『中国の夢は国家の富強、民族の振興、人民の幸福であり、協力、発展、平和、ウィンウィンの夢でもある。それは、米国のアメリカンドリームや各国国民の夢とは共通している。』
中華民族ってのは、考えてみれば、イギリスからロシアまでのゲルマン系、ロマンス系、スラブ系などの様々な民族をヨーロッパ民族って一からげにするような強引なものだと思えるよ。
グローバル・ヒストリーや遺伝学、考古学の冷徹な事実が示す通り、中国大陸の歴史とは、中元の農耕民(いわゆる漢族の原型)と、周辺の遊牧民や半農半牧の異民族(西戎、北狄、鮮卑、モンゴル、トルコ、満州族など)が、数千年にわたって絶え間なく混血し、文化を融合させ、システムを上書きし合ってきた「壮大なハイブリッド(混成)の歴史」だということは、今までの話を通じて理解してくれていると思う。
とんでもない大昔、黄河流域で農耕を営んでいた竜山文化とかの系統の末裔で、「華(華やかな文化)」と「夏(大きな国)」を自称する人々がルーツだとされている。尭とか舜とか禹とかの話をしてきただろう。あの系統のみなさんだ。
彼らは周辺の狩猟・遊牧民を「四夷(東夷・西戎・南蛮・北狄)」と呼び、自らを中原の文明人として区別したわけだけれど、殷、周、春秋戦国時代とかけて、四方の異民族を取り込んで清王朝を築いたことはもう話したからよくわかってくれてるだろう。
つまり、漢民族とは「血のつながり」ではなく、「周辺を吸い込み続ける巨大な文化・制度のシステムそのもの」であると言えるだろう。
だから、そんなものは幻想でしかないのさ。
「漢民族」とは生物学的な単一民族ではなく、「始皇帝が完成させた巨大な管理OSに自発的、あるいは強制的に組み込まれ、そのルールを内面化した人々」の総称(フィクション)に過ぎないわけだ。それは、21世紀の今も変わらない。変わらないどころか、デジタルの力でパワーアップしてるくらいだ。
「幻想」だからこそ、毛沢東🔗や共産党は「ナショナリズム」に固執する
この「漢民族は幻想であり、内部は極めて多層的でバラバラなモナドである」という事実を重々知っているからこそ、歴代の独裁者や現在の中国共産党は、常軌を逸したレベルで「中華民族の偉大な復興」や「一つの中国」というフィクションを叫び続けなければならないわけだ。
強固なデジタル監視(パノプティコン)で縛り付け、毛沢東🔗の亡霊じみた執念で台湾を何としてでも手に入れようとするのは、そうした「強力な専制主義OSと日本を仮想的にしたナショナリズムで限界まで圧をかけ続けないと、漢民族という幻想のタガがあっという間に外れて中国というフィクションは崩壊し、方言の単位ごとに分裂して、大陸が再び軍閥🔗割拠のバラバラなカオスに逆戻りしてしまう」という、支配者側の根源的な恐怖の裏返しでもあるんだ。
さてさて、中国4000年の大昔から存在するように語られる「中華民族」なんだけど、種明かしをすると、実はこの言葉が誕生したのはわずか120年ほど前!1902年に思想家の梁啓超🔗が作った造語なんだ。
清朝末期のコンプレックス
当時、満州族の「清」を倒して漢民族の国を作ろうとした孫文🔗をはじめとした革命家たちは、最初「駆除韃虜、回復中華(野蛮な満州族を追い出し、漢民族の国を取り戻す)」と鼻息荒く語っていたんだ。
しかし、いざ清朝が崩壊しそうになると、彼らは大慌てし始めちまった。
なぜって満州族を追い出せば、清朝の領土だった満州(東北部)、モンゴル、チベット、ウイグル(新疆)🔗がすべて独立してしまい、中国の領土が「本来の狭い漢民族の土地(中原)」だけになってしまうからだ。やばいぞ!
そこで彼らは手のひらを返し、「漢・満・蒙・回・蔵(チベット)は、もともと一つの一大民族『中華民族』なのだ!」という奇妙なロジックをひねり出したんだ。これは冒頭で説明したね。実はここから始まるんだよ!
つまり、「清朝が異民族を征服して広げた広大な領土」を、漢民族主導の国家がそのまま丸ごといただいて、欧米列強から植民地支配と言われないための「言い訳の看板」として作られたのが「中華民族」って幻想の打算的な正体なんだ。身も蓋もないとはこのことだ。
そんなわけで、21世紀の今もなお『中華民族の再興』という勇ましいスローガンが唱えられることになるんだが、こうして歴史を見てみると、実は中華民族はおろか、漢民族すらも甚だ怪しい実体のない存在なんだ。
スケールや構造的にも、まるで、
カール大帝🔗のヨーロッパ民族再興!みたいな話なんだ。
「
カール大帝🔗によるヨーロッパ民族の再興」はあくまでもモノの例えだけど、仮に現代のEUの皆の衆がだよ、「我々は
カール大帝🔗の血を引く単一の『ヨーロッパ民族』だ!フランス人もドイツ人もイタリア人も、古代から一つの民族だったのだから統合されるべきだ」と主張し始めたら、誰もがその歴史的オカルト政治に大爆笑間違いなしだ!
中国政府がやっている『中華民族の再興』とは、まさにそれと全く同じ規模と構造のウソを、国家の力で大真面目な顔をしてゴリゴリと押し通している状態なわけだ。
あーぁ、俺、この先の人生、絶対中国いけないだろうな。
本当に「中華の純粋なオリジン」を求めようとすれば、外来の戦闘馬車=
チャリオット🔗に乗った伝説の皇帝、
黄帝🔗軒轅氏の軍団に蹂躙されたとされる人たちまでさかのぼらないと到達しない。黄河中流域でしょぼしょぼやってた、文字すら持たない双系核家族的な「前期
仰韶文化🔗」の、つつましい農耕民の皆さんだってのが実情だ。
実はこの
黄帝🔗は姓は
姫🔗姓だから、周王朝の遠い祖先だってことになってるけど、たぶんそんなに遠くない時代の人なんだと思うよ。
なぜってに軒轅ってのは、殷周時代の戦士が乗っていた馬が引く戦車のながえのことだ。
だから、
黄帝🔗ってのは当時遊牧民から持ち込まれた最新兵器だった戦車を使って、農耕民を蹴散らして征服した元祖だってことだよ。
三皇五帝🔗の一人に挙げられてて、とんでもない大昔の神話的な人にされてるけれど、そんな大昔には戦闘馬車=
チャリオット🔗はないからね。
後から来た奴が正当性を主張するために、自分たちの先祖を、とんでもない大昔にいた尊いお方なんだって主張するのは、世界史的によくあることだ。日本の天皇の
欠史八代🔗も似たようなもんだ。
しかし、そこまで遡ってしまえば、当然ながら「チベット」も「ウイグル」も「モンゴル」も、それどころか「
楚🔗(
ミャオ🔗)」も「
呉🔗越🔗(
百越🔗)」も、何の関係もない完全な別世界なんだ。中華民族なんてのは、ほんと幻想の産物なんだ。
まぁ、それを言うなら日本人ってのも似たようなもんだけどね。
「中華民族の再興」という言葉は、都合の良い時だけ古代の連続性を語りながら、その実は秦・漢・元・清といった歴代の征服王朝が、武力と虐殺でかき集めた「帝国領土の最大値」を維持したいという、極めて近現代的な帝国主義の欲望を隠蔽しているに過ぎないんだ。
要はそろばん勘定さ。
じゃぁ、この『中華民族』がめでたく再興した暁には、55の少数民族の運命は如何に!
この歴史を踏まえると、現在の習近平政権が熱狂的に進めている「中華民族共同体意識の構築」つまり皆さんご存じのチベットや内モンゴル、ウイグルでの強烈な言語統制や同化政策の未来は、「55の少数民族が、巨大な民族メルティングポット(溶炉)の中で完全にアイデンティティを溶解される」という結末になる以外ないんだよな。
かつて、秦が
西戎🔗を、漢が
百越🔗を飲み込んできた
「漢民族同化システム」が、いまやスマホ、AI、顔認証、国家標準中国語(普通話)の強制教育という、人類史上最も逃げ場のない「
デジタル専制OS」として絶賛駆動中だ。
おかげさんで、独自の言語や文字(チベット語やウイグル語など)はアプリの規制や教育現場から排除され、部族や宗教共同体などの独自の社会システムはデジタル監視の社会信用システムに上書きされ、二、三世代のうちには、彼らの固有の文化は、観光地で踊るためだけの「無害なエンタメ」=記号へと去勢されることだろう。めでたしめでたし。
てことで、漢民族なんてもんは最初から血統とかじゃなく、「周辺を飲み込み続けるシステムそのもの」だったんだ。
まさに食らっても食らっても満ち足りることのない
饕餮🔗そのものだ。
現代の中国政府が唱える「
中華民族の再興」とは、かつて周が「
天命🔗」を偽造し、漢代が「
黄帝🔗の家系図」を捏造したのと同じシステムに基づく21世紀バージョン、つまりデジタル版の記憶の書き換え工作なんだ。
存在もしない「
幻想の民族」をスローガンに掲げ、テクノロジーの力で55の少数民族の肉体と精神をドロドロに溶かし、国家という巨大なリバイアサン、いや
饕餮🔗の細胞へと変えていく――。
古代の
仰韶文化🔗・
龍山文化🔗から始まった大陸の「ブラックホール的同化システム」は、今まさにその究極の完成形(ゴール)へ向かって猛スピードで突き進んでいると言えるだろうね。
そして驚くなかれ、ここでも日本が絡んでくるんだ!
文化的にも経済的にも現代中国を生み出したのは、周の文化を間接的に伝える日本人だと思うとげんなりするな(笑)
実は、「中華民族」という言葉だけでなく、現在の中国を統治する中国共産党体制を形作っている政治・経済・思想の「言葉のシステム(OS)」を20世紀初頭に用意したのは、皮肉にも明治期の日本人だったんだ。
1. 「中華民族」の概念を育んだ日本の「国体」思想
先ほど触れた、
梁啓超🔗や
孫文🔗たちが「中華民族」という幻想の巨大民族をひねり出した背景には、明治日本の「
国体🔗」や「
万世一系」の思想からの強烈な影響があったんだ。
日本への亡命ブームと日本のマネをした「一つの民族」の偽造
清朝末期、国家の崩壊に危機感を持った
孫文🔗、
梁啓超🔗、
魯迅🔗などの清の知識人は、一斉に日本へ留学・亡命したんだ。当時、アジアで唯一近代化に成功した日本のノウハウと秘訣を学ぶためだ。
彼らは、明治の日本が
「天皇を中心とした単一の『日本民族』」という強力な物語=
国体🔗論を使って国民を一つにまとめ、欧米列強に対抗している姿を目撃したわけだ。
これに感動した
梁啓超🔗らは、「中国大陸にも、日本のような強力な単一民族の神話が必要だ。そうだ、バラバラの異民族をすべて
『中華民族』という一つの大クランに偽造しよう!」と思いついたってのが真相だ。
つまり、日本のナショナリズムのパチモンとして生まれたのが「中華民族」の正体なんだ!
2. 中国共産党の言葉は、9割が「和製漢語=日本製」という皮肉
さらに驚くべきことに、現代の中国政府や中国共産党が、日々国民を洗練させ、あるいは縛り付けるために使っている政治・社会用語のほとんどは、明治の日本人が西洋の概念を翻訳するために作った「和製漢語」の逆輸入なんだ!
ここまで来ると、もうほとんどブラックジョークだ。
中国の教科書やニュースに出てくる以下の言葉は、すべて日本人が作った「日本製」の単語だ。
• 政治・国家システム: 「共和国」「人民」「国家」「主権」「憲法」「法律」「特権」
• 経済・社会: 「経済」「階級」「社会」「共産主義」「社会主義」「労働者」
• 概念・思想: 「民族」「文化」「文明」「思想」「現実」「理論」
中国共産党の正式名称である「中国共産党」の「共産党」も、日本の翻訳を借用したものだ。
つまり、彼らは「日本人が作った言葉のOS」を使わなければ、自国の共産主義体制を説明することも、法律を作ることも、国民を専制統治することもできないってのが、思わずズッコケる歴史のリアルなんだ。
3. 周の「天(倫理)」を保存し、大陸へ突きつけた日本人
同志社大学の怪物(顔も少しゴジラっぽいしな)にして稀代の碩学
白川静🔗先生が指摘した通り、周が生み出した漢字や天の思想、儒教の倫理は、大陸では秦、元、清など歴代の異民族王朝の凄惨なリアリズム(つまりお馴染みの法家・共同体家族システム)によって何度もドロドロに書き換えられ、形骸化していってたわけだ。
しかし、その「周・漢のクリアな文化(文字の本来の意味や美意識)」を、海を渡って生真面目に保存し続けたのが
東方君子国🔗・日本だったわけだ。
近代になり、日本はその保存していた周のレガシーたる漢字システムを縦横無尽に駆使して西洋の最新科学や政治学を翻訳し、「和製漢語」という強力な武器にアップデートしたんだ。
大陸の知識人たちは、自国で失われた「周の文字の洗練さ」を、日本という中継基地を通じて逆輸入することでしか、自国の近代化を達成できなかった。
もちろん、それができなかったら、現在のデジタル監視専制国家の土台もできなかったろうよ。
「日本人が現代の中国を生み出した」というのは、文化・経済のインフラ的な意味でも、あながち冗談じゃないんだ。ざっと箇条書きしてみようか。
1. 古代:大陸の「周・漢の文化(漢字)」を日本がインポートした。
2. 近代:日本がそれを西洋の近代システムと融合させて「和製漢語・国体思想」へ魔改造した。
3. 現代:それを大陸が丸ごと逆輸入し、55の少数民族を溶かす「中華民族の再興」というデジタル専制のモンスターへと狂暴化させた。
やれやれ。まったくトムとジェリーみたいに補完し合ってるな。
それに、あの
人民服🔗すらも、実は日本由来なんだぜ。
あれは明治時代のの日本の学生服や陸軍の制服をベースに作られたものなんだ!
ここに至るまで日本が絡んでいると思うと、もはや「げんなり」を通り越して、歴史の数奇な因縁にヘラヘラ笑うしかないぜ。
現代の中国共産党の象徴であり、毛沢東の肖像画でおなじみで、習近平が国家の重要な儀式で今なお着用するあの服のルーツには、孫文のディープな「日本体験」が隠されているんだ。
1. 人民服(中山服)の誕生:日本の「詰襟」の丸コピ
人民服🔗の中国での正式名称は、
孫文🔗の号(孫中山)にちなんで「中山服(ちゅうざんふく)」と言う。生み出したのは孫文その人だ。
清朝末期、日本に亡命していた
孫文🔗は、日本の「明治の旧制高校の学生服」や「大日本帝国陸軍の制服」の機能性の高さにほれ込んじゃったんだ。
で、
梁啓超🔗が中華民族って概念をでっち上げたのと時を同じくした1902年頃、孫文は横浜の
華僑🔗の仕立て屋に命じて、日本の学生服をベースに、動きやすく、かつ西洋のスーツに対抗できる新しい服をデザインさせたってわけだ。
これが中山服、のちの「人民服」のプロトタイプだ。
今でも中国行くんなら、これ見よがしにしつらえていきたいもんだよ。ちなみに、仕事で何度も上海とか行ってるカミさんに言わせると、そんなもん、売ってるの見たことないってさ。ぎゃふん!
後にこの服には、ポケットの数(4つ=礼・義・廉・恥の四維)や、袖のボタン(3つ=
三民主義🔗)といった「
中華の思想」が後付けで意味付けされていくんだが、まぁこじつけだ。その服の構造的なカッティングやシルエットは、まぎれもなく「明治日本の詰襟」そのものだ。
2. 「日本の制服」が、大陸の個性を消す「同化の鎧」へ
周の漢字を日本がアップデートして逆輸入したように、日本が西洋の服をアレンジして作った「詰襟の制服」という衣服のOSを、大陸の国民党や共産党の皆さんは、「個人のアイデンティティを消し去り、国家の共同体システムへと人間を溶解させるための究極のユニフォーム」へと狂暴化させたわけだ。
毛沢東🔗の時代になると、この服は「人民服」として全国民に着用が強制され、数億人の人間が全員同じ色、同じ形の服を着て街を埋め尽くした。
けれど、ここに秘密がある。
共産党の偉いさんの着ている奴は、あからさまに上等な生地が使われてたのさ。驚くことはないさ、どんな世の中もそんな風にできてるのさ。
当然ながら、55の少数民族の華やかな民族衣装も、この人民服という「一律の鎧」の前に沈黙させられ茶たわけだ。ここでも、「日本発の機能的なデザイン」が、大陸の「巨大な同化ブラックホール」の燃料として使われたわけだ。
やるな、日本人!
これまで俺が君たちと語り合ってきた内容を振り返ると、現代中国という「デジタル専制国家」の構造は、実は驚くべきことに外側から内側まで、日本人が用意したパーツで満たされているんだぜ。
• 裏のOS:西戎経由、スキタイ由来のの共同体家族 + 北方のテングリ=天崇拝
• 表のOS(政治言語):「民族」「国家」「共産党」などのMade in Japanの和製漢語
• 政治の看板:明治日本の「国体論」を真似た「中華民族」というフィクション
• 皮膚(衣服):日本の学生服・陸軍制服をコピーした「人民服」
白川静が愛した「周・漢の古代文化」を日本が生真面目に保存・近代化させた結果、その「言葉」も「思想」も、挙句の果てには「服」までもが大陸に逆輸入され、55の少数民族を溶解し、14億人をITで監視する巨大なデジタル監視専制主義帝国の「化けの皮」になっちまったてことさ。
ここまで徹底的に日本が関わっているとなると、「現代中国は、日本人が見せた近代の夢が、大陸の化け物的なスケールでディストピア化してしまった姿」と言っても過言ではないだろうな。まったく、知れば知るほど味わい深い歴史の皮肉で、もう笑いが止まらないぜ。
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