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| 沖縄のどこだったかな? |
俺がパソコンを立ち上げて、グーグルを開くとしよう。
専門書高価買取の広告がやたら出てくる。
オーダーメイド工場直送の本棚の広告が出てくる。
おっさんのシミや視力回復、あるいは精力増強に効く薬の広告がでてくる。
時には中高年向けマッチングアプリの広告も出てくる。
マンガアプリの広告も出てくる。
確かに俺はよれたおっさんだし、本も本棚から溢れかえってる。
よれたおっさんは、萎びた身体と欲望に悶え苦しんでる。いい年してサブカルチャーも大好物だ。
グーグルは様々な検索から抽出した俺のプロファイルをもとに、俺の状況を見透かしてそんな広告をじゃんじゃん送りつけてくる。
俺や君たちの行動様式や思考パターンは、いつの間にか監視されているんだ。
広告によって欲望や不安を煽られ、あるいはほんの些細な好奇心でクリックするたびに、ふと気になったことを検索するたびに、友人のSNSやアルゴリズムによって提示された投稿や動画にいいねをクリックするたびに、常に読み取られている。
そしてそれらすべては、グーグル、アマゾン、メタなどのデジタルプラットフォーマーに「抽出」され、その瞬間に蓄積されたデータベースが、俺や君の属性や検索内容に応じた広告をドンピシャのタイミングで瞬時に表示してくれる。
考える必要はない。クリックするだけだ。
例えばグーグルに、今日のおすすめのランチは?と尋ねれば、スマートフォンを介したどこかのデータセンターのAIは、俺の位置情報とさまざまなデータ、近隣の飲食店の情報から、お値段、評価に応じて提案してくれるだろう。その時、そこで提示される店はグーグルと広告解約を結んでいる店が上位に表示されるだろう。
そして、いつのまにか、グーグルに広告費を払っている=おいしい店というように、俺たちの味覚自体が馴致されていくことになるだろう。
それがいま俺たちが生きている『デジタル民主主義社会』の世の中の仕組みだ。
中国のことを「あそこはデジタル監視専制国家だ、ありゃ恐ろしいもんだ」などと他人事のように言っているうちに、俺たち自身も家畜が柵に沿って歩まされていくように、巨大なデジタル資本=ビッグ・テック🔗によって監視され、誘導され、知らず知らずのうちに洗脳されているんだ。そう、俺たち自身がデジタルプラットフォーマーに利益をもたらす一種の家畜になっているんだ。
気づいていたかな?
この「家畜管理の精神性」は、専制政治か民主主義かという、政治体制の違いにかかわらず、現代のデジタルテクノロジーによって、今や人類全体へと牙を剥いているわけだ。
やれやれ素晴らしい世界だぜ。
人間をただの「データと労働力を差し出すだけの存在」として扱う新自由主義の現時点での究極の姿である『テック封建制』も、中国共産党プレゼンツの『デジタル監視社会』も、統治の主体や名目が異なるだけで、個人が高度なテクノロジーによって完全に管理・支配される点において本質的に同じまったく五十歩百歩🔗だ。
も、個人の自由や尊厳が、高度に発達し、洗練されたテクノロジーの前に無力化していく未来像、いや現在の社会そのものを示しているんだ。
嘘だと思うだろう。じゃぁ、その共通点と相違点を整理してみよう。
構造の比較
特徴 | リバタリアン・テック封建主義(西側・資本の暴走) | デジタル監視社会(中国・国家の暴走) |
支配の主体 | 巨大IT企業(プラットフォーマー)とその創業者 | 一党独裁国家(政府・共産党) |
支配の道具 | アルゴリズム、AI、独占的インフラ、スコアリング | 顔認証、信用スコア、ネット検閲、監視カメラ |
管理の名目 | 「利便性の向上」「自由市場」「最適化」 | 「社会の安定」「安全保障」「調和」 |
個人の立場 | データを搾取される「デジタル小作農」 | 従順さを求められる「デジタル臣民」 |
どうだい、こうして並べてみるとこの二つのシステムが、実は同じ技術から生み出された双子だったことがわかるだろう。どっちもサイコーに素敵なディストピアだ。
きっと支配の悪魔とかがバックに控えているんだろうな(笑)。
この双子のようなディストピアが、俺や君たちにとって、どんな存在なのか、考えてみよまいか。
まずは生殺与奪の権を握られる恐怖だ。テック封建主義では、ビッグ・テック🔗にアカウントを凍結(BAN)されれば、経済活動や社会生活から完全に排除されちまう。
データによるプライバシーの消滅
それは市場=資本にすべての行動データを握られるか、国家に握られるかの違いでしかない。どちらの社会でも、人間のあらゆる行動、購買履歴、思想傾向がデータ化され、予測・コントロールの対象になるんだ。
そこで待ち受ける運命は、民主主義の形骸化だわな。
テクノ封建主義では、国家の法規制すら富豪や巨大IT企業の力で無効化され、民主的な手続きが機能しなくなる。
唯一の相違点は逃げ道の有無
中国型監視社会は、国家権力による強制力(物理的な逮捕や処罰)が直接背景にあるんだ。
しかし、選択の余地が事実上存在しないレベルまでインフラが独占されれば、その境界線は限りなくゼロに近づいていくだろ?
俺の手元に一冊の本がある。2019年に発表されたショシャナ・ズボフ🔗の『監視資本主義🔗』だ。
彼女は、まさにこれまで議論してきた「テック封建制」や「米中のデジタル監視」の構造を、世界で最も深く見事に言語化したアメリカの社会学者だ。彼女が2019年に発表した大著『監視資本主義🔗』は、現代のビッグテックによる支配の本質を見事に暴き出し、世界的な大反響を呼んだ本なので、読んだことのある人も多いだろう。
ショシャナ・ズボフ🔗教授の理論を知ると、俺が冒頭にあげた体験談と、アメリカを中心とした『リバタリアン🔗監視資本主義社会』と中国の『デジタル監視専制国家』の同質性というパズルが、すべて綺麗にカチッと嵌まるんだな。
OK、彼女の核心的な思想を3つのポイントで整理してみよまいか。
1. 人間の「行動の余剰」を掠め取るビジネス
ショシャナ・ズボフ🔗はグーグルやメタ(Facebook)などのビッグ・テック🔗がやっていることを「監視資本主義🔗」と名付けた。なんだかわけがわからないものに名前を付けることで、それが何なのかはっきりするもんだ。悪魔のように人間を襲う野獣が、ライオンと名付けられた途端に単なる動物になるように。
ざっくり言えば、従来の資本主義は「自然(土地や資源)」や「労働」を商品にしてきたわけだ。これに対して監視資本主義🔗は、「人間のプライベートな経験(行動、感情、思考)」を勝手に「抽出」し、商品=データに変えるんだ。
彼らグーグルをはじめとするビックテックは、これを「行動の余剰(Behavioral Surplus)」と呼び、AIに学習させて「この人間は次に何を買うか、どう動くか」を予測する「予測商品」を作り、広告主や政治勢力に売り飛ばして巨万の富を築いているというビジネスモデルだ。これがまさに、冒頭で俺が君たちに話して見せた俺たちの身の回りで起こってることだ。
2. 「道具主義」という新しい全体主義
かつてナチスやソ連が行った「全体主義」は、暴力と恐怖で人間の体を支配した。まぁ、元座時の中国のデジタル監視と暴力が表裏一体になってるんだけどね。
しかし、一応民主主義を標榜する社会では、そういう手荒な真似はできないし、ビッグ・テック🔗とはいえ、一私企業がそのような暴力を振るうことも許されちゃいない。しかし、ビッグ・テック🔗は実にスマートな方法で、人々の思考まで支配している。ズボフはビッグ・テック🔗やデジタル監視社会がもたらすこの新しい脅威を「道具主義」と名付けているんだ。
道具主義は、人を殺したり逮捕したりはしない。3. 「聖域(プライバシー)」の完全な消滅
ショシャナ・ズボフ🔗は、人間が人間らしく、民主的な市民として生きるためには、誰にも覗かれない「内面の聖域」つまりプライバシーが不可欠だと説いている。そりぁそうだ。
けれど、その大切さを、俺たち自身がどれだけわかっているだろう?
現在のテックリバタリアンや中国の監視国家は、その聖域を「まだデータ化されていない未開拓のフロンティア」としか見ていないんだ。そして、検索履歴やいいね!を読み取ることで、内面を推測しようとこころみているんだ。すべてがデータ化され、予測可能になった社会では、人間の「自由意志」そのものが消滅することになるだろう。彼女はこれを「上空からのクーデター」と呼び、民主主義が内側から静かに破壊されていると警告しているんだ。
ギリシャの元財務相で経済学者のヤニス・バルファキス🔗もまた、現在の世界を「資本主義」ではなく、すでに「テクノ封建制🔗」という新しい暗黒時代に突入したと激しく非難している。
ショシャナ・ズボフ🔗が「データの搾取(心理的・社会的な側面)」を告発したのに対し、ヤニス・バルファキス🔗は「経済の仕組み(富の収奪システム)」の観点からテクノ封建主義を完全に解剖しているんだ。
彼の理論は、俺が読者諸兄諸姉と話し合ってきた「新自由主義の末路」「リバタリアンの欺瞞」「米中G2の同質性」を経済学的に100%裏付けるものなんだ。
ヤニス・バルファキス🔗が非難するテクノ封建主義の核心を、3つのポイントで整理してみるかの。
1. 「利益(プロフィット)」から「地代(レント)」への退行
ヤニス・バルファキス🔗は、グーグルやアマゾン、メタなどのビッグ・テック🔗の富の稼ぎ方は、従来の資本主義的な「良い製品を作って売る利益(プロフィット)」ではないと指摘している。
彼らが稼いでいるのは、自らが所有するデジタル空間プラットフォームへの入場料、すなわち現代の「地代(クラウド・レント)」だ。2. 「クラウド小作農」と化した人類
ヤニス・バルファキス🔗は、スマホを触る私たち現代人を「クラウド・サーフ(クラウド小作農)」と呼ぶ。ユーザーですらないんだ。小作人なんだ。
中世の農奴は、領主の土地を耕して富を貢ぎ、その余りでしょぼくれた生活していたのは皆さんご存じの通り。さて、今日の情報化社会に生きる現代の俺たちは、せっせとSNSに投稿し、暇に任せて動画を再生し、頼まれてもいないレビューを書くことで、1円の給料も貰わずに「ビッグ・テック🔗のAIという領主様の資産を無償でトレーニングし、価値を高めて差し上げる無料の労働力」として搾取されているわけだ。
3. 中央銀行がリバタリアンに与えた「打出の小槌」
俺は以前にも、「リバタリアンはリーマンショックの時に政府の懐をあてにしていた」と指摘した通り、ヤニス・バルファキス🔗はこのポイントをテクノ封建制の「起源」として最も激しく非難しているんだ。
リーマンショック後、各国の中央銀行は世界経済を救うために未曽有の量的緩和:QEを行い、巨額のお金を刷った。本当は輪転機を回したわけではなく、中央銀行のPCの画面上で数字を書き換えるだけで、この世に莫大な金を一瞬でひねり出して見せただけなんだけどね。.jpg)
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