2014/07/23

Post #1204

Paris
昨晩、TVのスポーツニュースで大相撲の試合結果を見ていたら、ふとかつては俺にも夢があったなぁと思い出し、すこしばかり切なくなった。
どんな夢かって?

それはパリの歓楽街ピガールあたりで、胡散臭い女相撲のプロモーターになる夢だ。

日本から連れて行ったむっちりしたお姉さんをメインに、現地のフランス人の女の子も取り混ぜて、まわし一丁のトップレスで、ガチですもうを取らせるというキワモノの興行主だ。もちろん相撲は真剣にとってもらう。

女性を食い物にしているとか、神聖な土俵に女性を上げるとはどうゆうことだという、至極まっとうな批判の数々しか聞こえてこないような、不埒な夢だ。そんなことは承知している。俺は夢の話をしてるんだ。道徳だのなんだのと言ったお堅い話をしてるんじゃない。どんな夢でも、見るのは勝手だろう?OK、続けよう。

薄暗いホールの真ん中に、土俵をこしらえ、土俵だけはスポットライトで照らすのさ。
升席を象ったような客席には、フランスだけじゃなく、世界中から集まったお客がひしめいている。
場内には鳥居だのしめ縄だので演出するんだ。力士のお姉さんたちは、鳥居をくぐって出てくるんだ。東西二つ設けて、片方には狛犬、片方には稲荷のお狐さんでもおいてみるってのもいいな。行事には天狗のお面なんかかぶせてみるか。
あまりにもいかにも過ぎてキッチュな和風空間で、ムチムチぷりぷりした大和撫子が、おっぱいをたゆんたゆんさせながら、がっぷり四つに組むのさ。島田髷なんかにしてやったら、ヨーロッパ人に受けるかもしれないな。なぁに、かつらで構やしないさ。
俺は、これ見よがしな紋付き袴を着て、高下駄を履いたりして、いかにも胡散臭い日本人候といった風情で、娘さんたちの取組に見入るフランスの物好きたちを、うなづきながら眺めるのさ。キセルで煙草なんか吹かしながらね。煙草盆も忘れちゃならねぇな。
ときには狩衣を着て、行司をやるってのもいいだろう。

なんて、下らない夢物語を、真剣に夢想して、友達に会うごとに吹聴し、話のディテールを膨らませていった時期があった。
どうせ人生はくだらないんだから、思いっきり下らなく俗悪な事をしてみたかった。それでいて悪びれることもなく、堂々と開き直っていたかった。なにしろ、世の中の人々は真剣に物事に取り組もうとして、どんどん愚かなことをしでかしている。ここはひとつ、その逆をついて、真剣に愚かでくだらなくて、俗悪な事を突き詰めてみるべきだと考えていたのさ。

けれど、しっかりしたカミサンがついているので、そうはならなかったのさ。放蕩無頼に憧れるだけの善良な小市民だ。しょせんその器じゃないってことさ。

読者諸君、失礼する。真面目に働いてばかりの人生じゃ、つまらないってもんさ。そうじゃないかい?

2014/07/22

Post #1203

Dubrovnik Airport,Croatia
俺の狭い交友関係のなかに、地対空ミサイルを持ってるような奴はいない。
巨大な開発費と、これまたうんざりするほど高額な製造費、そして一発一発のミサイルだって、驚きのお値段なのは、間違いない。
それを手に入れるためには、とんでもない額の対価を払わねばならないし、そもそも、金さえあれば買えるといった態のものでもないだろう。そのミサイルを誰か(自分たち以外の集団に属する奴)をぶっ殺すために開発し、いつでも使えるように維持管理してる奴とコネがなけりゃならないし、そいつから消耗品、つまりはミサイルだって供給し続けてもらわなけりゃならない。アスクルに頼んだって、アマゾンに頼んだって、手に入りっこないからな。

今回のウクライナでの、ここんところついてないマレーシア航空機撃墜事件に関しては、親ロシア派の民兵組織によるものだと言われているが、民兵組織にそんな資本力があるとは到底思えない。
どう考えたって、裏でロシアがじゃぶじゃぶと兵器を送り込んでるってことは、サルが見たって明明白白だろうよ。
だから、ロシアが、そしてプーチンが世界中から非難されるのは、どうしようもないことさ。それだけのことをやらかしちまってるんだから。分別や自制心をなくしてる連中に、危ないおもちゃを与えたんだからな。

そもそも、どこの国も、自国防衛のためと称して、武器を開発したり、買い漁ったりする。
いまのご時世、国連憲章では、自衛戦争以外認めてはいないからな。自衛のための戦争しかダメだってんなら、軍事産業の皆さんは商売あがったりだ。

商売あがったりなら、どうする。手をこまねいているだけでは、経営者失格だぞ。

近隣諸国の反感をあおって、危機を演出し、軍事的緊張を高めたりするように、政治家に働きかけたりするだろう。
いろんなコネを使って、自分たちで高額な開発費を負担し、効率のよい人殺しの道具をつくるだけの、技術的、資金的な能力のない第三国に、売りつけたりもするだろう。
もっと言えば、そういった第三国を経由して、テロ組織や民兵組織なんかに売っていくってことも、多々あるだろう。武器のロンダリングだ。

だいたい、俺の町内でだって、マシンガンの弾一つ作ることすらできないんだ。
発展途上国のテロ組織のおやっさんたちにだって、マシンガンの弾を製造することなんて、とうてい出来っこないだろう。ああいうものをつくるには、高度な生産施設と、確かな技術に裏打ちされた加工精度が必要だからな。
しかし、マシンガンをぶっ放したりして、自分たちと民族宗教、主義主張の異なる連中を、ぶっ殺したいっていうんだろう。需要のあるところに供給ありだ。

そもそも、武器があるから誰かを殺したくなるのさ。
武器がなけりゃ、互いに根気よく話し合って、互いが納得できる妥協点を探るしかないだろう。けど、武器があれば、つい引き金を引いちまうものさ。その方が手っ取り早いからな。
俺だって、平和な日本に生まれていなかったら、とっくに誰かをぶっ殺していたかもしれないと思うと、偉そうなことは言えないが、武器禁輸三原則や平和憲法を、つい最近までかろうじて守ってきた日本という国は、そしてそんな国の在り方を規定していた憲法九条は、なかなか結構なもんだと思っていたんだがね。そう思わない人々も多いらしい。

人間の争いなんて、さまざまな動物が繰り広げてる縄張り争いと根本的に変わりはしないぜ。万物の霊長だっていうんなら、もうちょっとみんな、冷静になって話し合いで解決できないもんかね。

読者諸君、失礼する。戦争したがる奴は、何時だって国を護ると鼻息が荒いものさ。

2014/07/21

Post #1202

Bali,Indonesia
バリ島の田舎道。

三毛作の稲田にアイガモが群れているただなかに、

この像は立っていた。

独立の英雄を讃えて建てられたものなのだろうか?

『時間』の持つ、情け容赦のない浸食を蒙り、頭はいつしか失せ、

右足はモルタルが剥落し、鉄骨のみで宙に浮いている。

かつては躍動する若い国家の希望を顕わして、

農民たちを睥睨していたであろうその像は、

今ではせまりくる夕闇の気配の中、

無惨な姿をさらして、風に吹かれている。

ここでは、英雄は忘れられても、

人々の暮らしは、延々と続いていく。

バリ島の田舎道。

三毛作の稲田にアイガモが群れているただなかに、

この像は今日も立っている。


読者諸君、失礼する。今日は爆睡しちまったよ。