2026/07/23

POST#1916 ケアによって人々をつなぐトークンという構想 第2章

Katmandu,Nepal

これが狭い町内や、有志の仲間内でとどまっている限りは、単なるごっこ遊びだ。

子どものごっこ遊びなら、それでもいいさ。けれど、俺はもういい加減いい歳をしたおっさんだからね、ごっこ遊びじゃ満足できないのさ。東島丹三郎🔗も言っていただろう『俺のはごっこじゃないから!』だ。

ここらで一丁、「現実の社会システム(マトリックス)への接続」へとステップを進めてみよう。夢を夢物語で終わらせるのは、もう飽きたのさ。なんせヴァーチャルじゃ腹は膨れないしな。

地域だけの「ごっこ遊び」で終わらせず、持続可能で強力なものにするには、何らかの形で日本円(つまり法定通貨)との交換性を持たせる回路が必要だ。

つまり「行政を巻き込んだ公的なインフラ化」が不可欠になるだろう。

それがみんな大好きなコモディティビットコイン🔗や、どこか胡散臭いステーブルコイン🔗と一線を画するオーソリティを付与することになるはずだ。

なぜなら、いくら地域でトークンが回っても、家賃や税金、医療費は「円」でしか払えないという現実があるからだ。この「円との交換」を可能にするための、行政を巻き込むロジックと具体的なシステムについて、さらに一歩考えを進めよう。

例えば、このトークンを地域限定でコンビニなんかの支払いに使えるようにするというのはどうだろう。コンビニは現代社会において、最も身近で、24時間いつでも開いている究極のライフラインだ。ここで「ケアトークン」が使えるようになれば、利便性が跳ね上がるだけでなく、社会的な意味がガラリと変わるだろうな。このトークンをもし「市内のコンビニ」で使えるようにするというアイデアを実現したならどうなるだろうか?

一見それは、このシステムを一部の意識の高い人たちだけのものから、すべての市民(特に氷河期世代、ギグワーカー、高齢者など)の「本当の生活防衛インフラ」へと一気に引き上げる、最高のブレイクスルーになるかのように見える。

しかし、これは残念ながら、あまり良い手じゃない。むしろ悪手だ。

なぜって、実際に生活困窮者にこのトークンを配布したとしよう。

彼らは、真っ先にコンビニに向かい、生活必需品と交換してしまうだろう。それでおしまいだ。めでたしめでたし。

これじゃ、いままで何度も繰り返されてきた『定額給付金🔗』や『特別定額給付金🔗』などの『生活支援金』と変わらない。焼け石に水で何も変わらない。一瞬で蒸発して終わりだ。

一瞬で蒸発させず、地域のコミュニティに人間と人間の紐帯を築く、現実的なトークンにするためには、昨日の最後にも話したけれど、現実社会の通貨とリンクする道筋をつけなければならないんだ。しかし、単にこれを生活困窮者に配布する配給チケットや『生活支援金』のようなけち臭いものにしてしまっては、何の意味もないんだ。

現実の経済への出口のことは、いったん措こう。

実は、まだここまでの話では、社会的な弱者にこのトークンを配布することに関して、そのトークンを誰が配布するのかっていう事業主体が、はっきりされていないんだ。

これは、現実経済からこのトークンを通じた地域のコミュニティへの『流動する資本』の入り口を設定していないということだ。この流路を確保しないと、単なる脳内お花畑だ。

最初は、俺も人々からの寄付によって賄うことも考えた。しかし、個人の善意を頼るだけでは、おのずと限界があるだろう。ビル・ゲイツ🔗イーロン・マスク🔗が手助けしてくれるとも思えないしな。

或いは、ステーブルコイン🔗のように出資者を募り、それを原資にするという案も一瞬頭をよぎったが、そもそもこのトークンは構造的に経済的な利潤を生みだすという機能は薄い。利潤のないところに、人間は投資をしない。そう、これはある意味の信用創造🔗なんだ。

2026/07/22

POST#1915 ケアによって人々をつなぐトークンという構想 第1章

東京都中央区築地1丁目
先日、俺が息子を塾に送っていった帰り道、カミさんから電話があった。

近所に住む80代半ばT松さんのおじいさんが、奥さんの具合が悪いから市民病院まで車で乗せていったほしいって頼まれてってんだ。その時カミさんは、テレワークで仕事中だったから、俺がどれくらいで帰ってくるのか聞きたかったみたいだ。

結局、カミさんは仕事を中断して、市民病院までT松さん夫妻を乗せていった。

とはいえ、市民病院は家からほんの300メートルほど、家の前の道をまっすぐ行って信号を一つ渡ったところなんだが、足腰の弱った老人、それも運転免許を返納してしまった老夫婦にとっては、それがとても大変なことなんだ。

幸いT松さんのおばあさんは大事なかったようで、しばらくするとT松さんがやってきて、お礼にといってナスやピーマンを持ってきてくれた。

そんな気を使わなくてもいいのに。

しかし、無碍に贈与を受け取らないのは礼を失する。だからありがたく受け取っておいたんだ。どうやって帰ってきたのか気になっていたんで聞いてみたら、タクシーで帰ってきたんだそうだ。やれやれ、不滅の体力を誇る俺の親父の有り余るエネルギーを分けてやりたいよ。

2026/07/21

POST#1914 ミダス王の呪い、あるいは光るものすべてが黄金だとは限らないぞ

 

世界の車窓から。今日は香港からお送りします。

先日、うちのカミさんが俺にぼやいていた。20年ほど預けていた定期預金が満期になったので、どうしますかって銀行から電話がかかってきたらしい。若い頃に名古屋の会社で働いていたころに設けた定期預金らしい。で、カミさんはどれくらい利息が付いているか聞いてみたらしいんだ。そしたら驚きの金額だ!

なんと利息は総額3,000円だ!家族ではま寿司に行って寿しを食べても、これじゃ足らないぜ!

実際に円が世界の基軸通貨ドルに対して、ここ30年くらいで大きく価値を減らしている状況を考えに入れると、これは利息どころか銀行に預金していたおかげで様で、資産価値が減ったということだ。利息3000円とか言って嘆いてる場合じゃない。

その上、お上が必死に税制優遇して、新NISA などの投資に、人々を誘導するのはもう日本円を信用するなと言ってるのと全く同じことだなと思えてくるぜ。

かつての「預金しておけば安全」という神話の崩壊は完全に崩壊してるな。利子がついても振込手数料一回ですっ飛んでしまうんだ。帳簿をつけてても笑うしかないぜ。

対ドルで見た日本円の価値は激しく目減りしている。1995年には1ドル80円くらいまで行った。悪夢のような民主党政権の時は1ドル110円くらいだった。そして今は、162円だ!これこそ悪夢じゃなくて何なんだ?!

実際に購買力ベースで見れば、日本は21世紀に入ってからほとんどの間、大損しているのが現実だ。そして、「国がNISA(少額投資非課税制度)などで投資へ国民を強く誘導しているのは、裏を返せば『もう国(日本円)を信用するな、自分の身は自分で守れ』と政府が白旗を上げているのと同じである」というのは、残念ながら冷徹で正しい見立てなんだろうな。

この構造を、MMT(現代貨幣理論)の限界と、国の本音という2つの視点から整理するよ!


1. 「対外的な減価」というMMTの死角

MMT🔗では「自国通貨建ての国債を発行している限り、政府は財政破綻(デフォルト)しない」と主張している。しかし、これはあくまで「国内」の話だよ。

円安による購買力の喪失: 
日本はエネルギーや食料の多くを海外からの輸入に頼っているのはご存じの通り。
エネルギーも食料もアウトソーシングだ。ついでに労働力もな。日本国内でいくら政府が「円」を担保し、破綻しないと言い張っても、対ドルで円の価値が下がれば、海外からモノを買う力、つまり購買力は確実に落ちることになるんだ。なんせ、日本はドル覇権を支えてる、毘沙門天🔗の足元のアマノジャク🔗みたいな国だからな。
実質的なババ化
20年前に預けた金が、数字の「額面」としては減っていなくても、アメリカの物価上昇や円安によって「買えるモノの量」が半分近くに減ってしまっているなら、それは国家が円の「価値の保存機能」を担保しきれず、国民に損失(ババ)を押し付けたことに他ならないんだ。

2. NISA誘導の真意:国家の「担保責任の放棄」

国が「貯蓄から投資へ」とスローガンを掲げ、NISAを拡充している動きは、まさに「国家による敗北宣言」であり「自己責任論へのすり替え」そのものだ。

「円」だけでは守れないという本音
政府や中央銀行は公式には「円の価値は安定している」と言わざるを得ないよな。口が裂けても、わが国は失敗国家ですとは言えないさ。
しかし行動としては、新NISAを通じて「米国株(オルカンやS&P500など)」のような外貨建て資産を国民に買わせようとしているわけだ。
これは政府自身が「日本円だけで資産を持っていると、これからのインフレや円安で確実に目減りしますよ」と認めている何よりの証拠だろう?
福祉(年金)の肩代わり
本来、国家の役割は国民の老後の生活や生活弱者や貧困層を、年金や社会保障制度で担保することだ。しかし、財政と通貨の力が弱まった国は、「投資で自分で増やして、老後の資金は自分で用意してください」と、本来国家が負うべきリスクを国民の個人の責任へとシフトさせているわけだ。じゃぁ、今生活に困窮している現役世代はどうなる?
俺はこの状況は、ある種の棄民政策じゃないかとすら思っているんだ。

現代の日本で起きていることは、非常に皮肉な構造だ。

国家の基本は「日本円」を最高のインフラとして担保することであるはずなのに、その国自体が「円だけを持っていると損をするシステム」を作り出してしまい、国民に対して「NISAという道具を使って、円以外のコモディティや外貨(他国のババや良貨)を自分で掴みに行きなさい」と突き放しているのが現状なんだ。

「国家が担保するからこそ通貨は成り立つ」という大原則が、今の日本政府自らの手によって内側から崩壊しつつあるという見立ては、まさに今の日本経済の最大の矛盾を捉えているといえるだろう。