2015/04/03

Post #1458

Paris
最近の俺の家庭での会話。

『なかなか子供ってのは、出来ないもんだな…』
『そりゃ、この年になったら、そうそう簡単にはできないって…』

しばし沈黙。

『おまえさぁ、もし俺がよその女の人に子供作ってもらったとしたら、可愛がってくれるか?』
『えっ!?』
『いやぁ、だからさぁ、お前がもう無理なんだったら、よその女性にお願いしてだなぁ、俺の子供を作るっていうことだよ』
『それは可能性としてはないなぁ…』

それどういう意味だよ?単純に俺が他の女性に縁がないってことかよ?
それとも、縁があっても相手にされないという意味なのか?
思わずムキになってしまうな。

『俺の子供だぞ、可愛がってはくれないのか?』
『だって、私の子供じゃないでしょ?』
『いや、だから俺の子供だって言ってるじゃないか?きっとかわいいぞ!可愛がってくれないのか?』
我ながら、すごい剣幕だ。
『分かった、わかった、可愛がるから…』

よしよし。

『じゃ、その子供を産んでくれたお母さんとも、女同士、仲良く付き合ってくれるかい?ぎすぎすしたのは御免だぜ。喧嘩なんかされたら、たまったもんじゃないからな』
『それは無理!』


やっぱり難しいか・・・。
そりゃ、そうだわなぁ・・・。

読者諸君、失礼する。男は虫のいい生き物だ。そして、男も女も独占欲が強いものさ。

2015/04/02

Post #1457

Zagreb,Croatia
昨日、美容院で髪を切ってもらっていると、隣に騒がしい女が客としてやってきた。
金髪に染めた髪の根元は、いわゆるプリンのような状態になっている。
ちらりと見ると、背も低く、額も狭く、並びの悪い歯は、黄ばんだような色をしていた。おまけに全体に上から押しつぶしたような印象を受ける女だった。神様も、ときに残酷な仕打ちを人間にするものだな。見かけで人間を判断するのはいけないが、立ち居振る舞いや喋り方で、人間は判断することができるものだ。何しろ俺にはスカウターがついているからな。

その女は、メイクをしてもらいに来たのだというが、その野卑な印象が強い顔は、メイクでどうにかなる類のもんじゃねぇな、残念ながらという残酷な印象を俺に抱かせた。
俺は、知性やウィットの感じられない女性は、あまり好きではないのだ。淫らな女は嫌いじゃないけど、野卑な女は苦手なんだ。生理的に、ダメなんだ。すまん。

その女のいささか興奮したような口ぶりからすると、すでにかなり酔っていたようだ。美容師のおねーさんにだみ声でべらべらしゃべり続けている。
そのうちに殺すの殺さないのと、穏やかならざる単語が飛び出してきている。

そうして、美容師のおねーさんのおざなりなマナ返事に物足りなくなったのか、その女は俺に話を振ってきやがった。
おもしれー、受けて立つか?

『・・・おにーさん、そうは思わないですか?』どうにも、俺のアウトローな雰囲気を憚ったのか、それとも卑屈なだけなのか、一応は敬語だが、突如おにーさんと呼びかけられて、俺は何だぁ?って感じだったのさ。眉を片方だけ上げて、いささか不快感を表明してみた。

『殺す、殺すって口でいうやつは、実際に殺せないですよねぇ、そう思いませんか?』
知らねぇよ。殺すも殺さないも、縁があるかないかだけの問題だと俺は思ってるんだが、面倒なんで『あぁ。、そうかもしれないな。殺す、殺すって言ってるうちは、心の圧力が減圧されるからな。』
『そうですよね、殺す殺すっていうやつで、実際に殺せる奴はいないですよね。』女は激しく同意する。
『殺したいと思ったら、黙ってさっさと殺めればイイ。人間はバールで思い切りたたいただけで死ぬ』
俺はうんざりして答えたよ。まったくだ。現場には、いろいろと便利なものが転がっているからな。

『もし、相手を殺して、最高で死刑、最低で懲役3年だとする。で、それが割に合うと思うなら殺せばいい。けど今更俺は御免だがね』
憎しみに駆られて誰かを殺すより、女の子とイチャイチャしてるほうが、よっぽど楽しいものさ。

俺がそんなことを言うと、女はさらに何やらまくし立てている。あぁ、面倒だなぁ。

『自分の人生を棒に振っても、相手を殺したいと願うんなら、一思いにやっちまえばいい。俺は若いころ、日本刀が押し入れの中にゴロゴロしてる組織に入ってて、そこにいた連中は、ボスから殺って来いと言われれば、即座に日本刀を持って、殺しに行っただろうよ。俺はそんな世界にいたから、あんたの言うことはよくわかる。割に合うと思えて、どうしても殺したけりゃ、黙ってすぐに殺すんだな。』

これは嘘じゃないんだけど、美容師さんたちもその女も、俺の気怠そうな態度で発せられた言葉に、ドン引きしてしまった気配が伝わってきた。
もちろん、俺はちゃんと分別のある常識人だから、そんなことはしないさ。
第一、それは縁と機会がなけりゃできないことで、決してやろうと思って簡単にできることじゃないんだ。
しかし、まいったなぁ・・・。

女は、当惑したように、話を変えようとした。自分の旦那に困っていること。俺は、こんな女でも所帯を持っていることに、かなり驚いたが、そんなことはおくびにも出さず、即答した。
『そんなに困ってるんなら、別れりゃいいだろう』

連打だ。さすがに酔っぱらいの女も一瞬絶句したが、そこは酔っぱらいの強み、なぜ、自分の旦那に困っているかという事を、くどくど話し出した。俺には関係のない話だが。
曰く、自分は今までいろんな男に苦労して来て、やっとまともな人と所帯を持ったんだけれど、その旦那が酒を飲んで喧嘩して、相手を殴って捕まったのだという。よくある話だ。おかげで、その殴られたほうは片目を失明してしまったそうだ。
俺は苛立つ。

『酒を飲んでも、飲まれるな!』俺はぶすりと宣告するように言い放ったよ。

俺が髪をすすいでいる間に、女は金を払って帰って行った。金を払ってメイクをしたにもかかわらず、ちっとも見れたもんじゃない。やはり、人間性は顔に出る。土台が悪けりゃ、どうにもならんもんだ。金をどぶに捨てているようなもんだ。

冗談じゃない。どうして俺はいつもこんな目に合うんだ。
出来ることなら、もっと魅力的で常識的な女性に話しかけられたりしたいもんだぜ。

俺はいつもこんなくだらない話を聞くと、シベリアかアマゾンの奥地にでも旅立ちたくなるよ。人間のいない、清浄な世界にね。
けれど、こんな奴らがごまんといるのが、俺の生きている世界だ。貧乏人の世界だ。いついかなる時も、寛容さを保つのは、ホント~に難しいもんだ。

読者諸君、失礼する。世の中には、いろんな人がいる。面白いもんだが、気がめいるぜ。

2015/04/01

Post #1456

やあ、こんばんわ。Sparksです。
今日は少し趣向を変えてみた。
なんといっても、エイプリルフールだしな。
俺は46歳だけど、まだまだこんなんだ。
とんでもない馬鹿野郎なんだ。並の男じゃない。
自分でも呆れるぜ。
けど、この退屈な日本に、こんな奴が一人や二人いたって、かまわないだろう?
そうは思わないかい?

若いころ、ずっと憧れのロックスターみたいになりたいと思っていた。もう30年も前のことだ。
けれどある時、ここまで歩いてきて、あっちに頭をぶつけ、こっちに足を取られしてきて、ふと気が付くと、自分は自分自身にしかなれなかったことに気が付いた。

それでいいのだ。

そう気が付いたら、他人に対しても寛容になれたような気がする。

さて、俺のことを左翼と呼ぶ奴が多い。
俺自身は、中道左派だと思ってはいるが、極左とか左翼とか言われるのは心外だ。
共産党は選挙のたびに投票しているけれど、たまたま俺の考えに近いというだけで、共産主義者になったことはないつもりだ。
俺はどちらかといえば、無政府主義者だし、コスモポリタンでありたいと思っているんだ。
もし俺が、左翼だ、共産主義者だといわれるのなら、俺の好きなカート・ヴォネガットの小説の一説を引用したい。

『そう、ぼくの考えていることは、大多数の人たちにいわせれば、たぶん共産主義思想ということになるでしょうね』エリオットは無邪気に答えた。『だってそうじゃないですか、おとうさん。貧乏人の中で働いていれば、だれだってときにはカール・マルクスにかぶれずにはいられませんよ。―そうでなければ、いっそ聖書にかぶれるかだ。ぼくはそう思うんですが、この国の人たちが平等に物を分け合わないのは恐ろしいことです。こっちの赤ん坊は、このぼくがそうでしたが、広大な地所を持って生まれてくるのに、あっちの赤ん坊はなんにも持たずに生まれてくる―そんなことを許しておく政府は、不人情な政府です。ぼくにいわせれば、いやしくも政府と名がつく以上、せめて赤ん坊にだけは公平に物を分配してやるべきです。それでなくても人生は苦しいのに、貧乏人はそのうえお金のことで病気になるほど心配しなくちゃならない。もっとうまく分配をしさえすれば、だれにもたっぷりゆきわたるだけの品物が、この国にはあるんですよ』
(『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』早川文庫刊 浅倉久志訳 P137)

俺は、長い間、貧乏な連中のなかで暮らしていた。
今もなお、そうかもしれない。ルイヴィトンやシャネルやフェラーリになんか、まったく縁がない。まぁ、君もそうだろうとは思うけれど。それどころか、自分の家も、ローンもない。銀行が相手にしてくれないからだ。

けれど、かまわない。

そうやって、俺は俺になったのだから。
考えなしに浮かれまくって勇ましいことを言い、戦争になったら真っ先にひどい目にあうのがこの貧乏人だ。だから、平和がイイと思っているのさ。
なにしろ貧乏人は、政府からも見放されている。貧乏人は、じぶんよりひどい境遇の人間を見つけて、優越感と安心感に浸るしかない。

さみしい世の中だ。
そんな世の中が、面白くないと思っているから、俺は世間から左翼呼ばわりされてしまうのだ。

ほんとの俺は、そんなイデオロギーなんかに振り回されたくないし、どんな組織にも属したくない。
個人で独立して世間に対峙してゆきたいと願っている一人のおっさんなんだ。

それを強いて名づけるなら、Free Thinker、自由思想家さ。

読者諸君、失礼する。