| Bangkok、Thailand |
朝から精神病院に行って医師の診察を受け、カウンセラーの面談を受ける。
もう何年も続く月に一回ほどのルーティンだ。
俺の脳の中のセロトニンの量は加齢によって減衰している。セロトニンが減ると、神経伝達に遅延が生じて、脳の活動が低下し、気分が落ち込む。
つまり鬱だ。
何年もまえ、発達障害グレーゾーンの息子を病院の面談に連れて行ったときに、料金支払いの場で、希死念慮があるといって予約を取り、通い始めてもう4年ほどになるだろう。
ここで診察を受け、レクサプロを飲み続けているおかげで生きている。
しかし、仕事のこととかで面倒なことがあると、何もかもどうでもよくなってしまう。いい年こいてぼんくら扱いされるのも御免だね。
今日もそんな日だった。
そして、俺の住む町は線状降水帯に直撃された。
家の目の前の小学校に息子を迎えに行った。学校からの要請だ。過保護だな。
名古屋市内は各所で冠水し、公共交通機関もストップしてしまったようだ。
状況を心配してくれる友人もいた。しかし、俺は大事ない。
こんな状況でも働くなんて、馬鹿らしくってやってられないぜ。
人間の営みなんて、自然の猛威の前では、屁みたいなものさ。
だから俺は、屋根に礫をたたきつけるような激しい雨音を聞きながら、現代イスラーム金融論を読み耽っていた。利子や先物取引などを一切禁じた別世界の経済だ。
部屋の中に山と積まれた未読の本を読み耽ることができるなら、正直仕事なんてどうでもイイと思える。まだ知らないことが無限にあるのに、命は一日一日短くなっていく。俺には時間がないんだ。
心配してくれた友人たちよ、ありがとう。こちらは大事ない。
余りに大事がないので、夕食を食べた後近所の川の水位を確認しに行ったくらいだ。
万一死んだところで、馬鹿が一匹減っただけだ。
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