ者)」の資産が文字通り蒸発するだろうな。
米国株の上位を占めるメガテック企業の時価総額は、数兆ドル(数百兆円)規模に達しているそうな。それが崩壊するんだぜ。見ものだな。
AIの収益化が行き詰まったと市場が判断した瞬間、アルゴリズム取引が売りを一斉に誘発し、世界の富の数十%が一瞬で消え去ることになるだろう。まさに富の強制リセットだ。
もしそんなことになったら、画面上の数字だけに依存していたハブズや、借金でレバレッジをかけていた投資家は、担保割れや資産激減により、一転して生活の困窮に追い込まれちまうぜ。FIRE民・レバレッジ投資家の退場だ。百年前の世界大恐慌の時には、この世から退場する奴がごまんといた。だからといって、そんなことする必要はないぜ。生きていれば、何とかなるってもんさ。
そして連動するように 「ハブナッツ(労働者)」の価値の逆転と再評価がワンチャンあるかもだ!
バブル崩壊直後は社会全体が不況の波をかぶるだろう。リーマンショックの時もそうだった。しかし、中長期的には「堅固な防衛力」を持つハブナッツの時代が到来するかもしれないぜ。
電力、食料、医療、物理的なインフラなど、「それがないと明日生きていけない」というリアルなモノやサービスを生み出す労働者の価値が、AIのプログラマーや金融ブローカーよりも圧倒的に高くなるだろう。だって、そうじゃないとみんな死んじまうからな。つまり、オールドエコノミーへの部分的かもしれないが回帰が起こるってわけだ。
市場の数字に振り回されず、日々の労働で社会を回し、具体的なスキルを持つ人々が、最もたくましく生き残ることになる可能性がある。あくまで楽観はしないけれどね。
残念ながら、そうなったときには政府の「新NISA」戦略の破綻が確定だな。
国が推進してきた「貯蓄から投資へ」というスローガンは、俺の見立てでは大打撃を受けるだろう。なんせ一億総ギャン中計画だからな。
国を信じて新NISAで米国株信託などを買った一般の人々が元本割れを起こし、政府への不信感が爆発するだろうよ。なんせただでさえ、いろいろと信用ならないことばかりしてる政府に官僚だからな。結果として、再び「現金・預金最強」の時代へ先祖返りする可能性だってあるかもしないぜ。
要は、いつだって結局、歴史は「実体」へと収束するのさ。
過去のオランダのチューリップ・バブルに始まり、2000年のITバブル、2008年のリーマンショック。形を変えながら繰り返されてきたバブルの歴史が証明しているのは、「実体のない期待は、必ず最後はリアルな価値のサイズまで縮小する」という鉄則だ。
AIバブルの崩壊は、一時的な大混乱をもたらすだろう。最小限度に抑えるために、各国政府は、財政規律を無視して企業救済に邁進するだろう。いつもの光景だ。そして、うまくいけば行き過ぎた金融資本主義をリセットし、人間が生み出す「労働」や「実体経済」の尊さを社会が思い知る、最大の転換点になるかもしれないな。
まぁ、そうだとしてもどうせ俺たち人間は喉元過ぎれば熱さを忘れるんだ。けど、喉元過ぎても熱いものは熱いままだ。鈍感な内蔵の粘膜に深刻なダメージをコツコツ蓄えていくのさ。
てなわけで、しょうもない夢はベッドの中で見るに限るな。

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